目次
成城や等々力などの高級住宅街や、近年人気の二子玉川などがあり、上質な暮らしのステージとして知られる「世田谷区」。
東京23区のなかでも面積も広く、人口も多い区のひとつであり、もしもの災害への対策も気になるところです。
今回は「防災」をテーマに、避難所やハザードマップなど、世田谷区の積極的な取り組みをご紹介します。
\都内で不動産をお探しの方/
弊社へのお問い合わせはこちら避難者への細やかな配慮も特徴!「避難所」など世田谷区の防災の取り組み
水害時避難所
神奈川との境界に多摩川が流れる世田谷区。
防災の取り組みのひとつとして、多摩川の洪水にも対応できるよう「水害時避難所」の開設を決めています。
水害時避難所は、令和元年の東日本台風を機に、区が風水害対策を総点検して、開設と運営態勢が取り決められました。
このことからも、世田谷区の柔軟な対応がうかがえますね。
世田谷区では、洪水に関する警戒レベル3の発令や、避難する人の受け入れも、先回りした早めの対応ができるように2段階で避難所を開設します。
具体的な運営の流れとしては、まず「第1段階」で、台風の接近や通過の24時間前までに水害時避難所を開設。
浸水が予想される地域に暮らす住民で、早めに避難する人を受け入れる体制をとります。
その際、第1段階では人の集中による混乱を回避するために、浸水想定エリアから離れた小中学校10校ほどを開設予定、または開設調整中です。
台風通過当日の暴風雨前には、「第2段階」として、さらに25カ所ほどの水害時避難所を開設予定、または開設調整中です。
第2段階では、小中学校に加えて、各区民センターや地区会館、成城ホールなど、世田谷区民が馴染みのある施設が数多く活用されます。
防災のために、避難所の総点検をするだけでなく、随時、避難所を増やすための調整をしている点にも、世田谷区の積極的な取り組みが感じられ、安心できますね。
せたがや女性防災コーディネーター事業
世田谷区の防災の取り組みは、避難所の開設だけにとどまりません。
自宅とは違う場所で生活する避難時は、誰にとってもつらいものです。
とくに高齢者をはじめ乳幼児、妊産婦、障がい者などの人々や、女性たちの避難生活への配慮も大切であると考え、「多様性に配慮した女性の視点」からの防災対策の取り組み「せたがや女性防災コーディネーター事業」も推進しています。
世田谷区は、この取り組みにおいても多角的に展開しています。
たとえば、上記「多様性に配慮した女性の視点」をもつ女性の防災コーディネーターを養成する「せたがや女性防災コーディネーター養成研修」を実施。
研修は、約1年間にわたり、商店街や自治会、青少年委員など、地域活動の取り組みに参加されている人を対象におこなわれました。
参加者は、過去の大震災の事例から女性視点での避難所運営や災害復興、世田谷区オリジナルの「HUG(避難所運営ゲーム)」を作成しました。
HUGは静岡が発祥のカードゲームで、避難所で起きる出来事にどのように対応するかを誰でも気軽に疑似体験しながら学べます。
世田谷区版では、多様な人々への配慮に関する内容などもくわえて、バージョンアップしています。
現在では、「せたがや女性防災コーディネーター養成研修」を終えた女性防災コーディネーターたちが、HUGを使って、防災対策を広める「地域啓発研修」も実施。
地域啓発研修に参加した区民からは、ゲームを通じて新しい視点を得られたなど、好評の声が聞かれます。
また、せたがや女性防災コーディネーターになった女性たちは、今もなお知識やコミュニケーションスキルの研鑽を続けており、フォローアップ研修などの取り組みにも参加しています。
女性たちの優しく細やかな視点を活かし、誰にとっても配慮のある防災を目指す世田谷区なら、もしもの避難生活の負担も軽減できそうですね。
要チェック記事|京王電鉄京王井の頭線沿線の住みやすさをご紹介!おすすめの駅も
区民からも好評な世田谷区の「防災塾」の取り組み
