さまざまな技術革新がなされている現在、建築業界でも住宅のあり方に変革が生まれています。
省エネで暮らせるように設計された住宅や、より自然に優しい素材を使用した住宅など多くの方向でメリットが生まれるような住宅が考えられています。
10年後や20年後の将来の事を考えて環境問題が叫ばれており、時代に合った住宅が主流となる今、さまざまな方法でのアプローチが行われています。
そのなかでも、今特に注目を浴びているLCCM住宅は、そんな環境問題を考えた住宅のキーポイントになりうる考え方です。
今回はLCCM住宅について解説していこうと思います。
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弊社へのお問い合わせはこちらLCCM住宅の特徴とは何か?
そもそもLCCM住宅とは、何のことを指してどんな基準があるかを知るところから始めましょう。
LCCM住宅とは、「ライフ・サイクル・カーボン・マイナス」住宅のそれぞれの頭文字をとったものです。
意味としては二酸化炭素の排出を限りなく抑えた上でそのエネルギーコストをマイナスになることを目標として計画がされている住宅のことを指します。
建築時、運用時、廃棄時それぞれに対して常に二酸化炭素の少ない行動を意識付け、太陽光発電などを利用して収支をマイナスに持っていくのが最終目標です。
世界中で環境問題が叫ばれている中で、衣食住すべてにおいて環境に貢献できることはないかあらゆる手段が考えられてきました。
ほんの少しの事でも変えていくだけで今と同じかそれ以上に住みよい環境が保たれるとして期待されています。
特にLCCM住宅は、住むというカテゴリーで環境に何か配慮できないかと考案されたものです。
さまざまな要素を取り込むことで、環境にも身体にもメリットの出る生活を送ることが出来ます。
環境に配慮した住宅の種類
環境に配慮した設計がされている住宅は他にも種類があり、たとえば他にもZEH住宅などが挙げられます。
ZEH住宅は、「ゼロ・エネルギー・ハウス」の頭文字をとったもので、一年間のエネルギー消費量の収支に関係する工夫がされています。
エネルギー消費量は、普段使用している冷暖房などでかかる電気代などで、消費した分を太陽光発電などで補い、結果的にプラスマイナスゼロに持っていくのがZEH住宅の特徴です。
最終的には使うエネルギー≦創るエネルギーになることを目標としています。
今回ご紹介するLCCMと似通った役割を担っていますが、LCCMはより高度な結果を得ることに目標を置いています。
ZEH住宅もLCCM住宅も同じように環境に配慮したおこないに貢献できるとして導入する人が増えています。
その行動が結果として環境に配慮されているものとされ、国からの補助金や太陽光発電での収入を得ることが出来ます。
現状、普通の住宅に住んでいる人がほとんどですが、LCCM住宅に切り替えることにより、生活にかかる全体的なコスト削減にもつながります。
LCCM住宅の効果
LCCM住宅は、名前にマイナスが付くように二酸化炭素の排出量の削減はもちろん、エネルギーコストのマイナス化を目標としています。
生活していると、どうしてもさまざまなエネルギーを消費しており、そのたびに二酸化炭素が排出されます。
たとえば寒い時期は暖房の使い過ぎなどエネルギーの消費が顕著に現れます。
住宅の断熱性や気密性を良くして、暖房が無くても快適に過ごせる環境を創り出すことで、自然と冷暖房を余計に使うことがなくなり、二酸化炭素の排出量の削減に貢献しています。
この仕組みを導入することで使用する電気代が少なくなるので、使った分は太陽光発電の買取りなどで補え、エネルギーコストをマイナスにして生活することが可能です。
LCCM住宅の基準は?
LCCM住宅を建てるにも、さまざまな基準をクリアしないとその性能が活かされていると判断されません。
基準はどんなところにあってどのレベルをクリアすればいいかを解説します。
建築環境総合性能評価システム(CASBEE)の戸建て評価認定ランク
まず一番大切な基準は建築環境総合性能評価システム(CASBEE)です。
これは、建設物の環境性を測る基準で、省エネはもちろん環境的に負担の少ない素材を使っている事や、快適な住環境や景観などが総合的に判断されます。
このランクがSかAランクであり、なおかつライフサイクルCO2が5つ星である必要があります。
ランク付けの概要ですが、建物の環境品質/建物の環境負荷の数値を出して、その数値が大きければ多いほどいいランクに入れる仕組みです。
建物の環境品質は主に室内外の環境の対策レベルを指し、建物の環境負荷は有害物質が出るレベルなどを算出します。
サステナブル建築物等先導事業の補助金
国土交通省が主体となって運営しているサステナブル建築物等先導事業のLCCM住宅部門について補助金を受けている必要があります。
毎年補助金の金額や基準などが変化し、毎年開催される協議会の判断内容をクリアしている必要があります。
高い基準を設けることで、より環境に意識を持った生活が送れるようになり、10年後、20年後を見据えた行動ができるように考えられています。
LCCM住宅のメリットは何か
LCCM住宅を建てるとして、そのメリットがどんなところにあるかを知っておくことで、今後自身が生活していくライフスタイルに合っているかどうかが判断できます。
環境に配慮して生活することで、どのような恩恵が受けられるかを見ていきましょう。
高い断熱性が効果的
生活上の二酸化炭素の排出量をマイナスにすることを目的としているので、主に冷暖房などの空調設備を使う際に出る二酸化炭素を抑えることでその目標に近づけます。
冷暖房が必要なくなる住環境と言うのは、高い断熱性であることが前提です。
外気の暑さや寒さに影響されることなく、一定の温度で保たれた室内は特に細かな調節をしなくても快適に過ごせます。
高い断熱性がもたらす効果
空調設備を普段使わなくて済む環境にいるため、余計な電気代がかからないで済みます。
今まで真夏や真冬のハイシーズンに驚くほど高い電気代を払っていた方には、メリットでしかない要素です。
たとえ冷暖房を使ったとしても気密性の良い家なので快適な環境になるまでの時間が少なく済み、平均して光熱費の抑制に貢献します。
健康的な暮らしができる
室内の温度変化が少ないおかげで、身体への負担が減りより健康的な暮らしができるようになります。
暑いところから寒いところに急に出ると体への負担が増えます。その積み重ねが体調不良などを起こす要因にもなりかねないため、ここをクリアにするということは、健康に大きなメリットがあると言えます。
補助金がもらえる
国土交通省の事業の一環で、補助対象工事などにかかった費用に対して補助金が出ます。
この補助金は工事の時期や予算の取り決めによって左右されてきますので、申請時や工事を計画しているタイミングで必ず調べておく必要があります。
まとめ
今回はLCCM住宅について解説していきました。
環境にとって有益になることを前提とした住宅づくりは、近い将来に向けて我々の住環境や健康を守っていく大切な行動です。
特に光熱費の抑制や健康面でのメリットなど、多くの恩恵を受けることができるのも、現在特に推進されているLCCM住宅の特徴と言えます。
広い視野をもって、さまざまなメリットを生むLCCM住宅の導入を考えてあなたも自然環境に貢献してみてはいかがでしょうか。
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