害獣といえば、ハクビシン、アライグマ、イタチといった大きめの動物から、ねずみやコウモリなどの小さな動物まで、さまざまな種類が存在します。
自宅の害獣被害は、地方部だけというイメージを持つ方もいるかもしれませんが、ねずみやコウモリは、たくさんの人で賑わう街の中心部にも生息しています。
うちは大丈夫と思っていても、ある日突然屋根裏から動物の足音が聞こえてくる可能性もあるでしょう。
そこで今回は、住宅に発生しやすいおもな害獣と被害、害獣対策・駆除について紹介します。
今回紹介する3種類の害獣は、日本全国で確認されており、ご自宅にも発生する可能性のある害獣です。
ハクビシン・ネズミ・コウモリそれぞれの特徴と、実際に起きている被害を紹介します。
<可愛い顔をした悪魔!?ハクビシン>
つぶらな瞳が可愛らしく感じるハクビシンですが、凶暴で繁殖力の高い害獣です。
見た目からは想像できないほどに攻撃的で、決して素手で触れようとしないことと、小さなお子さんが近づかないことに注意しましょう。
ハクビシンによるおもな被害は、以下のようなものがあります。
・天井裏や壁の隙間、床下などに入り込んで行動する時の騒音
・排泄を同じ場所にする習慣があり、天井に糞がたまると天井板が抜け落ちる可能性がある
・糞尿による天井のしみ
・屋外では農作物や鯉などが食べられる
・ノミ、ダニの発生要因となる
ハクビシンが出る地域では、特に子どもやペットが怪我をしないような対策もしておきたいですね。
<アニメみたいに可愛くない!ネズミ>
ネズミといえばアニメやマンガのキャラクターのモチーフになっていますが、害獣としての被害が大きく、私たち人間は長い歴史のなかで悩まされてきました。
その小さな体を生かしてわずかな隙間に入り込み、天井から床下まで、住宅のあらゆる場所を走り回ります。
ネズミによる被害は、主に以下のようなものがあります。
・電気配線をかじって、ショートや停電、最悪の場合は火災の要因となる
・ノミ、ダニの発生要因となる
・天井や床下を走り回る時の騒音
・感染症を媒介する危険性がある
さらにネズミは害獣のなかでも学習能力に長けており、一度はまった罠にかかりにくくなったり、毒エサを少し食べただけで異常を感じ取り、致死量に達するまで食べなかったりと、人間の想像を超えてくる可能性もあるようです。
<衛生面の被害が大きい!コウモリ>
コウモリは、野生鳥獣保護法によって保護されている動物であることから、殺処分ができません。
そのため、駆除するのではなく侵入を防ぐといった対策をして、自宅を守ることが重要です。
コウモリによるおもな被害は、以下のようなものがあります。
・天井裏に入り込み羽の音や声による騒音被害
・糞尿によるトタンのさびや天井のしみ
・糞尿による衛生面の被害
・ノミ、ダニの発生要因となる
コウモリは人間やペットにとっては害獣ではありますが、一部のコウモリは蚊や小バエ、羽虫などを主食としているため、小さな虫を食べてくれる「益獣」の一面も持っています。
害獣対策の依頼は、インターネットで検索、地元の業者を探す、自治体の役場で相談するといった方法がほとんどです。
サービス内容や金額を比較したうえで、納得のできる害獣対策をしましょう。
<インターネットで業者を見つける>
害獣被害が出た時の対策をwebで検索すると、対策方法とともに、害虫・害獣駆除専門の業者がヒットするのではないでしょうか?
