ひところよりメディアの話題にのぼることが減ったとはいえ、ピッキングにより戸建てをねらう盗難被害がなくなったわけではありません。
「備えあれば憂いなし」この記事ではピッキングから戸建てを守るためにどんな鍵にすればよいのか、防犯性と費用の視点から解説します。
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本来ピッキングとは、戸建てやマンションの鍵をなくしてしまった場合などに、専門業者が依頼を受けて解決するときに使う「鍵をあける」技術です。
空き巣・忍び込み・居空きのプロは、ピッキングのテクニックを悪用し、戸建て・マンション・オフィス・店舗への侵入を試みます。
解錠のときに業者がしばしば使うのがピックおよびテンションとよばれる工具で、本来は法令(特殊開錠用具の所持の禁止に関する法律)により所有が制限されています。
シリンダー錠は外筒と内筒で構成されており、内部はタンブラーとよばれる障害物により、内筒が回転できない仕組みになっています。
ピックとよばれる工具を鍵穴より差し込み、タンブラーを押し上げてシアライン(内筒と外筒の境界線)に整列させることができます。
そこにテンションとよばれるL字型の工具を差し込んで内筒を回転させれば、「ガチャッ」という音とともに、鍵が解錠されます。
ピッキングの技術は各種学校などが開いている講習を受ければ比較的簡単に習得でき、慣れてくれば数10秒で鍵を開けられるテクニックも身につきます。
ピックも数種類が出回っており、ピンタンブラー錠(フックピック)、ダブルディスクタンブラー錠(ボールピック)などさまざまなタイプの鍵に対応できます。
ピッキングに類似した手口としては、電動ドリルで穴をあけて、特別な工具を差し込み内側のつまみを回して解錠する「サムターン回し」も有名です。
そのほかにも特殊な工具が不要な手口として、カム送り解錠(シリンダー錠を引っ張ってできたすき間からハリガネを差し込み鍵をあける手法)もしばしば使われます。
ピッキングの傾向
この章では、なぜ鍵を強化して戸建ての防犯性を高めるべきなのかを、最近の被害状況やピッキングの怖さなどの観点から解説します。
戸建てがねらわれやすいピッキング盗難の傾向
警察庁発表資料によると、全国の侵入盗犯罪件数は、ピッキングのテクニックが盗難犯の間で広まったこともあり一時急増、2003年ころにはピークの35万件に達しました。
その後は鍵の改善などピッキング対策が進んだこともあり侵入盗難犯罪件数は減少を続け、近年は10万件を切るところまで落ち着いてきました。
一方で、ピッキングをはじめとした侵入盗難犯罪がなくなったわけではなく、鍵対策が強化されているなかで、脆弱な鍵を使っているような戸建てはかえって狙われやすいのです。
同資料によると、オフィスや店舗も含めた侵入盗難犯罪のうち、戸建てが占める割合は4割に達しており、いかにねらわれやすいかを証明しています。
侵入経路としては施錠していないベランダ・窓からの侵入が半分以上を占める一方で、玄関からの侵入も3割に達しており、安全な鍵の必要性を物語っています。
ピッキングの怖さと防犯の重要性を知る
空き巣が侵入していたときに、家の持ち主が帰宅して犯人に出くわすケースでは下手をすれば暴行・傷害などの危害を加えられかねません。
侵入方法によってはドアに穴をあけたり鍵を無理矢理こじ開けたり、さらにはガラス窓を割ったりして、戸建て住宅に損害がおよびます。
つまり家の中にある金品だけでなく、住んでいる家さらには身体や「いのち」を守るためにも、鍵の改善といった防犯の強化は欠かせないのです。
戸建ての鍵改善による防犯性強化
この章では、戸建ての鍵改善による防犯性強化をテーマに、種類や特性・コスト・効果といった観点から、どんな鍵をつけるのが有効なのかを解説します。
戸建ての鍵改善による防犯性強化1 戸建ての鍵に絶対はない
むかしある国に矛と盾を売る商人が、「この矛はどんな盾でも打ちぬける」「この盾はどんな矛でも受け止められる」と自慢しました。
そこを通りかかった賢人が「ではその矛と盾を競わせたらどっちが勝つのか」と問いかけると、その商人は何も答えられなくなってしまいました。
中国の故事「韓非子」にでてくる「矛盾」の逸話ですが、戸建ての鍵も似たようなもので、どんなピッキング工具でもこじあけられない鍵はこの世に存在しません。
もし誰がどうやっても解錠できない戸建ての鍵が存在するとしたら、万が一鍵をなくしたときに専門業者に依頼してあけてもらうこともできなくなってしまいます。
泥棒もプロフェッショナルですから、どんな鍵でも時間をかければこじ開けることができますが、彼らもできるだけ短時間ですませたいのです。
警察庁の調査によると、侵入盗難犯の7割は、「戸建ての鍵をこじあけて中に侵入するのに5分以上かかるようならあきらめる」とされています。
つまり戸建ての防犯で大切なのは、「あかない鍵」ではなく、「あけにくい鍵」「あけるのに時間がかかる鍵」をとりつけることにあります。
戸建ての鍵改善による防犯性強化2 複数の鍵をつける
戸建ての鍵改善による防犯対策でまず思いつくのが「複数の鍵をつける」で、単純に考えれば2つの鍵で2倍、3つの鍵で3倍、侵入に時間がかかります。
鍵を複数に増やす方法としては、2体でセットになっている錠前を選ぶほかにも、ピッキング性能に優れた補助錠を取り付ける方法もあります。
ユーザーフレンドリーで鍵穴壊しへの耐性や耐ピッキング性能が高いタイプの鍵が、20000円以下(工事費出張費などこみ)で調達できます。
戸建ての鍵改善による防犯性強化3 ディンプルキーを備える
耐ピッキング性能が高い鍵を戸建てに取りつけるのも、防犯性を高めるのに有効な対策で、なかでも代表的な事例がディンプルキーです。
一般的な鍵のシリンダーは一般的には一方向にタンブラーが並んでいるのに対し、ディンプルキーは複数方向にタンブラーに並べ、解錠を困難にしています。
最近のものは、ドリル防止版やセクションピンを備えつけて電動ドリルによる破壊を難しくしたり、鍵の差し込み口を円錐状にしてピッキングしずらくしたタイプも登場しています。
戸建ての鍵改善による防犯性強化4 替えたほうがよい鍵
ディスクシリンダーはピッキングが急増する前から一般に普及してきた鍵で、耐ピッキング性能はきわめて脆弱で、プロなら5分以内で解錠可能とされています。
ロータリーディスクシリンダーキーは差し込むとシリンダーが回転するタイプの鍵で、ディスクシリンダータイプよりはましなものの、シリンダーはドライバー1本でこわせます。
戸建ての鍵改善による防犯性強化5 信頼できる鍵を取りつける
戸建てに鍵を取りつけるなら、公的機関がお墨つきを与えた認証制度の厳しい審査をクリアしたものを選んだほうが、防犯上も安心というものです。
戸建ての鍵に関しては、警察庁など諸官庁・ハウスメーカーや鍵専門業者が防犯基準を策定、これをクリアした鍵にはCP(防犯)標章が与えられます。
CP(防犯)標章つきの鍵は、たとえば補助錠なら、本体へのビス止めが6点(一般タイプは2点)・バール攻撃に強いデッドボルトなどにより、防犯性を高めています。
まとめ
最近はディンプルキーなど戸建てに使う鍵も大幅に向上しているので、公的機関が整備した認証制度を利用しつつ、泥棒からの侵入を防ぐ防犯性の高い鍵を取りつけましょう。
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