借地権付きの不動産を売却する際には、通常の売却とは異なる知識や準備が求められる点に注意が必要です。
また、借地権の種類やそれぞれの特徴を理解することで、円滑な取引につながり、トラブルの回避にも役立ちます。
とくに、地主との関係性や契約内容を事前に把握しておくことが、スムーズな売却手続きを進めるための重要な鍵となるでしょう。
この記事では、借地権の基本的な仕組みから売却方法、手続きの流れまでをわかりやすく解説いたします。
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借地権とは?
不動産の売却を検討する際、借地権の種類や特徴を正確に理解することは非常に重要です。
とくに、「普通借地権」「定期借地権」「旧法借地権」の違いを把握することで、売却時のトラブルを未然に防ぐことができます。
以下では、それぞれの借地権の特徴とポイントについて詳しく解説いたします。
普通借地権の特徴とポイント
普通借地権は、平成4年8月1日施行の借地借家法で創設された制度で、契約期間は原則30年以上です。
満了後に借地人が更新を希望すれば更新が認められ、借地人は長期にわたり安定して土地を利用できます。
なお、更新後の期間は初回20年以上、2回目以降10年以上です。
さらに、更新を拒絶するには地主側に正当事由が必要であり、借地人の権利保護が手厚い制度です。
借地人は、建替えや増改築も比較的自由におこなえますが、大規模な変更には事前の承諾や通知が求められる場合があります。
また、地代や更新料の交渉は地域の慣行に左右されるため、実務では周辺事例を調査してから進めると安心です。
くわえて、公正証書で更新条件を残しておくと、紛争を防ぎやすくなります。
定期借地権の仕組み
定期借地権は、契約期間満了と同時に確実に終了し、更新はおこなわれません。
代表的な「一般定期借地権」は、期間50年以上で主に住宅用、「事業用定期借地権」は10年以上50年未満で事業用途に限定されます。
期限が来れば更地で返還する義務があるため、借地人は建物の減価償却や解体費用も計画に織り込んでおく必要があります。
また、地主側は契約締結時に一時金を受領するケースが多く、長期安定収入を確保しながら土地を将来自由に活用できる点が魅力です。
さらに、建物のみ担保のため、融資比率が下がる金融機関ある点に注意しましょう。
旧法借地権とその扱い
旧法借地権は、平成4年以前の旧借地法下で締結された契約に適用され、借地人の権利が強く守られます。
契約期間は、堅固な建物で30年、非堅固で20年であり、更新後も同じ期間が継続し、更新拒絶には正当事由が求められます。
火災・災害で建物が滅失しても、一定期間内に再築すれば権利は残りますが、借地人の任意解体では契約が終了します。
また、古い条件が残りやすく地代が低額なケースもあるため、売却時には法的整理と地主との合意形成が欠かせません。
さらに、旧法借地権は、譲渡や増改築でも承諾料の相場が低い傾向にあり、地主が収益を確保しにくい点がトラブルの火種となりやすいです。
そのため、売却前に地代改定や更新料設定の合意を図り、双方の利益バランスを整えておくと交渉が円滑に進みます。
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借地権付き建物を売却する3つの方法
借地権付き建物を売却する際は、地主との関係や権利整理がとくに重要です。
適切な選択は、資金計画にも直結します。
そのため、以下では、その代表的な3つの売却方法を見ていきます。
地主に売却するケース
地主に売却する方法は、最も直接的で現実的です。
地主が土地と建物を一体で所有できるので、権利関係が一本化され管理や活用が容易になります。
再開発や資産価値の向上を見込む地主にとっても、取得メリットは大きい場合があります。
また、価格交渉では路線価や近隣取引事例だけでなく、将来的な開発計画の有無で評価が大きく変わるため、複数シナリオで査定を依頼すると良いでしょう。
さらに、交渉過程では感情面の配慮も大切で、丁寧な説明と情報共有が円満な合意形成につながります。
