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都心5区のひとつとされ、利便性が高く、洗練された暮らしができるエリア「渋谷区」。
災害への意識が高まるなか、多角的な防災対策により、安心して暮らせる街のひとつです。
都心部でありながら広大な緑地もあり、代々木公園など複数の大規模な避難場所も充実しています。
今回は渋谷区のハザードマップなど防災について、詳しく解説します。
「ハザードマップ」とは?備える重要性
「ハザードマップ」とは、自然災害が起きた場合の被害想定地区や、避難経路や避難場所など、防災に関連する施設などの位置を誰がみてもわかりやすく示した地図です。
対策として被害を最小限に食い止める目的でつくられており、ハザードマップには被害予測図、回避マップ、リスクマップ、被害想定図などの種類があります。
全国で各自治体や地域住民などにより作成されています。
ハザードマップがあることで、自然災害の発生時に住民は速やかに避難ができ、二次災害の防災にも有効です。
渋谷区でも、すでに各種のハザードマップの整備が整えられています。
災害が発生する以前から、ハザードマップを確認したりダウンロードすることができます。
チェックしておくことで、万一のときに的確な避難ができるだけでなく、渋谷区で暮らす住民にとって、普段の生活の安心にもつながりますね。
渋谷区のハザードマップの概要
区民のために、「渋谷区地震防災マップ」「洪水ハザードマップ」「渋谷区土砂災害ハザードマップ」を用意しており、区のホームページから閲覧やPDFのダウンロードが可能です。
「地震防災マップ」には、東京湾北部首都直下地震を想定して、地域の危険度マップと揺れやすさマップの2つの地図があります。
地域の危険度マップでは、建物倒壊の危険度を7段階にわけて、渋谷区の各所の危険度がひと目でわかる地図となっており、大地震の発生時にとるべき行動が判断できるチャートも書かれています。
揺れやすさマップも、大型地震を想定して、地表面の震度分布を色分けで表示。
いずれの地図も、避難場所や帰宅困難者の受け入れ施設も同時に確認が可能。
代々木公園一帯や新宿御苑、各大学の敷地など、渋谷区には延焼火災などの危険を回避する大きな避難場所が多いこともわかりますよ。
「洪水ハザードマップ」は、都の浸水予想区域図をもとに作成されており、24時間の総雨量690ミリメートルの降雨を想定した浸水範囲や深さを確認できます。
渋谷川と神田川流域の洪水状況が地図上に可視化されているほか、停電時やガス漏れ時に使える防災関連機関の連絡先も一覧で掲載されています。
また、過去の浸水実績も、令和2年から「渋谷区地図情報システム」で公開しています。
区内に住む住民に対して情報をオープンに公開し、緊急時や水害時の安全を維持してほしいという渋谷区の姿勢が伝わってきますね。
「渋谷区土砂災害ハザードマップ」は地図に加えて、防災に関する情報が満載です。
区内4カ所の防災に関する詳細なマップ。
非常袋に用意しておくべき品や備蓄品、災害時に家族と連絡をとる手順や方法などは、災害発生時にすぐに役立つ情報ですね。
土砂災害警戒情報などの正しい情報収集の仕方や、土砂災害の危険性についても啓もうされており、災害と対策への知識を高めることで、不安も軽減されるでしょう。
「渋谷区土砂災害ハザードマップ」は、インターネット以外にも、区役所の関連部署でも配布されており、入手が可能です。
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渋谷区の「渋谷区民防災マニュアル」とは?
詳細でわかりやすく作成されたハザードマップからも渋谷区の防災意識の高さがうかがえますが、ほかにも手軽に利用できる、防災のために役立つコンテンツが公開されています。
渋谷区では「渋谷区民防災マニュアル」を住民のために用意しています。
災害発生時の行動、地震や風水害に備えた防災対策が1冊にまとめられています。
「渋谷区民防災マニュアル」は、近年の都市構造の変化なども考慮して改定され、より住民に役立つ内容のマニュアルとなっています。
B5判で90ページにおよぶ充実した内容ですが、イラストなどが多用され、誰が手にとっても読みやすい「レイアウト」の工夫が施されています。
区内では、住民のために全世帯にポスティングされました。
配布期間は終了していますが、渋谷区にお引越しの際には区の防災課に連絡すると入手できますよ。
誰もが使いやすい渋谷区民防災マニュアル
区内に住んだら、ハザードマップと一緒に、ぜひ入手しておきたい「渋谷区民防災マニュアル」について、さらに詳細をご紹介します。
マニュアルには、事前の心得から発災時の行動、風水害の備えに対しても多くの情報を掲載。
さらに、恵比寿地区や千駄ヶ谷地区など、複数の区分けをした地図も参考にできます。
とくに、マイホームでの対策をはじめ、マンションの場合や、ペットとの非難生活、女性のための防災などは要チェックです。
各人が実生活で取り組める実践的な情報が得られるマニュアルですよ。
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渋谷区はハザードマップやマニュアルのほかにも、さまざまな角度からの取り組みを実施しています。
代表的な取り組みについて、いくつかご紹介します。
渋谷区防災ポータルサイト
災害にまつわる情報をすぐに検索できるポータルサイトを、取り組みのひとつとして公開しています。
災害が起きる前から学べる知識のほか、避難に関する情報、公共交通に関する情報、人的被害や火災について、またライフラインの被害情報などが確認できます。
ポータルサイトの一部は、区内に通学通勤する人や来街者など区民以外の利用も可能です。
食糧や日用品を備蓄した避難所
火災や倒壊などにより、マイホームで暮らせないとき、避難所で生活することができます。
区立の小中学校が避難所として対応できるよう、区民のために3日分の備蓄などの取り組みがされています。
たとえば、食糧のほか、タオルや紙おむつ、毛布やマットなどが備えられており、交通の状況によっても追加供給されます。
備蓄の食品はアレルギーに配慮されたリゾットやクッキーなど、区独自のセットとなっているので、細やかな配慮が感じられますね。
家具転倒防止金具などを無料で設置
渋谷区では、高齢者のみの世帯などを対象に、防災を支援する取り組みを実施しています。
本棚やたんすなどの大型家具が転倒する危険を防止するために、ベルト式やポール式などの金具を取り付けたり、食器棚など家具には透明のガラス飛散防止を貼り付けたりなど、安全のための取り組みです。
さらに、居室や廊下にある家具の移動にも対応しています。
階段を移動させる場合や、ピアノなど通常の家具移動器材では移動できないものなどをのぞき、もしものときに家具が通路をふさぐなどしないよう配置。
家に長時間いる高齢者にとって、安心感が高まる取り組みですね。
消化器の引き取りや防災用品のあっせん
マイホーム内の安全維持に貢献する防災用品のあっせんなどもおこなっています。
たとえば、キッチンの取り付けに適した住宅用の熱感知型火災警報器や、一般家庭で使用する消化器の引き取りや薬剤の詰め替え。
そのほか、地震発生時に役立つガラス飛散防止フィルムや家具転倒防止器具、タオルや充電式ラジオ、多彩なタイプの携帯トイレ。
パンの缶詰をはじめとした非常時の備蓄食品など、品揃えが豊富でお得な価格で購入可能です。
渋谷区民になると、災害への備えも万全に取り組めそうですね。
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渋谷区は、「人のつながりと意識が未来を守る街」を防災のコンセプトとし、住民へのさまざまな配慮や工夫も施された街です。
災害発生時だけなく、ハザードマップなど事前に備えられる対策や取り組みも充実しています。
日々安心が感じられる街といえそうですね。