用途変更は、建物の有効活用に効果的な手段です。
用途変更をおこなえば、新たに建築せずともニーズに適した物件として活用できます。
ただし、用途変更には確認申請が必要な場合もあるため、事前に正確な知識をつけておくと良いでしょう。
この記事では、用途変更の概要と、確認申請が必要なケース、申請手続きの流れをご紹介します。
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用途変更とは?必要性と現状もあわせてご紹介
既存の建物の利用目的を変更することを「用途変更」と言います。
たとえば、もともとは「物販店舗」として使用されていた建物を新たに「飲食店舗」として利用したり、「事務所」として使われていた建物を「簡易宿泊所」として変更したりすることが用途変更に当てはります。
用途変更は書類上の手続きだけで完結すると思い込んでいる方もいますが、実際にはそうではありません。
用途変更によっては確認申請や消防・保健所への手続きが必要なケースがあり、場合によっては工事が必要になることもあります。
希望している用途変更によっては、さまざまな手続きが必要になることを理解しておきましょう。
用途変更の必要性
建物の用途変更が必要となる理由は、建物の使用目的によって安全基準が異なるからです。
消防や避難などの安全要件は用途によって異なります。
たとえば「事務所」として使用する場合と「物販店舗」として使用する場合では、避難計画や採光・換気などの環境的要件が異なります。
また「事務所」から「簡易宿泊所」に変更する場合、消防設備の追加が必要です。
このように、用途変更には消防や避難に関連する手続きが含まれることがあります。
そのため、用途変更を希望している場合は、どのような手続きが必要でどのような工事が行われるのか確認しましょう。
用途変更の現状
用途変更の現状を知るには、具体的な調査・統計がおこなわれていないものの、国土交通省の「建築物リフォーム・リニューアル調査報告」が参考になります。
2015年度上半期の調査では、全体の工事件数に対して用途変更が0.87%程度であり、100件中1件にも満たない水準でおこなわれているのが現状です。
用途別に見ていくと「住宅」を工事前の用途とした場合、工事後も「住宅」が99.6%を占め、用途変更したものは0.4%に過ぎません。
用途変更は「事務所」がもっとも多いですが、それでも3.6%と低い割合で、工事後も「事務所」が96.4%を占めています。
ただし、用途変更の現状は市場ごとに異なるため、具体的な事例を探ることが重要です。
用途変更の注意点
建物の使用中に増改築や用途変更をおこない、知らずに違反建築物になることがあります。
新築時の確認申請は一般的に知られていますが、このように建物使用中の用途変更にも申請が必要です。
違反建築物と既存不適格は混同されやすい用語ですが、異なる概念を持ちます。
●違反建築物:建築時点で建築基準法に適合していない建物または増改築や用途変更に対して適切な確認申請をおこなわなかった建物
●既存不適格:竣工時には適法であり、完了検査を受けて検査済証を交付されていたが、後に建築基準法の改正などにより新しい法律に適合しなくなった建物
それぞれの違いを理解しておくと手続きがスムーズになるため、この機会に理解しておきましょう。
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用途変更の確認申請に必要な面積・用途
用途変更を進める際の最初のステップは、「確認申請」が必要かどうかをチェックすることです。
建物の規模や用途によっては、確認申請が不要な場合もあります。
ここでは、確認申請が必要な面積と用途をご紹介します。
確認申請が必要な面積
建築基準法に基づいて、建物は用途に応じて区分され、ホテルや共同住宅など一般の多くの方が利用する建物は、特殊建築物に分類されています。
面積が200㎡を超える建物を、この特殊建築物に用途変更する場合、確認申請が必要になります。
しかし、確認申請が不要の面積でも注意したい点がひとつあります。
それは、確認申請が不要でも、用途による規制や安全対策には気を配る必要があることです。
以前までは確認申請が必要な規模は面積が100㎡を超える場合でしたが、2019年の法改正により、小規模建物は確認申請が不要になりました。
しかし、避難や排煙などの規制や消防法は変更がないため、遡及対応や手続きが必要になる場合もあります。
第一種低層住居専用地域では店舗面積を制限したり、福祉施設を高層階に配置した場合は階段数を増やすなどの注意が必要です。
用途変更の計画段階から慎重な対応を進めていきましょう。
確認申請が必要な用途
そもそも用途変更における確認申請とは、建物の現在の用途から特殊建築物の用途へ変更する際に必要な手続きです。
特殊建築物とは、住宅や事務所以外の用途を指します。
つまり、従前の用途と新しいテナントの用途が類似している場合は確認申請が不要ですが、類似していない場合は確認申請が必要ということです。
たとえば、物販店舗から飲食店舗に変更する際は申請が必要になります。
物販店と飲食店など、一般的に似ているように感じられる用途でも、建築基準法では類似用途には該当しないので注意が必要です。
そのほか300m²の物販店を事務所に変更する場合は申請不要ですが、逆の場合は申請が必要になることも覚えておきましょう。
特殊建築物は建築基準法で重要なポイントとなりますので、きちんと理解することをおすすめします。
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用途変更の確認申請の流れをステップ別にご紹介
建築物の用途変更にはどのような手続きが必要で、どのような工程になるのでしょうか。
用途変更を進める前に、その流れを理解しておきましょう。
ステップ①事前準備
まず、実際の工事をおこなう建築士事務所の担当者と打ち合わせをします。
その際に、用途変更の目的や要望、完成イメージ、工事スケジュール、費用などを話し合い調整します。
この事前打ち合わせはその後の進行が決まる重要な工程です。
次に、用途変更の確認申請に必要な書類や資料が揃っているかを確認します。
通常、建設業者との打ち合わせと同時に確認することが多いです。
必要書類には確認済証や検査済証、消防適合証明書、建設当時の設計図などが含まれ、関連法令もチェックし、建設当時と現行法との適合性を確認します。
特殊建築物に用途変更する場合は、防火設備などの条件も確認することになります。
ステップ②書類提出と着工
打ち合わせと書類・関係法令の確認が終わったら、次は行政機関や検査機関において本格的な手続きが始まります。
前もって打ち合わせで決めた要望に基づいて、建築士事務所が確認申請書や設計図書を作成し、市役所などの行政機関に提出します。
そのほか、追加で委任状や建築計画概要書などの書類が必要になる場合もあります。
書類作成や手続きは煩雑なため、スピーディーに対応できる建築士事務所の選定が重要です。
迅速な手続きをおこなう建築士事務所を選ぶには、幅広い用途の建築物を施工してきたかどうか実績を確認するようにしましょう。
提出書類が検査を通過すれば、実際の工事が進行します。
工事完了後は、行政機関に完了工事届を提出し、引き渡しです。
特殊建築物として用途変更した場合は、消防署や保健所の検査を受け、物件の安全性・正当性を証明する必要があります。
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まとめ
用途変更は、ニーズに合った物件に変えられる、建物の有効活用に効果的な手段です。
ただし、確認申請が必要な場合もあるので正確な知識が必要になります。
用途変更の概要や申請が必要なケース、手続きの流れをきちんと理解し、正しく進めましょう。
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株式会社リードホーム スタッフブログ編集部
都心・城南エリアで土地・一戸建・マンションをお探しの方のために結束したファミリータイプ住宅売買の専門集団です。目黒区・港区・渋谷区・世田谷区・品川区・大田区の居住用物件のみに特化しております。ブログでは不動産売却などの記事をご提供します。