被相続人に多額の借金があった場合、相続放棄を検討される方は少なくありません。
相続放棄は自分で申請することも可能ですが、相続時の状況によっては専門家に依頼したほうが良いこともあります。
そこで今回は、自分で相続放棄をする際の流れや必要書類、専門家に依頼したほうが良いケースなどを解説します。
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自分で相続放棄の手続きをしたい!申請の流れ
はじめに、相続放棄の手続きを自分でおこなう際の流れから確認しておきましょう。
ステップ①相続財産の調査
まず最初におこなうべき作業は、相続財産の調査です。
現金や預貯金は銀行に預けている分だけでなく、自宅の金庫やタンスなどに隠されている可能性もあります。
有価証券や生命保険は契約書や郵便物で確認し、不動産は固定資産税通知書や名寄帳でチェックしましょう。
ロックを解除できる場合は、被相続人のパソコンやスマートフォンを確認することもおすすめです。
保存されているアプリやファイルから、契約している金融機関や証券会社を把握できる場合があります。
ステップ②必要書類集め
続いて、相続放棄の申請に必要な書類を集めます。
必要書類は、おもに以下の5つです。
●相続放棄の申述書
●被相続人の住民票除票又は戸籍附票
●申述人の戸籍謄本
●被相続人の戸籍謄本
●その他血縁者の戸籍謄本(該当する申述者のみ)
被相続人との関係性によっては、ほかにも書類の提出が必要ですが、詳細は後ほど解説します。
ステップ③申述書の作成
必要書類を集めたら、申述書の作成に進みます。
申請書のフォーマットは、裁判所のホームページからダウンロードすることが可能です。
必要事項をすべて記入したら、申述書と必要書類を一緒に家庭裁判所に提出するか、郵送します。
郵送の場合、相手に届いたことが確認できるように、簡易書留やレターパックを利用してください。
ステップ④相続放棄回答書の回答
申し立てが完了すると、家庭裁判所から相続放棄証明書と相続放棄回答書が送付されます。
証明書には審査に必要な質問が記載されているので、回答を記入したうえで家庭裁判所宛に返送してください。
この際も、簡易書留またはレターパックで返送することで、送付ミスを防げます。
返送期間は約1週間しか設けられていないため、手元に届いたらすぐに記入し、返送するようにしましょう。
家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が交付されると、正式に相続財産を放棄したことが認められます。
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自分で相続放棄の手続きをするための必要書類について
先述したように、相続放棄の申立てに必要な書類は、被相続人との関係によって異なります。
手続きをスムーズに進められるよう、必要書類は事前に確認しておきましょう。
共通して必要な書類
共通して必要な書類は、申述書、被相続人の住民票除籍または戸籍附票、申述人の戸籍謄本、被相続人の死亡記録が記載された戸籍謄本です。
被相続人の配偶者が相続放棄をする際には、追加で必要な書類はありません。
第一順位相続人(被相続人の子や代襲者である孫、ひ孫など)の場合
第一順位相続人が相続放棄をする際、申述人が代襲相続人の場合に限り、被代襲者の死亡記録がある戸籍謄本が必要です。
ここでいう代襲相続人とは、被相続人の孫やひ孫を指し、被代襲者とは本来相続する予定だった方(被相続人の子や孫)をいいます。
第ニ順位相続人(被相続人の父母・祖父母など)の場合
第二順位相続人が相続放棄をする場合、追加で以下の書類を準備する必要があります。
●被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
●被相続人の子やその代襲者で死亡している方がいる場合は、その子の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
●被相続人の直系尊属に死亡している方がいる場合は、その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
第一順位相続人が手続きをするよりも準備する書類が多くなるので、早めに書類の収集を始めましょう。
第三順位相続人(被相続人の兄弟姉妹、その代襲者にあたる甥や姪)の場合
第三順位相続人が相続放棄をする場合は、さらに必要書類が多くなります。
●被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
●被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
●被相続人の子またはその代襲者で死亡している方がいる場合は、その子の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
姪や甥など代襲相続人が手続きをする際は、本来相続する予定だった方の戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本も必要です。
第三順位相続人による手続きでは、かなりの量の書類が必要となるため、専門家への依頼も検討することをおすすめします。
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自分で相続放棄の手続きするときの注意点について
後順位の相続人が相続放棄をする際や、手続きを確実に進めたい方は、専門家への依頼がおすすめです。
しかし専門家に依頼するには料金が発生するため、自分で手続きしたいという方もいらっしゃるでしょう。
自分で相続放棄の手続きをする際は、以下の点にご注意ください。
申請を却下されることがある
提出書類に不備があると、裁判所から確認の連絡が入ります。
どんなに忙しくても、裁判所からの連絡には速やかに対応することが重要です。
裁判所からの連絡を無視すると、申請が却下される可能性があります。
再申請はできますが、認めてもらうためには理由が必要で、初回よりも厳しい審査を受けることになるでしょう。
書類の不備やミスを防ぎ、確実に手続きを進めたい場合は、専門家に依頼することをおすすめします。
限定承認を選択したほうが良いこともある
遺産の内容によっては、相続放棄ではなく「限定承認」のほうが適しているケースもあります。
限定承認とは、相続によって得たプラスの財産を限度として、マイナスの財産も引き継ぐ相続の方法です。
たとえば、被相続人に借金や未払金がある一方で、不動産や現金といったプラスの財産もある場合、相続放棄をすると全財産に対する相続権を失い、不動産や現金も取得できません。
遺産の中に取得したいものがある場合、限定承認を選択することでプラスの財産を得つつ、負の財産も引き継ぐことができます。
したがって、相続放棄を選ぶ前に、限定承認も検討し、どちらが適切か判断することが重要です。
相続放棄をしても管理義務が残る場合がある
改正民法において、相続人全員が相続放棄をした場合の財産管理義務については、以前の規定と異なります。
現在では、「現に相続財産を占有していた相続人」にのみ管理義務が課せられることとなっています。
たとえば、両親と一緒に実家に住んでいた長男と、離れて暮らしていた次男が相続人の場合、もし二人とも相続放棄をした場合、実家の管理義務は両親と実家に住んでいた長男が負うことになるでしょう。
長男が実家を管理していなかった場合、自然災害などで家屋が倒壊した場合には、近隣住民から損害賠償請求を受ける可能性があるため、注意が必要です。
ただし、管理義務は永久に続くわけではなく、相続財産精算人に引き継がれるまでの間に限られます。
相続財産精算人とは、相続人がいない場合や相続人全員が相続放棄をした場合に、被相続人の財産を管理し、清算する役割を担う人物です。
この精算人は、被相続人の債権者や特定遺贈を受けた者、特別縁故者などの利害関係者から選任申立てがおこなわれます。
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まとめ
相続放棄の手続きは自分でもできますが、準備する書類が多いため、収集に時間がかかりがちです。
また書類に不備があると手続きが進められず、最悪の場合再申請が必要になる可能性があります。
ミスなく確実に手続きを進めたい場合は、弁護士などの専門家への依頼を前向きに検討してみてください。
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株式会社リードホーム スタッフブログ編集部
都心・城南エリアで土地・一戸建て・マンションをお探しの方のために結束したファミリータイプ住宅売買の専門集団です。目黒区・港区・渋谷区・世田谷区・品川区・大田区の居住用物件のみに特化しております。ブログでは不動産売却などの記事をご提供します。
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