所有している土地の一部を売りたいとお考えではありませんか?
土地を一部だけ売るときは、売る前に「分筆」という方法で土地を分ける手続きが必要です。
また分筆は、土地の売却時のみならず、1つの土地を複数の相続人で分けるときなど、さまざまな場面で利用されます。
今回は不動産売却を検討中の方に向けて、分筆の概要や分筆する際のメリットとデメリットなどをお伝えします。
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弊社へのお問い合わせはこちら不動産売却における分筆とはどのようなもの?
不動産売却における分筆とは、どのようなものなのでしょうか。
分筆とは登記簿上の1つの土地を、いくつかに分けることをいいます。
複数に分けることで、それぞれが1つの不動産として登記され、新しく地番が付けられます。
たとえば地番が20番の土地を2つに分筆したとき、20-1と20-2というように枝番が付きます。
どのような場合に分筆するのか?
分筆とは、下記のような場合に利用されることが多くあります。
●土地の一部を売りたいとき
●共有名義になっている持ち分の土地のみを売りたいとき
このように土地を分けて売りたいときは、分筆をおこなうことで土地の一部のみを売却することができるようになります。
もともと1つの土地でも、分筆をしたあとは登記上はまったく別の不動産として扱われるので、トラブルを避けることにもつながります。
たとえば大きな土地を所有しているものの、「一部しか使っていない」というケースがあったとしましょう。
分けずにそのまま売ってしまうと、ご自身が使っている部分まで所有権を移さなくてはなりません。
そのようなときに分筆をおこなえば、使ってない土地のみを売却できるのです。
また、相続した不動産の場合、共有名義になっていることが多くあります。
相続人1人あたりの所有率のことを持ち分と呼び、取得時の金額に応じて割合が決まるのが一般的です。
ご自身の持ち分は、ほかの所有者に許可を得ることなく売却できるので、相続が発生したときは分筆することが多くあります。
分割とはどう違う?
分筆と混同しやすいものに、「分割」が挙げられます。
先述でもご紹介したとおり、分筆は1つの土地を複数に分けて登記し直すことですが、分割の場合は登記上の情報(所有権など)は変わりません。
分割とは、1つの土地に複数の建物を建てるときに、建築しやすくするための方法です。
机上で土地の線引きをおこない、建築基準法を満たすための手続きなので、ただ単に建物を建てたいときなどは分割が選ばれます。
また分筆をすると、分けた土地の数だけ納税をしたり管理する必要があって手間がかかるので、登記上1つの土地でかまわないのであれば、分割でも問題ないといえるでしょう。
なお、分筆の場合は登記が必要なため、登記費用のコストがかかるなどの違いもあります。
不動産売却における分筆のメリットとデメリットとは?
次に、不動産売却における分筆のメリットとデメリットを見ていきましょう。
分筆するメリット
メリットとして下記のことが挙げられます。
●地目を変更できる
●税負担を軽減できる可能性がある
不動産売却を検討なさっている方のなかには、「地目」という言葉を耳にしたことがある方が多くいらっしゃるでしょう。
地目とは登記簿上に記載されている土地の用途や種類のことで、登記官によって判断されます。
宅地や畑、田んぼや山林、農地など、該当する土地にどのような特徴があるのかが客観的にチェックされ、認定されるのが一般的です。
地目が農地になっている場合、宅地に地目変更しないと住宅が建てられないため、一筆すべてを宅地にしなければなりません。
しかし、分筆すると一部を宅地にすることができます。
分筆によって異なる地目を登記できることで、使い勝手が良くなり、異なる用途で利用できるようになることが、大きなメリットといえるでしょう。
また、税負担を軽減できる可能性があることもメリットのひとつです。
一般的に大きい通りに面している不動産は、資産価値が高くなるため、その分支払う税金の金額が大きくなります。
分筆をすることで大通りに面さない土地ができれば、資産価値が下がり、納税金額が低くなる可能性があります。
分筆するデメリット
一方、分筆するデメリットは下記のとおりです。
●使い勝手の悪い不動産になる可能性がある
●固定資産税の金額がアップする可能性がある
デメリットとして、使い勝手の悪い不動産になる可能性があります。
不動産を分けたとき、所有率が同じであっても、日当たりの悪いところや接道義務を満たせない部分が出てくるかもしれません。
また、分筆することで建築制限がかかり、思っていた建物を建てられなくなったり、増築できなくなる可能性があります。
さらに、固定資産税の金額がアップする可能性があることも、デメリットのひとつです。
たとえば建物が建っている土地を相続し、兄は土地と建物、弟は土地のみを所有する形で分筆したとしましょう。
兄は住宅用地の特例により固定資産税の減税を受けられますが、弟の土地には住宅が建っていないため、減免の恩恵を受けられなくなります。
分筆したことで税負担が大きくなる可能性があることを、デメリットとして理解しておくと良いでしょう。
不動産売却で分筆はどのような方法で実施される?
最後に、不動産売却において分筆はどのような方法で実施されるのかを見ていきます。
不動産会社や土地家屋調査士に相談・依頼
まずは、不動産会社や土地家屋調査士に相談することから始まります。
土地を売却するにあたり分筆したい旨を伝え、可能であれば相談するタイミングで分筆の依頼もすると良いでしょう。
分筆には「土地家屋調査士」が欠かせない存在で、分筆の目的に合わせてアドバイスをもらうことができます。
土地の概要を知る
不動産会社や土地家屋調査士への依頼が済んだら、次は土地の概要を調べます。
登記簿謄本や公図、地積測量図などを法務局で取得し、隣地の境界や正確な面積を確認しましょう。
隣地との境界を曖昧にしたまま売ってしまうと、トラブルになることがあるので注意が必要です。
現地調査と境界確定測量を実施
土地家屋調査士が現地に出向き、現状を確認したり確定測量を実施したりします。
土地の面積や形状など、どのような不動産なのかを細かく調べ、境界を明確にします。
どのような方法で分筆するかを決める
現地調査と境界確定測量の実施後は、土地家屋調査士と一緒にどのような方法を用いて分筆をおこなうかを決め、分筆案という書面を作成します。
個人で作成することも可能ですが、土地家屋調査士に依頼するのがおすすめです。
関係者が立ち会い、境界を確認する
役所や隣地の住民、道路などの管理者など、関係者が立ち会ったうえで境界の確認をして同意を得ます。
境界線の目印を設置する
無事に境界の確認が済んだら、金属標や杭などを打ち込み、境界線の目印を設置します。
分筆登記をする
境界標を設置したら、土地家屋調査士が書類を作成し、登記します。
その際、土地家屋調査士に依頼するための委任状を準備し、登記申請書や地積測量図、境界確認書や現地の案内図を提出書類として揃えておきましょう。
登記の申請をしたあと、一般的には約1週間後に登記完了証と登記識別情報通知書が発行されます。
登記完了後、不動産を売却することが可能になります。
まとめ
不動産売却を検討されている方に向けて、分筆の概要やメリットとデメリット、分筆の方法をお伝えしました。
分筆には、1つの土地を複数に分けることで地目の違う土地として登記できるなどのメリットがあります。
しかし、分筆をすることで土地のある場所によっては条件が悪くなるなどのデメリットも存在します。
分筆をおこなう際は、メリットとデメリットを理解したうえで、どのように土地を分けるか慎重に検討することをおすすめします。
弊社では不動産売却の相談を承っておりますので、どうぞお気軽に問い合わせください。
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