相続税の納付時には現金での一括納付が原則ですが、金銭での納付が著しく困難なケースでは物納が承認されることもあります。
しかし、物納はどのような財産でも承認されるわけではなく、一定の条件を満たさないと承認されないため注意が必要です。
この記事では、物納が承認される条件や物納が承認される財産、物納のメリット・デメリットなど、土地を相続する前に知っておきたい物納に関する情報をご紹介します。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
世田谷区の売買土地一覧へ進む
土地を相続する前に要チェック!相続税の物納とは
まずは、相続税の物納の概要と、物納が承認される条件をご紹介します。
相続税の物納とは?
相続税の物納とは、金銭以外の相続財産で相続税を納付することです。
相続税は現金による一括納付が基本であり、一括納付が困難なケースでは分割払いによる延納が承認されています。
しかし、一括納付や延納でも納税が困難な場合は、納付が困難な金額を限度として相続財産での納付が可能です。
相続税の物納が承認される条件
相続税の物納を承認してもらうには納税者による申請が必要であり、以下の3つの条件をすべて満たさなければなりません。
●延納を利用しても金銭で納付できない
●申告期限までに物納申請書が提出されている
●物納可能な財産から選定され、優先順位が適切である
物納を利用できる条件は、相続人がもともと所有している財産と相続財産から相続税を納付し、残額の納付が延納を利用しても難しい場合に限られます。
物納の利用できる限度額は、すぐ納められる金額・延納期間中の資金余剰額・臨時的な資力の合計を相続税から引いた金額です。
また、物納を利用するためには、相続税の物納申請書と物納手続関係書類を相続税の申告期限までに提出しなければなりません。
相続税の申告期限は相続の開始を知った日の翌月から10か月以内ですが、物納手続関係書類期限延長届出書を提出すると最長1年まで延長できます。
どのような財産でも物納が承諾されるわけではなく、物納可能な財産のうち適切な優先順位を満たす必要があります。
物納可能な相続財産には順位が定められており、上位の相続財産がある場合には下位の相続財産の物納は認められません。
物納可能な財産と優先順位に関しては、このあとの章で詳しくご紹介します。
▼この記事も読まれています
売れない土地も手放せる!売れないときの対処方法などを解説
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
世田谷区の売買土地一覧へ進む
土地を相続する前に知っておきたい相続税の物納ができる財産とは
前述のとおり、相続税の物納はどのような財産でも承諾されるわけではありません。
相続税の物納が承諾される財産の条件をご紹介します。
優先順位を満たしている
物納として納付する財産は、土地をはじめとした不動産・船舶・国債証券・地方債証券・上場株式などの第1順位から申請します。
非上場株式は第2順位、動産は第3順位に該当し、後順位の財産は先順位の財産に適当なものがない場合や税務署長が特別の場合があると認めたケースのみ物納可能です。
同一順位のなかであれば、どの財産を物納するかは納税する方の判断に任せられます。
また、物納できるのは相続で得た財産のみであり、もともとご自身が所有されていた財産のなかから物納として納付することは許可されていません。
物納劣後財産にあたらない
物納劣後財産とは、使用や処分が難しく、ほかの財産と比較して売却が難しい財産のことです。
たとえば、市街化区域外にあり宅地造成が難しい土地や、接道義務を満たしていない土地などが物納劣後財産にあたります。
土地などの不動産で物納をする際には、この物納劣後財産にあたらないかどうかの確認が必要です。
もし、物納劣後財産にあたる土地がある場合、その土地以外に物納に適した相続財産があると土地による物納は承認されません。
ただし、ほかに物納に充てられる相続財産がない場合に限り、物納劣後財産からの物納が承認されます。
管理処分不適格財産にあたらない
管理処分不適格財産とは、管理や処分に向かず物納できない財産のことです。
土地の場合、抵当権が設定されている土地や、境界が不明確な土地、権利の帰属に関する争いが発生している土地などが管理処分不適格財産にあたります。
くわえて、日当たりが悪い土地や形がいびつな土地、凹凸が激しい土地なども管理処分不適格財産にあたるとみなされることがあります。
これらの土地は、物納が承認されない可能性が高いため、注意が必要です。
自身が相続する予定の土地が管理処分不適格財産にあたるかどうか気になる場合は、国税庁のホームページなどを確認すると良いでしょう。
管理処分不適格財産や、先ほどご説明した物納劣後財産にあたる土地の具体例が示されており、不動産以外にも類似の注意点が掲載されています。
▼この記事も読まれています
現金で土地を購入!現金購入でかかる費用などを解説
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
世田谷区の売買土地一覧へ進む
相続税を納める際に土地で物納するケースでのメリット・デメリット
延納を利用しても相続税の納税が難しい場合、相続した土地で物納を選択できます。
ただし、物納にはメリットだけでなくデメリットもあり、場合によっては土地を売却したほうが良いケースも存在するため注意が必要です。
物納のメリット・デメリットをご紹介します。
物納のメリット
土地を物納に充てる最大のメリットは、譲渡所得税が課税されないことです。
通常、不動産を売却して利益が発生した場合、譲渡所得税を納めなければなりません。
しかし、物納を選択すれば譲渡所得税の対象にはならないため、譲渡所得税を負担せずに済みます。
また、不動産売却時に仲介業者に支払う仲介手数料を負担する必要もありません。
さらに、不動産売却のように買い手が見つかるまで長期間かかってしまうリスクがないのもメリットです。
土地の買い手を見つけるのが難しい場合は、物納を選ぶことをおすすめします。
物納のデメリット
物納の大きなデメリットは、条件が厳しく準備に時間と手間がかかる点です。
申請に必要な書類が多くなってしまううえに、物納の条件を満たすための越境物の除去や境界の確定などの作業にも時間がかかってしまいます。
申請準備の難しさゆえに、物納申請は1年間で100件にも満たないのが現状です。
また、物納では譲渡所得税を負担する必要はないものの、利子税の納付が必要になる点もデメリットとして挙げられます。
利子税とは、相続税の納期限もしくは納付すべき日から収納の日までの間に課税される税金です。
万が一申請が承認されず却下されてしまったケースでも、却下された日までに課税される利子税を負担しなければなりません。
さらに、土地によっては物納を選択すると損をしてしまう可能性もあるのがデメリットです。
土地を物納するケースでは、その価格は相続税評価額となります。
そのため、相続税評価額が時価よりも低い場合は、物納を選択するより、相続した物件を売却したうえで納税したほうがお得です。
前述のとおり、土地を売却すると譲渡所得税や仲介手数料がかかるほか、印紙税などの諸経費がかかります。
これらの費用を差し引いて手元に残る金額を計算したうえで、物納と売却どちらのほうが適切かを検討すると良いでしょう。
▼この記事も読まれています
土地の「整地」とは?その種類やかかる費用をご紹介
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
世田谷区の売買土地一覧へ進む
まとめ
相続税の物納は、現金での一括納付や延納での納付が困難なケースに利用できる制度です。
土地をはじめとした不動産も物納できますが、物納が承認される財産には条件が存在します。
土地を物納に充てたいと思ったら、物納するべきか土地を売却して現金化したうえで納税するべきかを検討すると良いでしょう。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
世田谷区の売買土地一覧へ進む
株式会社リードホーム スタッフブログ編集部
都心・城南エリアで土地・一戸建・マンションをお探しの方のために結束したファミリータイプ住宅売買の専門集団です。目黒区・港区・渋谷区・世田谷区・品川区・大田区の居住用物件のみに特化しております。ブログでは不動産売却などの記事をご提供します。