土地にはエリアに応じて用途地域が定められており、その用途地域ごとに建てられる建物の制限があることをご存じでしょうか。
土地を購入したあとに要望通りの建物が建てられないといった事態を防ぐためにも、事前に用途地域ごとにどのような建物なら建てられるのかを把握しておくことが重要です。
そこで今回は、そもそも高度地区とは何かに加えて、どのような高さ制限があるのか、高度地区と高度利用地区の違いとは何かについても解説します。
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土地の高度地区とは?
冒頭でもお話ししたように、土地を購入しても、自分たちの要望通りの家を必ず建てられるとは限りません。
そのため、土地を購入する前に、高度地区とはどのようなエリアを指すのかについても把握しておくと良いでしょう。
ここでは、高度地区の概要について解説していきます。
高度地区とはどのようなエリア?
高度地区とは、用途地域内において、建築物の高さを制限しているエリアです。
また、高度地区といっても、建物の高さの上限を設定した「最高限度高度地区」と、下限を定めた「最低限度高度地区」に分かれます。
そして、最低限度高度地区に定められているエリアは高度地区全体の1%未満に過ぎません。
そのため、一般的に高度地区といえば「最高限度高度地区」というエリアだと覚えておくと良いでしょう。
高度地区を規定している都市計画法の地域地区とは?
都市計画法では、都市計画区域内にある土地を有効活用すべく、エリアを全21種類の地域地区に分けて利用用途を設定しています。
そして、高度地区は都市計画法の地域地区のひとつであり、全21種類のなかで、もっとも指定面積が広い点が特徴です。
高度地区の目的とは?
高度地区(最高限度高度地区)が設定されている目的のひとつに、良好な市街地環境の維持が挙げられます。
誰しもが土地に対して、好き勝手に建物を建ててしまうと、隣地に住んでいる方の生活に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
そこで、建てられる建物の高さを制限し、エリア内における建物の日当たりや風通しなどを阻害しないようにしているのです。
一方、最低限度高度地区は高層ビルなどが必要なエリアに、高さの低い建物を建てることを制限するものです。
そのため、駅前などの繁華街が指定されるケースが多く、基準よりも低い建物は建てられません。
これにより、繁華街としての利便性を高めたり、都市部など限られた空間を有効活用できたりと、市街地環境が維持されているのです。
なお、高度地区の制限は自治体ごとに定められているため、全国共通ではありません。
例として、東京都では第1種~第3種高度地区があるのに対して、神奈川県横浜市では第1種~第7種高度地区、大阪府箕面市では第1種~第8種高度地区まであります。
そのため、高度地区内にある土地を購入するときには、各自治体の規制内容をしっかりと確認しておくことが大切です。
なお、インターネットで自治体名と“高度地区”という文言を打ち込んで検索すると、各自治体における高度地区の高さ制限を確認できます。
また、自治体の都市計画課などの窓口に直接問い合わせて確認する方法もあります。
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高度地区の高さ制限の例
一口に高度地区といっても、建物の高さを制限する法律には「北側斜線制限」と「絶対高さ制限」などがあります。
高度地区に位置する土地上に建物を建てるときには、これらの制限が何を意味しているのかを知っておくと土地を購入した後に後悔しないでしょう。
ここでは、高度地区における高さ制限の例として、北側斜線制限と絶対高さ制限の概要について解説します。
高度地区における高さ制限の例①北側斜線制限とは?
北側斜線制限とは、これから建物を建てる土地からみて北側の建物が一定の日照時間を確保できるように高さを規制したルールです。
具体的には、建物を建てるにあたって北側にある敷地との境界線上に一定の高さを取り、そこから一定の勾配を付けた範囲内に建物が収まるように建てる必要があります。
また、高度地区では、北側斜線よりもさらに制限の厳しい高度斜線が適用される点に注意が必要です。
そのため、高度地区内にある土地に家を建てるときには、北側の高さが制限されることを覚えておかないと後悔することになるかもしれません。
屋根が低くなるだけではなく、天井の一部のみが低くなるケースも考えられます。
このようにある程度の制限があるため、注意は必要ですが、土地の北側にある家と距離をあければ、そこまで高度斜線の影響を受けることなく建物を建てられるようになります。
したがって、高度地区内にある土地を購入するときには、北側の建物とどのくらい間隔をあけて建物を建てる必要があるかは、事前に確かめておいたほうが良いでしょう。
高度地区における高さ制限の例②絶対高さ制限とは?
高度地区においては、建物を建てるときに「絶対高さ制限」も守らなければなりません。
絶対高さ制限とは、建物の各部分の高さを地盤面から一定の数値内に収めなければならないとする建築上のルールです。
例として、第1種高度地区に指定されているエリアでは、建物の高さを10m以内にしなければならないので、3階建て以上の建物は基本建てることができません。
また、第2種高度地区では、建物の高さを12m以内にする必要があるなどエリアによって異なるので、土地を購入する前に確認しておくことをおすすめします。
なお、絶対高さ制限が適用される用途地域は、第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域・田園住居地域のみです。
また、北側斜線制限と絶対高さ制限のいずれも設定されているケースでは、より高さが低くなる制限を適用する場合があります。
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高度地区と高度利用地区の違い
高度地区とよく似ている言葉に「高度利用地区」があります。
一見同じような意味合いに思えますが、特徴は大きく異なるので違いをおさえておきましょう。
高度地区と高度利用地区はどう違う?
まず、先述したとおり、高度地区はあくまでも建物の高さに対する制限を指します。
一方、高度利用地区は建物の建ぺい率や容積率、敷地面積を制限したエリアを指すため、大きな違いがあるのです。
そして、建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合で建物の大きさを制限するもの、容積率は建物の延床面積を敷地面積で割った割合で建物の高さを制限するルールです。
そのほかにも、高度地区の高度は「高さ」を意味しますが、高度利用地区の高度は「都市機能」を意味する点も違いのひとつです。
高度利用地区の目的
高度利用地区は、都市として発展途上の地域が指定されるケースが多いです。
現状、街並みは整備されていないものの、今後高度な都市機能を有したエリアとしての発展が期待されているということです。
つまり、高度利用地区では高層ビルなどを建てるために土地を有効活用するといった目的があります。
建物の高さが制限される高度地区とは異なり、高度利用地区では建築面積や容積率の最低限度などが定められています。
これにより、低層の建物ではなく、高層ビルなどの高い建物を建てやすくしている点が特徴です。
高度利用地区に指定されたエリアでは、あらかじめ指定されている用途地域の容積率が適用されないので、大型の建物を建てることが可能なのです。
このように高度地区と高度利用地区とでは、建てられる建物が異なる点をおさえておきましょう。
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まとめ
用途地域内において高度地区が設定されているときは、建てられる建物の高さが制限される点に注意が必要です。
高さ制限の例には、北側斜線制限と絶対高さ制限があるので、土地を購入するときにはどのような建物を建てることができるのかを事前に確認しておくと良いでしょう。
そして、高度利用地区には都市化を図る目的があり、高度地区とは概念が異なる点を覚えておきましょう。
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株式会社リードホーム スタッフブログ編集部
都心・城南エリアで土地・一戸建て・マンションをお探しの方のために結束したファミリータイプ住宅売買の専門集団です。目黒区・港区・渋谷区・世田谷区・品川区・大田区の居住用物件のみに特化しております。ブログでは不動産売却などの記事をご提供します。