「防災塾」の概要
世田谷区では、まちづくりセンターごとに、「地区防災計画」策定の支援を目指して、「防災塾」の取り組みも実施しています。
防災塾では、「発災後72時間は地区の力で乗り切る」をスローガンに掲げ、令和2年度は取り組みのテーマを「地区防災計画の修正」として、地域ごとの実情にあった内容を展開しています。
防災塾は、平成26年度よりスタートし、初年度は「災害時に想定される課題の発見」が取り組みのテーマでした。
以降、地区防災計画の作成、検証と、年度を重ねるごとに地区の防災計画も積み上げられ、令和2年度は地区防災計画の修正となっています。
「防災塾」の活動事例
防災塾では、世田谷区民が参加できる取り組みが多数実施されてきました。
たとえば、奥沢地区では、災害がおきたときの「避難所運営の実情と課題」についての講演会を実施。
世田谷ボランティアセンターから講師を迎え、実体験を基にした講義や、過去の大震災の写真を通じて、参加者にリアルで有用な情報を伝えました。
とくに防災の基本は予防として、ご近所づきあいも大切に取り組み、避難所にいかずに済む家づくりや、避難所を物資や情報を得る拠点として、上手に活用していくことなども紹介。
参加者からは、わかりやすく具体的な内容で参加してよかったと好評でした。
また、池尻・三宿地区では、屋外に飛び出して学ぶ防災塾の取り組み「まちあるきで、新しい防災資源を発見しよう!」も開催。
せたがや防災NPOアクションから講師を招き、講義のあとに、参加者は班にわかれてまち歩きを実施。
その後、グループワークでまち歩きでの気づきをまとめるなど充実した内容でした。
まち歩きでは、地図の情報を実際に自分たちの目で確かめ、居住する池尻・三宿地区の強みや歴史を体感して学ぶ貴重な機会となりました。
引き続き、防災塾に参加したいと感じた参加者が多く、気づきの多い取り組みであったことがうかがえます。
専門家がレクチャーしてくれる世田谷区の防災塾は、日常生活では学ぶ機会の少ない居住地域の防災について深く知るきっかけになりますね。
あわせて読みたい|大田区では防災への取り組みに力を入れている!
防災の取り組みとして作成された世田谷区の「ハザードマップ」
揺れやすさマップ
世田谷区では、大地震に備える取り組みとして、「揺れやすさマップ」と「地域の危険度マップ」の2種類のハザードマップ「世田谷区防災マップ」を作成しています。
「揺れやすさマップ」は、区内を震源地とするマグニチュード6.9の直下型地震を想定したハザードマップです。
50メートルメッシュごとに、地震発生したときの揺れの最大値が確認できます。
「揺れやすさマップ」は、わかりやすく色分けされており、地図上の色で震度6弱から震度7まで、確認したい地域の震度がひとめでわかります。
地震災害の多い日本において、重要なハザードマップですね。
地域の危険度マップ
「地域の危険度マップ」は、地震の揺れから起こる建物被害分布を確認できるハザードマップです。
「地域の危険度マップ」はエリアごとに全壊する建物の割合を算出し、誰もが見やすい色分けが施されており、危険度を1から5で表しています。
都内でも人口の多い世田谷区では、建物や家具による被害にあわないよう、耐震化の啓もうにも注力しています。
なお、2種類のハザードマップは、区のホームページから閲覧、ダウンロードも可能です。
ハザードマップは住民の防災の取り組みに役立つことはもちろん、マイホームを計画中の方にとっても、より安全なエリアの検討に活用できそうですね。
まとめ
今回は、世田谷区の防災の積極的な取り組みについてご紹介しました。
コーディネーターの育成から、オリジナルゲームやハザードマップの作成、イベントまで、世田谷区ならではの取り組みは多岐にわたります。
区民の安全を守る活動が活発なエリアとして、安心して暮らせそうですね。
\お気軽にご相談ください/
弊社へのお問い合わせはこちら