土地の売却のしやすさは、立地によって変わります。
とくに、所有する土地が「囲繞地」の場合、一般的に売れにくいとされているため、注意が必要です。
本記事では、囲繞地とはなにか、囲繞地を売却しにくい理由や売却のポイントを解説します。
囲繞地の売却を検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
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売却前に確認が必要な囲繞地とは?
「袋地」とは、ほかの土地に囲まれて公道に直接出ることができない土地のことです。
また、池沼、河川、水路もしくは海、崖などによって公道に出ることができない土地のことを「準袋地」と呼びます。
このような「袋地」「準袋地」を囲む土地のことを「囲繞地」と呼びます。
囲繞地通行権とは
袋地や準袋地の所有者は、周りの土地を通らないと道路に出ることができません。
そのため、袋地・準袋地には「囲繞地通行権」の権利が民法で定められています。
囲繞地通行権は、土地を囲む囲繞地を通って公道に出るための通路を作ることができる権利です。
公道だけでなく、私道も含まれます。
囲繞地通行権は、隣り合う土地の所有者同士、お互いに譲り合って土地の利用を調整するためのものです。
もし通路がすでに存在していても、その幅が狭くて土地の利用に大きな支障がある場合には、囲繞地通行権を使って通路を広げることが認められることもあります。
なお、囲繞地の所有者は、囲繞地通行権を拒否することができないとされています。
ただし、囲繞地の所有者が無条件で従わなければならないというわけではありません。
囲繞地通行権は「囲繞地の所有者にとって損害が少なくなる場所」で、行使されるべきです。
たとえば、通路として利用できる空き地がほかにもある場合は、その空き地を使ってもらうように交渉することができます。
また、土地が分割されたり一部が譲渡されたりして囲繞地と袋地ができた場合は、元々一緒だった土地を通ることができます。
囲繞地における通路の位置と幅とは
囲繞地を通る権利があるといっても、その通路がどこにでも作れるわけではありません。
通路は、囲繞地にとってもっとも迷惑が少ない場所に作らなければならず、その幅も必要最小限に抑える必要があります。
この通路を使う方(通行権者)は、原則として通路を使うための料金(通行料)を支払う必要があります。
通路の幅については、袋地や囲繞地の具体的な状況や、社会や経済の観点から決められるのが一般的です。
土地に建物を建てる場合、建築基準法上、幅員4m以上の道路に敷地が最低2m以上接している必要があります。
囲繞地を売却する際は、囲繞地通行権のことや通行料のことなどを買主にしっかりと説明しましょう。
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囲繞地が売却しにくい理由とは?
不動産を売却する際は、買主の視点を理解することがとても重要です。
囲繞地が売れにくい理由を把握し、そのうえでどう売り出すかを計画しましょう。
理由①:再建築の制約
囲繞地や袋地があるエリアは住宅が密集していることが多いため、その土地に新しく建物を建築したり、増築することができない可能性があります。
建築基準法では、建物を建てる土地は4m以上の幅の道路に2m以上面している必要があります。
囲繞地においても、面する道路に2m以上接していなければ、再建築ができません。
再建築ができない物件は、建て替えができない、住宅ローンが使えないなどの理由で、買主が見つかりにくいのです。
理由②:日当たりと風通し
囲繞地は、日当たりと風通しが悪い傾向にあります。
快適な住環境として、明るい日差しと良好な風通しは重要です。
しかし、囲繞地は他の建物に囲まれていることが多いため、十分な日光や風が室内に入りにくいのです。
とくに、洗濯物がなかなか乾かないなどの日常生活での不便さが、買主にとって新しい生活への不安となるでしょう。
理由③:駐車場
囲繞地は、過去の相続や土地の分割の結果として生まれ、狭小な土地であることが多いです。
こうした狭小な土地では、駐車場を確保するのが難しい傾向にあります。
とくに、公共交通機関よりも車を使うことが一般的な地域では、駐車場がないことは大きなデメリットです。
そのため、別に駐車場を借りる必要があること、駐車場まで移動しなくてはいけないことは、買主にとってマイナス要素になります。
理由④:通行権を拒否できない
前述したように、公道に直接出られない土地「袋地」の所有者には、囲む土地「囲繞地」を通って出入りする通行権が法律によって保証されています。
通行権を囲繞地の所有者が拒否することはできません。
しかし、たとえ法律で認められていても、自分の土地を他人に通行されることを好まない方は多いです。
防犯の面からも「隣人であっても自分の土地を通行されたくない」と感じる方は少なくありません。
以上のような理由から、囲繞地の需要がどうしても低くなってしまいます。
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囲繞地を売却するポイントとは?
囲繞地をスムーズに売却するポイントは、以下のとおりです。
売却のポイント①:通路部分を売却してから囲繞地を売却する
囲繞地の売却が難しい1番の理由は、囲繞地の所有者が袋地の所有者の通行を許可しなければならない点です。
この問題を解決して囲繞地を売却する1つの方法は、通路部分を袋地の所有者に売却した後に囲繞地を売却する方法です。
袋地の所有者に売却できれば、双方にとっての利便性が向上し、より住みやすい環境を実現できます。
ただし、この方法は通路部分を袋地の所有者に売却してから、残りの土地を売りに出すため、2重に手間がかかります。
通行権の問題が解消されれば、買主をすぐに見つけることができるので、結果的にスムーズな売却につながります。
売却のポイント②:囲繞地を袋地を一緒に売却する
囲繞地を売却する2つ目の方法は、囲繞地を袋地と一緒に売却する方法です。
袋地の所有者から土地を買い取って囲繞地とセットで売却できれば、袋地の所有者が囲繞地を通る問題を解消できます。
袋地の所有者も、同様に土地の売却が難しいと感じていることが多いため、交渉すれば買い取りに応じてくれる可能性があります。
もし、袋地の購入資金がない場合は、袋地の所有者と協力して、袋地と囲繞地を1つの土地として売却し、袋地の所有者と売却益を分け合うことを検討してみましょう。
その場合、袋地の所有者と売却に関するルールや配分について事前にしっかり決めておくことが重要です。
もちろん、売却のタイミングや価格については双方で話し合う必要がありますが、個々に買主を探すよりも良い結果を期待できるでしょう。
売却のポイント③:袋地の所有者に売却する
囲繞地を売却する3つ目の方法は、袋地の所有者に売却することです。
袋地の所有者は法律に基づき囲繞地を通る権利があるものの、通行料を支払う必要があります。
通行料の額は法律で定められているわけではなく、お互いの合意によって決められます。
そのため、毎年通行料を支払うこと、隣地の所有者と良好な関係を維持するために必要な努力を考慮すると、囲繞地を買いたいと考える方は多いのです。
したがって、袋地の所有者に売却することは、新たな買主を探すよりも売却がスムーズに進みやすいと言えます。
囲繞地を売りに出す前に、まずは袋地の所有者に売却を持ちかけてみると良いでしょう。
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まとめ
囲繞地とは、袋地の周りにある土地のことです。
囲繞地があるエリアは住宅が密集しているため、再建築の制限があったり、日当たりや風通しが悪かったり、駐車場がないといった理由から売れにくいものです。
スムーズに売却するポイントは、通路部分を袋地の所有者に売却する、袋地を買い取ったうえで売却する、袋地の所有者に売却するなどが挙げられます。
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株式会社リードホーム スタッフブログ編集部
都心・城南エリアで土地・一戸建て・マンションをお探しの方のために結束したファミリータイプ住宅売買の専門集団です。目黒区・港区・渋谷区・世田谷区・品川区・大田区の居住用物件のみに特化しております。ブログでは不動産売却などの記事をご提供します。