自宅での快適な暮らしを実現するために、防音対策を取り入れたリノベーションに関心を持つ方が増えています。
とくに、音楽や配信、在宅ワークなどをおこなう方にとっては、防音室の導入が大きな安心感と集中力向上につながるでしょう。
そのため、防音と遮音、吸音の違いを正しく理解することで、目的に合った効果的な防音環境を整えることが可能になります。
この記事では、防音室の基本知識から費用の目安、施工時に押さえるべきポイントについて詳しく解説していきます。
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防音・遮音・吸音の違い
防音とは、遮音と吸音を組み合わせて、音の侵入と漏れを抑える総合対策です。
遮音は「反射で音を通さない」、吸音は「吸収で響きを減らす」という役割を担い、それぞれを適材適所で使うことで静かな室内を保てます。
さらに、室内の目的や楽器の種類によって必要な性能は変わるため、機能ごとの特徴を知ることが計画段階での判断材料になります。
たとえば、ピアノ演奏とリモート会議では必要な周波数帯が異なるため、施工方法や素材選択も変わる点に注意しなければなりません。
それぞれの違いを理解する
防音は、遮音材と吸音材を組み合わせる設計思想で、石膏ボードとグラスウールを重ねることで、外部騒音をおさえつつ室内の反響も低減できます。
また、壁だけでなく、床や天井にも同様の考え方を適用すると、上下左右からの音経路を一括で対策でき効果が安定します。
なお、遮音と吸音は単独でも役立ちますが、高い静けさを目指す場合は、互いの弱点を補完し合う組み合わせが不可欠です。
くわえて、遮音材だけで外部音を25dB下げても、室内残響が長ければノイズフロアが上がり、逆に吸音材だけを増やすと低音域が回り込むおそれがあるため注意が必要です。
施工後は、簡易騒音計でビフォー・アフターを測ると、効果を数値で確認できます。
さらに、DIYなら遮音シートの上に防音カーテンを重ねるだけでも、生活音を減らせるでしょう。
遮音の特徴と役割
遮音は、質量の大きい素材で音を反射させる方法です。
コンクリートや鉛シート、二重石膏ボードを追加すると、隣室や外部からの騒音を大幅に遮断できます。
また、物理的に音を「跳ね返す」ため、ドラムの低音や交通騒音のような低周波にも効果があります。
ただし、室内で発した音が反射して残響が残るため、吸音との併用が不可欠です。
そのため、設計では遮音層の外側に吸音層を重ねる「マス・スプリング・マス構造」が多用されます。
なお、高層マンションの鉄筋コンクリート壁でも、電気配管の隙間が音の抜け道になるため点検が欠かせません。
吸音が果たす重要な効果
吸音は、音エネルギーを内部摩擦で熱に変え、響きと残響時間を短くします。
代表的な素材は、グラスウールやウレタンフォームで、人の声や楽器の中高音をおさえるのに効果的です。
また、軽量で加工しやすく壁内部や天井面に使いやすいため、リフォームでも取り入れやすい点がメリットです。
さらに、素材の厚さや密度で効く周波数が変わるので、用途に合わせて仕様を選ぶと、無駄なくコストを抑えられます。
なお、吸音材は経年で沈下しやすいため点検口を設け、五年ごとに補充すると性能を維持することができます。
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防音室の用途とリノベーション費用
防音室の施工は「部屋全体を改修する方法」と「組み立て式ユニットを置く方法」の2種類が主流です。
そのため、性能と予算、賃貸物件か持ち家かといった条件を比較して、最適な工法を選びましょう。
以下では、防音室をリノベーションする際にかかる費用などについて解説していきます。
部屋全体を防音仕様にする場合の費用
6畳の部屋を壁・床・天井・窓・ドアまで改修すると、一般に300〜410万円が目安です。
木造は、音が漏れやすく、工数が増えるぶん費用が高くなる傾向があります。
また、開口部を防音サッシや二重ドアに替えると予算は膨らむため、施工会社と優先順位を相談して決めてください。