ただし、交渉では地主が優位になりやすいため、適正な査定と専門家の助言を基に価格条件を詰めることが欠かせません。
なお、譲渡益に課税されるので、早期対応を含め住み替え特例などの適用可否を税理士に確認しましょう。
第三者に売却する場合の注意点
第三者に売却するには、地主の承諾が不可欠です。
また、無断譲渡は契約違反となるため、事前に譲渡条件を確認しましょう。
承諾に伴い「承諾料」が求められることがあり、金額は地域慣行で大きく変動するため事前確認が必須です。
さらに、買主にとっては土地を所有しない点がデメリットとなるため、建物の状態や借地契約の残存期間を明確に提示し、資産価値を可視化することが重要です。
底地権と一緒に売却する選択肢
地主と協力し、借地権と底地権をセットで第三者に売却する方法もあります。
いわゆる、「同時売却」または「一括売却」と呼ばれ、買主は完全所有権を取得できるため魅力が高い方式です。
また、実施には地主との合意形成が欠かせず、価格配分や契約条件を事前に調整する必要があります。
さらに、法律的な難度も高いため、専門家のサポートを受けながら進めると安心です。
こうした売却方法は、投資家やデベロッパーの需要が高く、競争入札形式を採用すればさらなる価格上昇が期待できます。
ただし、調整が難航すると時間とコストが膨らむため、スケジュール管理を徹底し、専門家との役割分担を明確にしておくと安心です。
路線価と建物残価を併用した査定なら、価格配分の根拠をより示しやすくなります。
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借地権付き建物を売却する流れ
借地権付き建物の売却には、通常の土地・建物売却とは異なる準備や地主への配慮が求められます。
以下では、仲介契約の準備から譲渡承諾書の取得まで、主要な流れと注意点を整理します。
仲介契約を結ぶまでの準備
売却を始める前に、契約内容と権利関係を正確に把握することが不可欠です。
借地権の種類・残存期間・契約条件は、価格や買主の意欲に直結します。
まず、借地契約書や建物の登記簿謄本などを整理し、不明点があれば早めに専門家へ相談しましょう。
また、査定では市場価格だけでなく立地や借地料も考慮され、必要なリフォームの有無も評価に影響します。
さらに、物件調査では、耐震診断や環境法令の遵守状況も確認しておくと、デューデリジェンス時の信用度が高まります。
なお、修繕箇所を事前に整理しておくと、売却活動がスムーズになるでしょう。
地主の承諾を得る重要性
借地権付き建物を売却するには法律上、地主の承諾が必須です。
また、承諾を得られなければ、買主がいても手続きを進められません。
そのため、売却前に意思を伝え、譲渡条件や手数料の有無を協議しておきましょう。
さらに、承諾手続きの段階で買主を同席させると、今後の利用計画を直接説明でき、地主の不安解消につながる場合があります。
ふだんから借地料を滞納せず利用目的を守るなど、誠実な対応を続ければ承諾を得やすくなります。
借地権譲渡承諾書の取得手続き
手続きの要となるのが、「借地権譲渡承諾書」です。
これは、地主が譲渡を正式に認めた証明であり、売買契約と登記の前提になります。
取得にあたっては、譲渡理由や買主情報を提示し、名義書換料が求められることもあります。
また、申請後は、数回の協議を経て発行されるのが一般的です。
さらに、登記申請時には、譲渡承諾書の原本を添付する必要があるため、発行後は保管方法にも注意し、期限内に手続きを終えることが大切です。
なお、承諾書を受領したら売買契約を締結し、所有権移転登記へと進みます。
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まとめ
借地権付き住宅の売却には、土地の権利関係を踏まえた専門的な知識と柔軟な対応が求められます。
借地権の種類や契約内容を正しく把握し、地主の承諾が必要な場面では丁寧な手続きが重要となります。
スムーズな売却を目指すためにも、専門家のサポートを受けながら計画的に進めることが大切です。
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