土地の売買を検討していると、特別用途地区という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
特別用途地区とは、用途地域内で指定される地区の一つです。
土地の用途制限や緩和に影響するため、土地の売買をご検討中の方は把握しておくと良いでしょう。
そこで今回は、特別用途地区の概要や、特定用途制限地域との違いについて解説します。
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用途地域内の土地が指定される特別用途地区とは?
不動産に関連する言葉は、とくに専門的な言葉が多く、特別用途地区もその一つといえるでしょう。
まずは、特別用途地区とはどのようなものかについて解説します。
特別用途地区とは?
特別用途地区とは、用途地域が指定されている地域に重ねて、制限を指定した地区のことです。
主なポイントは、用途地域が指定されているエリア内にしか、特別用途地区は設定されない点です。
用途地域とは、計画的な街づくりのため、用途ごとに分けられた13種類の地域を指します。
都市計画法では、特別用途地区について、その地区にふさわしい土地の利用を増進したり、環境保護をしたりするために、用途地域の指定を補完するものと定義しています。
つまり、用途地域として定められている地域の一部に、土地利用の増進や環境保護の観点から、さらに制限を重ねた地区が「特別用途地区」と呼ばれています。
たとえば、用途地域が第二種低層住居専用地域の区域に、学校が建っているとします。
その学校周辺の住宅街に、学校より「さらに」高い大型店舗の建築がされないように制限を重ねます。
これは、環境保護を目的として、第二種低層住居専用地域内の住宅街が、特別用途地区に指定されたケースです。
特別用途地区は、用途地域の制限を強化する目的が多いですが、なかには用途に応じて制限が緩和される場合もあります。
また、用途地域としては建築できる建物が、特別用途地区の制限が重なることにより、建築できなくなるケースがあります。
地方公共団体が指定
用途地域にある土地を特別用途地区に指定できるのは、地方公共団体です。
分類は、特別工業地区や文教地区、観光地区や中高層階住居専用地区などの11分類が設けられていました。
平成10年の法改正により、現在では、地方公共団体が地域の実情にあわせて、特別用途地区の種類や名称を自由に決められるようになっています。
制限の強化や緩和についても、地方公共団体が定めます。
地域によっては、独自の特別用途地区も見られるため、土地の売却を検討している場合には、不動産の価値に影響する制限がないかを確認しておくことも大切です。
また、場合によっては、制限が利点につながる場合もあります。
たとえば、特別用途地区の分類が観光地区の場合、規制によって環境保護等の特別な目的の実現を図るため、景観を大切にしたい店舗などにとっては大きな利点だといえます。
制限は、必ずしも不利になるケースばかりではなく、エリア特性や規制を利点とする考え方により、売却につなげやすくなるケースもあるでしょう。
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特定用途制限地域とは?特別用途地区との違いを解説!
特別用途地区とは別に、特定用途制限地域と呼ばれる地域があります。
前述した2つは混同されやすいので、どのような違いがあるかを把握しておくことが大切です。
特定用途制限地域とは?
非線引き都市計画区域か、準都市計画区域内で指定されるのが、特定用途制限地域です。
つまり、特定用途制限地域に指定される可能性があるのは、用途地域として指定されていない土地のみになります。
特定用途制限地域は、非線引き都市計画区域または準都市計画区域で、建築の制限が設けられた区域を指します。
目的は、該当するエリア内の利便性や良好な環境を維持することです。
具体的には、人の集中が想定される施設や、振動や騒音を生じさせる可能性がある施設が、制限の対象になります。
特定用途制限地域の制限も、地方公共団体が指定できます。
特別用途地区との違い
特定用途制限地域とは、非線引き都市計画区域または準都市計画区域において、特定の用途の建物が建築できないように制限した地域です。
一方、特別用途地区に指定された土地とは、用途地域のエリア内で制限が重ねられた地区のことです。
用途地域内で指定されたものかどうかが、特定用途制限地域と特別用途地区の大きな違いといえます。
特別用途地区は、用途地域の指定がないエリアに、設けられることはありません。
特定用途制限地域は、用途地域の指定を受けていない土地に限られます。
また、どちらの制限も、地方公共団体が指定することは共通していますが、指定の対象や目的が異なります。
特別用途地区は、土地の利用の増進などの目的のために、用途地域内の特定の地区で建築物の制限や緩和を定める制度です。
対して、特定用途制限地域の目的は、該当する区域の環境保全や利便性の確保です。
そのため、好ましくない特定の施設が建築されることを制限する役割を持っている制度といえます。
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特別用途地区は11種類!指定される土地の例を解説
特別用途地区は11種類の地区に分類されます。
これらは、国が定めた地区の例ですが、それぞれに違った特徴があります。
11種類の特別用途地区
特別用途地区は、国が定めた地区と、地方公共団体が地域に応じて柔軟に定めた地区に分類することが可能です。
こちらでは、11種類の違いをご説明します。
特別工業地区
特別工業地区とは、中小工場が多いエリアにおいて産業を振興させるために市区町村が定めた特別用途地区の一つです。
工場とあわないお店などの出店を規制したり、工場簡単に建てられないように建築規制をおこないます。
文教地区
文教地区とは、学校や研究機関が多く集まるエリアで定められる特別用途地区の一つです。
教育や文化活動に適した環境の維持を目的としており、映画館や宿泊施設などの建設の規制をおこないます。
小売店舗地区
小売り店舗地区とは、周辺住民が日常的に利用する店舗が多い近隣商業地域です。
専門店の育成や保護が目的とされる地域で、百貨店などの建設が規制される地区です。
事務所地区
事務所を設けたり、管理機能やサービス機能を集めることを促し、事務作業効率をあげることを目的にしています。
厚生地区
社会福祉などの環境を保全するための地区です。
保護対象は、病院などの医療機関のほか、託児所や保育所などです。
娯楽・レクリエーション地区
この特別用途地区に指定される土地は、住宅のほか、住宅周辺と商業地域の2つです。
住宅周辺の例では、ボーリング場や遊技場などが挙げられます。
商業地域は、劇場や映画館などを指し、用途地域の緩和と強化は目的に沿って定められます。
観光地区
観光設備の整備などを目的として、観光地や景勝地などのエリアに指定される地区です。
例えば、旅館やホテル、別荘などが集まる温泉地などが対象です。
特別業務地区
倉庫や工場などを拠点のネットワーク構造に変えていこうとする地区の事です。
たとえば、準工業地域の場合、流通関連の倉庫などが集まります。
中高層階住居専用地区
中高層住居専用地区は、都心に住む人口を増加させることを目的とし、建物の中高層階を住宅として利用することを誘導するエリアです。
研究開発地区
対象となる建物の例には、研究開発に関する施設や工場などが挙げられます。
具体的には、商品開発のための研究をおこなう研究所などを指します。
商業専用地区
この特別用途地区の土地は、店舗や事務所が集まるエリアで、そのほかの用途を規制します。
大型の商業施設や商業ビルが集まる土地の保護を目的としています。
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まとめ
特別用途地区は、用途地域内の土地に、制限を重ねて設ける地区のことです。
一方、特定用途制限地域は、用途地域の土地として指定されることはありません。
特別用途地区として、制限されると必ずしも不利になるわけではありませんが、土地の価値に影響する制限の有無などは把握しておくことが大切です。
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株式会社リードホーム スタッフブログ編集部
都心・城南エリアで土地・一戸建て・マンションをお探しの方のために結束したファミリータイプ住宅売買の専門集団です。目黒区・港区・渋谷区・世田谷区・品川区・大田区の居住用物件のみに特化しております。ブログでは不動産売却などの記事をご提供します。