Dr値は、数値が高いほど遮音性能が優れ、60程度を目安にすると安心です。
さらに、部屋全体を改修する場合、賃貸物件では管理会社の許可が必要で、マンションは管理規約の制限を確認しなければなりません。
RC造でも、躯体の空洞が共鳴するケースがあるため、現地調査で空隙を塞ぐ処理が重要です。
なお、補助金を設ける自治体もあり、条件を満たせば施工費の一部を負担してもらえる可能性があります。
防音ユニットを活用する選択肢
ユニット型は、建物を傷つけず設置でき、0.8〜1.7畳の小型なら約77〜150万円、6畳程度の大型は360〜480万円が相場です。
工期は1〜2日と短く、引っ越し時に解体して再組立てできる点が賃貸ユーザーに人気です。
また、遮音性能はDr35〜40ほどで、ドラムなど大音量の楽器を使用する場合は、追加対策を検討しましょう。
くわえて、設置前に床の水平度や荷重制限、搬入経路を確認し、エレベーター幅が不足する場合は分割搬入可能かメーカーに相談します。
なお、戸当たりゴムやドアクローザーの調整が甘いと隙間から音が漏れるため、初期設定のフィッティングは丁寧におこなってください。
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防音室リノベーションのポイント
静かな室内を得るには、壁・窓・床を重点的に対策することが大切です。
以下では、防音室のリノベーションをおこなう上でのポイントをご紹介いたします。
壁の施工と素材の選び方
基本は、遮音シート→吸音材→石膏ボードの3層構成で、接合部は防音テープとコーキングで気密を高めます。
また、隙間が生じやすいコンセントボックスや配管まわりには、入念にシールすると効果が上がります。
くわえて、不燃認定の建材を選べば安全性も確保できるでしょう。
さらに、仕上げに吸音パネルを貼れば、調音とデザインを両立でき、完成後の微調整にも便利です。
ボードの継ぎ目には気密テープ+パテ処理を施し、配線用の貫通部はスリーブとパテで塞いで音の通り道をなくします。
なお、壁面に吸音パネルを後付けする場合は、ビス留めだけでなく接着剤併用が推奨され、浮き上がりを防げます。
天井裏に空間がある住宅では、吸音材を敷き詰めるだけで反響が大幅に減るケースもあり、施工コストを抑えたいときに有効です。
窓からの音漏れを防ぐ方法
既存窓の内側に内窓を取り付け、枠のすき間をシーリング材で埋めると大きな効果が得られます。
また、厚みや中空層幅が異なる複層ガラスは共鳴周波数がずれるため、遮音域が広がります。
さらに、内窓の樹脂フレームは金属より熱伝導率が低く、結露抑制と断熱にも効果的です。
くわえて、防音と同時に冷暖房効率が上がり、光熱費の削減策としても期待できます。
なお、窓の内枠に貼る防音テープは劣化しやすいため、数年おきに交換しましょう。
床の遮音対策と注意点
防音フローリングや遮音マットと吸音材を組み合わせると、足音や落下音を抑えられますが、厚みと重量が増すため天井高と構造荷重を確認しましょう。
また、ラグやカーペットを併用すると体感的な静けさも高まり、手軽に効果を底上げできます。
さらに、遮音等級L値にも注目し、L40以下のフローリングを選べば、生活音はほとんど気にならないとされます。
重量家具を置く予定がある場合は、下地補強を同時におこなうと長期的な安心につながるでしょう。
なお、床下に防振ゴムを敷くと階下への振動伝達が低減し、ピアノやトレーニング器具を設置する際に役立ちます。
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まとめ
防音室のリノベーションをおこなうには、音の伝わり方や遮音の基本を理解したうえで計画を立てることが大切です。
目的に応じて施工方法やコストを比較し、効果的な防音対策を選択することが成功へのポイントとなります。
壁・床・窓など部位ごとの対策も検討し、自分の暮らしに合った快適な音環境を整えていきましょう。
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