「東京23区内にマイホームを持つ!」そう決意しても、マイホーム取得は簡単ではありません。
東京の地価は全国平均と比較してもずば抜けて高く、土地を購入するだけでも大変。
さらに一軒家を建てようと思えば土地代に加えて自宅の建築費用、さらに外構工事、駐車場の整備費用(ガレージ含む)などさまざまな費用がかかってきます。
一戸建てといってもレベルはさまざまで、港区や新宿区、渋谷区、世田谷区などでは1億円を超える物件も多数あり、とても庶民がローンを組んで買える価格ではありません。
土地を含めた住宅の価格が高額であること、単独世帯が多いなどの条件もあり、東京都の持ち家比率は全国で最も低いレベルです。
今回は東京都の持ち家比率や東京23区の持ち家志向、さらに東京都の土地価格今後の見通しなどをご紹介しています。
東京都内や都内23区にマイホームを取得したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
全国の持ち家比率を調査した資料によると、1位は富山県の79.4%、2位は秋田県の78.1%、3位は山形県の76.7%、4位は福井県の76.5%、5位は新潟県の75.5%となっています。
ではワースト5位はどうなっているのでしょうか?
43位は北海道の57.7%、44位は大阪府の54.2%、45位は福岡県の53.8%、46位は沖縄県の48.0%、そして47位・最下位は東京都の45.8%となっています。
1位の富山県と47位の東京都を比べるとその差は33%、かなり大きいですね。
全国平均の持ち家率は62.3%なので、上位にいる県は持ち家率が飛びぬけて高いともいえます。
また持ち家率が高い県のトップ5が日本海側のエリアばかりなのも特徴ですが、なぜこのような差がついてしまうのでしょうか?
富山県は単独世帯の比率がかなり低く全国でも44位と、一人暮らしの方がかなり少なくなっています。
単独世帯が少ないことに加えて三世帯同居の世帯が多く、一つの家にたくさんの家族が多く住む傾向に。
一世帯に10人近くの家族が住むことも珍しくなく、世帯人数の多さが持ち家ニーズを押しあげる要因となっています。
また富山県は共稼ぎ比率が57.1%と全国第3位にランクインしており、夫婦の収入を合算させることでよりスムーズな住宅取得が可能です。
富山県は土地価格が低いうえに夫婦共稼ぎでしっかりした経済基盤がある、単独世帯が少ないなどの理由があり、持ち家比率トップを独走しています。
東京都と富山県とでは、状況は大きく違っています。
東京都内の単独世帯は47.39%と世帯の半分が単独で生活されており、富山県とはここが大きな違いになります。
単独世帯の方々に広い家は必要ありませんし、土地の価格が高いため気軽にマイホームを購入できる状況にもありません。
単独世帯が多いのは地方の方が上京して一人暮らしをしているから、という意見もありますが、それも一理あります。
上京して生活している単身者のなかには「ある程度経ったら故郷に帰る・別の場所に引っ越す」方も少なくないでしょう。
東京に定着を希望しない単独世帯がいるのも、持ち家比率を下げている要因のひとつです。
ただこれら理由は一般的に考えられるものであり、他のエリアでは「賃貸物件を好む県民性」や「所得の低さ」など複数の理由が混在するケースもあります。
都内に住む住宅の購入を検討している方(30~40代)への調査によると、マンションを希望する方は約50.5%、一戸建てを希望する方が49.5%と、両者互角の数字となりました。
都内23区は土地価格が高いためマンションの方が有利なのですが「マイホームが欲しい」と考えている方も少なくないようです。
また住みたいエリアに関しては「23区内」と答えた方が8割をしめ、圧倒的な支持を得ています。
その理由は以下のとおりです。
・買い物や交通網の発達など利便性の高さ
・23区は住み慣れたエリアだから
・資産価値の高さ
・子どもの教育環境が充実している
・親族が近くに住んでいる
・行政サービスの充実
圧倒的に支持されている理由は利便性の高さや住み慣れた土地であること、また子どもの教育環境や資産価値の高さなどにも注目が集まっています。
マイホーム取得は一生に一度、そのためしっかりした希望をもっているようですね。
マイホームの立地に関して強い希望はあっても、実際に購入するとなるとどうでしょうか?
「マイホームを購入する自信がない」と答える方も一定数おり、その理由は以下のようになっています。
・住宅の購入資金が足りない
・およその価格を知っているので(自信がない)
・借金をすることに躊躇がある
・家族や自分自身が今後安定した収入を得ていけるかどうか不安
・将来の家族計画ができていない
「将来の家族計画ができていない」という将来設計上の理由もありますが、多くの方が経済的な問題によりマイホーム取得に不安をもっていることが明らかになりました。
「もし住みたい区に自由に住めるなら、どこに住みたいですか?」という質問には世田谷区や港区、杉並区、目黒区と答える方が多く、希望する間取りは3LDKから4LDKが多く、特別な部屋を作ることができるなら?という質問には半数の方が「自分専用の部屋」と答えています。
ただ現実的には予算との兼ね合いもあり、希望するエリアに希望する間取りでマイホームが取得できる方はかなり限定されているのが現実です。
現在、東京都内でもっとも地価が高いのは「中央区」で坪単価は2,833.1万円、つぎが「千代田区」の2,072.9万円、そして「渋谷区」の1,540.5万円となっています。
23区内でもっとも低い坪単価は葛飾区の124.4万円ですが、日本全国の平均地価は約78万円ですので23区内の土地価格はかなり高額であることに疑いはありません。
東京23区内の平均地価は2019年と比較しても約6.74%上昇しており地価の上昇はまだまだ続いています。
港区に新たに設置された高輪ゲートウェイ駅ですが、新駅設置により周辺の地価が上がることが予想されています。
駅周辺には4棟の巨大超高層ビル、さらに1棟の大型低層ビルの5棟の建設が予定されており、さらに第2期、第3期の再開発が計画されています。
大規模な超高層ビルが複数建設されると多くの企業が集まり、自然に商業施設やタワーマンションなどの住居も建設され大きな街が形成されます。
2024年には商業施設がオープンすることも決まっており、今後ますます賑わいを見せることでしょう。
高輪ゲートウェイ駅周辺は大規模な再開発により地価の上昇が見込まれている有望エリアですが、それと同時に東京23区の地価がさらに上昇する可能性も。
少しでも安い価格でマイホーム取得を目指すなら、葛飾区や足立区、練馬区な、江戸川区など、地価上昇が他区より穏やかで地価が低いもともとエリアを狙うのが無難です。
全国の持ち家比率のなかでも東京の比率は全国最下位ですが、その理由は、単独世帯が半数を占めること、地価が高いこと(広い家に住めない)、もともと東京に定着する方が少ないなど、持ち家比率が下がる要因が多くなっています。
東京でマイホームを取得するためにはある程度まとまった頭金や長期安定した収入が必要であり、それをクリアできない不安を抱えた方が多いのも事実です。
けれど長期的に見れば東京23区の地価は今後も上がり続けることが予想されますし、資産として身内に相続することや利便性を考えれば、23区内にマイホームを取得することは決してマイナスではありません。
高輪ゲートウェイ駅新設や今後開催される国際的な大規模イベントなどの影響で、23区内の持ち家購入は将来性ある投資として考えることもできます。