料金やサービス内容を気にしないのであれば、日本全国に対応しているサイトやポータルサイトから業者を選ぶのもいいかもしれません。
できればいくつかのサイトや業者で、料金・サービス内容・口コミなどを比較(相見積もり)してみることをおすすめします。
<地元の害獣駆除業者に依頼する>
Googleなどで「○○(市町村名) 害獣 駆除」と検索すると、お住まいの都道府県内にある害虫駆除業者のwebサイトがヒットする可能性があります。
webサイトを持たない業者の場合は、タウンページなどの電話帳で探してみるのもよいでしょう。
地元の業者と直接相談しながら対策ができること、仲介業者を通さないぶんスムーズに対策できることといったメリットが実感できるかもしれません。
<各自治体で害獣被害対策が相談できる場合も>
害獣対策について、市町村役場で相談ができる自治体もあります。
どの程度の補助や対策をするかによって異なりますが、防護柵や捕獲柵の設置に対する補助金が交付される自治体もあるようです。
柵の設置では、ねずみやコウモリなどの対策はできませんが、農作物を荒らすハクビシン、イタチ、アライグマには効果的なので、気になる方はお住まいの地域の役場に相談してみてくださいね。
業者に依頼すれば、もちろん徹底的な害獣対策ができますが、大きな費用がかかり負担となることもあるでしょう。
費用が気になる方は、できるだけ節約しながら自分でできる範囲の対策をするのもいいかもしれません。
そこで今回は、自分でできる害獣対策と費用、業者に対策を依頼する際の相場について解説します。
<グッズとちょっとした手間でセルフ害獣対策!>
自分の対策は、怪我の可能性や効果が十分に感じられなかったなどのデメリットもありますが、手の届く範囲内での対策ができるといったメリットもあります。
まず、ハクビシンへの対策ですが、ハクビシンにとって「来る必要のない」場所にするのが重要です。
ハクビシンは、ゴミをあさる、同じ場所で排泄するといった特徴があるので、巣や糞、ゴミを徹底的に排除するようにしましょう。
次にねずみへの対策ですが、ホームセンターなどで販売されているくん煙剤や、ねずみを追い払うスプレーが、1つ1,000円~2,000円程度とお手頃な価格で手に入ります。
10,000円前後で販売されている、ねずみが嫌がる超音波を発生させる機械も効果的といえます。
<害獣駆除業者に依頼する時の相場>
ハクビシンなどの害獣対策費用は、屋根裏などで追い出し対策をする範囲に対して、面積1平方メートルまたは1坪あたりの金額が決められていることが多いです。
作業は捕獲したハクビシンを駆除するだけではなく、ハクビシンが来ないようにする対策がメインとなるでしょう。
ハクビシン対策の作業費用は以下のような相場となっています。
・捕獲かごの設置:1万円~2万円前後
・糞の処理、清掃:1万円~2万円前後
・殺菌、消毒、消臭処理:1平方メートル500円~1,000円
・ハクビシン親友口封鎖:1か所あたり10,000円~30,000円
20坪10万円~20万円、50坪で30万円~40万円前後が相場といえるでしょう。
ねずみ駆除の場合は、駆除用の薬剤散布をすると10万円~20万円となりますが、点検や簡単な工事だけの対策であれば3万円~5万円以内で済むケースが多いようです。
こちらも程度と範囲により、大きく価格が異なるので、一例として参考にしてみて下さいね。
<業者に依頼する時は相見積もりをする>
対策費用が適切であるかを判断するには、いくつかの業者で相見積もりをとって、サービス内容と料金が適切であるかを比較しましょう。
ひとつの業者だけであれば、その価格が適正かの判断がしにくく、相場を知らないまま高額料金を支払っていたというケースもあります。
また、訪問や電話勧誘での害獣対策においては、クーリングオフできる場合もあるので、あきらかにずさんな作業であった時のために、覚えておくとよいでしょう。
動物の足跡などを放置していると、いつのまにかアレルギー症状が出ていたり、臭いに悩まされていたりと、大きな被害が出てくる可能性があります。
ちょっとくらいなら…と思わずに、害獣対策はできるだけ早めにしておくことで、対策・駆除費用が抑えられることもあります。
大切なマイホームに長年暮らすのであれば、できるだけ早めに害獣対策をして、安心・安全で快適な家を保ちたいですね。