都市部にある土地の売買を検討している場合に確認しておきたいポイントの1つが、検討している土地が都市再生緊急整備地域に該当するかどうかです。
都市再生緊急整備地域に該当するエリアは税制支援など、さまざまな特例措置を受けられます。
今回は、都市再生緊急整備地域の概要や選定された経緯、都市再生緊急整備地域における特例措置をご紹介します。
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土地の売買前に知っておきたい都市再生緊急整備地域とは
土地の売買をご検討中の方のなかには、都市再生緊急整備地域という言葉に聞きなじみがない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まずは、都市再生緊急整備地域の概要をご紹介します。
都市再生緊急整備地域とは
都市再生緊急整備地域とは、都市開発事業などを通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべきだと政令で指定された地域のことです。
都市再生特別措置法の規定に基づいて指定されるもので、市街地整備により都市再生の拠点となることを目指しています。
都市再生緊急整備地域に該当する地域では、財政・金融・税制などの支援を受け、官民が連携して市街地整備をおこなっています。
都市再生緊急整備地域が作られた目的の1つが、国際競争力の強化です。
近年ではとくにアジア地域の台頭が目覚ましく、日本の都市の国際競争力が低下していることが問題とされてきました。
そこで、海外から企業や人材が集まる魅力的な都市拠点を日本国内に作り、国際競争力を強化するために設けられたのが都市再生緊急整備地域です。
都市再生緊急整備地域に指定されている地域
2023年3月30日時点で、全国の52地域が都市再生緊急整備地域に指定されています。
北海道から沖縄県まで日本各地の市街地が指定されていて、その広さの合計は9,536haです。
また、都市再生緊急整備地域のなかでもとくに重要性の高い地域は、特定都市再生緊急整備地域に指定されています。
特定都市再生緊急整備地域とは、都市再生緊急整備地域のなかでも国際競争力の強化にとくに有効な地域だと政令で指定されるものです。
国内外の都市間の往来が円滑にできる地域や、外国人ビジネスパーソンの生活を支える都市機能が集積している地域などが指定される傾向にあります。
特定都市再生緊急整備地域は2023年3月30日時点で全国に15地域あり、その広さの合計は4,336haです。
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都市再生緊急整備地域が選定された経緯
都市再生緊急整備地域の制度は、2002年の都市再生特別措置法の施行により始まりました。
都市再生緊急整備地域が選定された経緯をご紹介します。
都市再生特別措置法の施行
都市再生緊急整備地域は、2002年6月1日に施行された都市再生特別措置法により制定されました。
都市再生特別措置法では、当時急速に進行していた情報化や国際化などに都市が対応できるよう、情勢の変化に対応した都市の再生を目指しています。
その背景にあるのが、アジア諸国の著しい成長と、日本国内の少子高齢化に伴う経済成長の鈍化です。
国際社会のなかで今後も日本の都市が世界から選ばれる都市であり続けるためには、都市の再生が必要不可欠です。
しかし、国や自治体は少子高齢化などが原因で財政状況が厳しく、都市の再生のみに潤沢な予算を振り分けることができない状況でした。
そこで、官民連携による魅力的な都市拠点の形成を目標に選定されたのが都市再生緊急整備地域です。
国全体の成長をけん引できる大都市の市街地整備を官民連携で重点的に推進するために、全国各地の候補地域が選定されました。
都市再生特別措置法の改正
2011年7月25日には都市再生特別措置法が改正され、新たに特定都市再生緊急整備地域が選定されることになりました。
特定都市再生緊急整備地域は、都市再生緊急整備地域のなかでもとくに重要性の高い地域です。
国際競争力強化に向けた都市構想や戦略が公開されていて、その取り組みが適切におこなわれていると認められた地域のうち、以下に該当するものが選定されます。
●新幹線が停車する駅や主要な空港があり、国内外の主要な都市との往来が円滑におこなえる
●国際会議場や宿泊施設など、外国人ビジネスパーソンの生活を支える施設や企業が集積している
●企業の経済活動が活発におこなわれ、多くの付加価値が生み出されている
東京都内の東京都心・臨海地域や品川駅・田町駅周辺など、2023年3月31日時点では全国で15地域が選定されています。
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都市再生緊急整備地域に指定された土地が受けられる特例措置
都市再生緊急整備地域に指定された地域では、国際競争力強化のためさまざまな特例措置が受けられるのがメリットです。
主な特例措置をご紹介します。
法制上の支援措置
都市再生緊急整備地域では、さまざまな法制上の支援措置を受けられるため、既存の用途地域などの制限にとらわれない都市開発ができます。
そのなかの1つが、容積率の緩和です。
すでに設けられている容積率の制限を緩和するとより高層の建物が建てられるようになるため、土地の高度利用が促進されます。
また、道路の上空利用を促進するための規制緩和も法制上の支援措置の1つです。
道路の付け替えや廃道をせずに道路上空に建築物が建てられるため、都市全体を有機的に活かして建設が進むよう促進されます。
さらに、特定都市再生緊急整備地域では下水の未利用エネルギーを民間利用するための規制も緩和されます。
財政支援
都市再生緊急整備地域で受けられる主な財政支援は、官民連携まちなか再生推進事業と都市安全確保促進事業です。
官民連携まちなか再生推進事業では、官民の人材が集積するプラットフォームの構築と、未来ビジョンを実現するシステムの構築に向けた取り組みを支援しています。
都市安全確保促進事業では、都市再生安全確保計画に基づく滞在者などの安全確保に向けた対策をソフト・ハードの両面で支援しています。
また、特定都市再生緊急整備地域ではこれらの支援にくわえ、都市拠点インフラの整備に重点的かつ集中的な支援を受けられるのがメリットです。
金融支援
都市再生緊急整備地域では、民間都市開発推進機構によるメザニン支援が受けられます。
メザニン支援とは、公共施設の整備を伴う環境に配備した都市開発に対しておこなわれる金融支援です。
公共施設等整備費などを上限とし、民間都市開発推進機構が貸し付けや社債取得をおこないます。
税制支援
都市再生緊急整備地域では、所得税や法人税をはじめとしたさまざまな税目で優遇措置が受けられます。
たとえば、所得税と法人税は5年間の2.5割増償却が、特定都市再生緊急整備地域では5年間の5割増償却が可能です。
また、固定資産税と都市計画税は、課税標準から市町村の条例で定める割合を5年間控除できます。
これ以外にも、登録免許税や不動産取得税で優遇措置が受けられるなど、さまざまな税制支援が受けられるのがメリットです。
さらに、特定都市再生緊急整備地域では軽減額や控除額の上限が大きくなるなど、より優遇された措置を受けられます。
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まとめ
都市再生緊急整備地域は、都市再生の拠点となることを目的に選定されるもので、日本の都市の国際競争力を強化することを目指しています。
さまざまな特例措置が受けられるメリットがあるため、売買を希望している土地が都市再生緊急整備地域に該当しているかどうかを確認しておくと良いでしょう。
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株式会社リードホーム スタッフブログ編集部
都心・城南エリアで土地・一戸建・マンションをお探しの方のために結束したファミリータイプ住宅売買の専門集団です。目黒区・港区・渋谷区・世田谷区・品川区・大田区の居住用物件のみに特化しております。ブログでは不動産売却などの記事をご提供します。