知的財産とは、音楽や発明などの財産のことです。
すなわち、人間の創造活動により生み出されるものであり、私たちの身近に存在する物事は知的財産によって守られています。
これらの知的財産を保護するのが知的財産権であり、音楽、映画、絵画の著作物を保護する「著作権」、発明を保護する「特許権」といい、他にも、意匠権、商標権、実用新案権などがあります。
今回はその「知的財産」に関連して、東京都知的財産総合センターとはどのようなものであるか、概要についてご紹介します。
東京都知的財産総合センターは、どのようなことを目的に活動をしているのでしょうか?
<知的財産に関するサポートをする団体>
東京都知的財産センターは、都内の中小企業による知的財産の創造・保護・活用の促進を目的に東京都が設立し、公益財団法人「東京都中小企業振興公社」が運営している機関です。
相談やセミナー、助成などをおもな事業としており、都内の中小企業の支援が行われています。
<東京都知的財産総合センターが行うおもな支援>
センターでは、専門知識を持つアドバイザーや弁理士による、知的財産にまつわるさまざまなアドバイスなどの支援が受けられます。
センター内では、以下のような取り組みが行われており、相談は無料、秘密厳守で行われるので安心できます。
・専門家による知的財産相談
・知的財産セミナー、シンポジウム
・外国知財支援等女性
・知的財産戦略導入支援
・知的財産活用製品化支援
知的財産の基本的な相談から、戦略導入、製品化に向けた相談、契約・訴訟の相談などができることもあり、都内の中小企業にとって強い味方になるでしょう。
<東京都知的財産総合センター・支援室の場所>
東京都知的財産総合センターは、秋葉原駅近くにありますが、都内には3つの支援室があるので、近くのセンターで相談してみるとよいでしょう。
同センターは平日9:00~12:00、13:00~17:00の間に対応しています。
休日は土日祝日と年末年始で、相談は事前予約制です。
■施設名:東京都知的財産総合センター
■住所:東京都台東区台東1-3-5 反町商事ビル1F
■施設名:城東支援室(城東地域中小企業振興センター内)
■住所:東京都葛飾区青戸7-2-5
■施設名:城南支援室(城南地域中小企業振興センター内)
■住所:東京都大田区南蒲田1-20-20
■施設名:多摩支援室(産業サポートスクエア・TAMA内)
■住所:東京都昭島市東町3-6-1
3つの支援室では、それぞれの地域の方向けに知的財産にまつわる一般相談が可能です。
東京都知的財産総合センターが行う支援は、都内にある中小企業であればどのような企業でもサポートが受けられるわけではなく、一定の要件が設けられています。
ここでは、支援の対象となる企業と、支援の種類について見ていきましょう。
<支援の対象企業>
東京都知的財産総合センターは、都内の中小企業を対象としており、具体的には3つの要件が設けられています。
1.東京都内に主たる事業所を有すること
・法人の場合:本社または営業所が都内住所で登記されていること
・組合の場合:各種法律で定められた組合であり、構成員の半数以上が、都内におもな事務所を有する組合
2.中小企業法で定める中小企業であること
・製造業その他:資本金3億円以下、または従業員数300人以下
・卸売業:資本金1億円以下、または従業員数100人以下
・小売業:資本金5,000万円以下、または従業員数50人以下
・サービス業:資本金5,000万円以下、または従業員数100人以下
3.みなし大企業ではないこと
上記3つの要件を満たしている場合、東京都知的財産総合センターの相談や助成金といった支援が受けられる可能性があります。
支援を検討している方は、自社情報と要件をチェックしてみましょう。
<ニッチトップ育成支援>
東京都知的財産総合センターでは、ニッチトップ育成支援が行われています。
ニッチトップ育成支援とは、「知的財産戦略導入」をした経営を希望する企業向けの支援策で、専門アドバイザーによる最大3年間の継続的な相談・助言などが受けられます。
この支援を受けるには、まず企業担当者が東京都知的財産総合センターに問い合わせをして、アドバイザーによる支援を受けたい旨を伝えましょう。
その後ヒアリングを実施し、支援を受ける意志が固まったら申請書類を提出して支援の可否審査を待ちます。
審査に合格し支援が決定すると、支援企業とセンターで合意書の取り交わしを行い、そこからサポートが受けられます。
<その他支援・相談について>
相談、助成事業、ニッチトップ育成支援の他にも、中小企業向けセミナーも開催されています。
1年間に20~30種類の知的財産にまつわるセミナーが開催されており、入門編から高難易度の講座まで、企業や自身のスキルにあったものが受講できるでしょう。
講座は、意匠権・商標権。著作権など、知的財産のジャンルごとに分かれているため、自社に必要な講座を選ぶことをおすすめします。
セミナーは、東京都知的財産総合センターへの電話もしくはメールで受講受付を行っています。
東京都知的財産総合センターでは、助成やアドバイザーによる支援の他にも、弁理士による相談も可能です。
ここでは、同センターによる企業・弁理士をマッチングさせるシステムについて解説します。
<弁理士マッチングの概要>
弁理士マッチングとは、中小企業と弁理士の出会いの場を提供する支援システムです。
弁理士の専門分野は多岐にわたることから、企業としては自社のニーズにあった弁理士を探すことは困難であるといった問題があります。
この問題を解決するために、一定の条件を満たした弁理士にマッチングサービスに登録をしてもらい、中小企業が知的財産権の取得や活用をする際に、適任の弁理士を選べるようにしたのがこのシステムです。
<弁理士とは>
弁理士とは、知的財産に関する専門家のことをいいます。
知的財産の取り扱いには高度な専門性が必要であり、産業財産権の取得・紛争の解決は、法律や実務的知識を持つ弁理士に依頼するのが一般的です。
弁理士は、産業財産権の取得・紛争解決を専門とする唯一の国家資格者であり、知財における最高峰の資格といえるでしょう。
このような専門家に無料で相談できることは、東京都知的財産総合センターの大きなメリットです。
<弁理士マッチング支援システムの登録方法>
弁理士マッチング支援システムを利用した中小企業担当者は、東京都知的財産総合センターのwebサイトより登録をしましょう。
中小企業の担当者が案件登録を行うと、その情報が同センターへメールで送られ、匿名案件として弁理士へ開示されます。
案件を弁理士が受託希望すると、中小企業の担当者にメールで弁理士情報が知らされて、そのなかから弁理士を選ぶ流れになっています。
その後は直接弁理士と相談可能となり、守秘義務を守りながら相談ができます。
万が一のトラブルなどに備えて、このようなサービスを利用するためにも、東京都知的財産総合センターによるサービスを覚えておくといいかもしれません。
東京都知的財産総合センター公式HP|弁理士マッチング
東京都知的財産総合センターは、知的財産に関するさまざまな支援や活用などが相談できる団体です。
登録や利用、相談は無料で、どのような場合でも守秘義務を守り、相談内容は外部へ漏れることはないので安心です。
同センターで、弁理士をはじめとする知的財産の専門家が支援してくれるので、初心者の方でも安心できるでしょう。