世田谷区は人口約93万人もの区民が住み、東京都内でも最大の人口を擁する一大エリア。
そんな世田谷のイメージと言えば「住宅地」ですが、じつは自然景観が豊かで緑被率は23.56パーセントと都内でもかなり高くなっています(被緑率とは特定地区において緑地面積の占める割合)。
自然豊かなうえに豪徳寺や松陰神社など有名スポットの多い世田谷区は、じつはウォーキングや散歩に適した街なのです。
歩くことには肥満の解消や腰痛の改善、脂質異常症・動脈硬化の改善、高血圧の改善、リラックス効果などたくさんのメリットがあり、健康増進のため注目されています。
今回は世田谷区のウォーキングコース・マップやぜひチェックしておきたい自然景観、ウォーキングの健康効果などについてまとめています。
<北沢地域コース>
世田谷区が配布している世田谷区おすすめのウォーキングマップには3つの散歩コースが紹介されています。
まず北沢地区コースですが所要時間は約56分、スタートは東松原駅です。
東松原駅の通りを進むと羽根木公園が見えてきますがこの公園、約650本もの梅の木が植えられており世田谷の一大梅の名所となっています。
毎年2月には梅まつりが開催され、園内には多くの出店が出ますし園内にはトイレもあり疲れたら休むことも可能。
つぎの目的地はせせらぎの音が聞こえる4kmの落ち着いた散歩道・北沢川緑道。
美しく整備された道には一年をとおしてきれいな花が咲き、季節感や癒しを感じることができます。
鎌倉橋や二子橋、代沢橋、中下橋を代沢3丁目方向へ向かうと、秋の例大祭が有名な北澤八神社の前を通過。
神社の近くには「針供養」で有名な森巖寺もありますので、散歩がてらお参りするのもおすすめです。
ライブハウスや古着屋、雑貨屋、飲食店、書店などがひしめく賑やかな下北沢の街を抜け、下北沢駅にたどり着けばゴール!
<玉川地域コース>
玉川コースは等々力駅から二子玉川駅までの区間になり、所要時間は約50分です。
スタートは等々力駅で、ゴルフ橋にある階段を降りて川沿いを歩き、渓谷橋を渡ります。
渓谷橋を渡ると等々力渓谷公園に入っていきますが、園内にはトイレもありゆったりくつろげるスペースもあるので無理せずマイペースで。
善養寺や六所神社を通り過ぎると「多摩堤通り」に出ますが、交通量が多いので安全のために多摩川河川敷を歩くと安心ですよ。
河川敷から二子玉川公園に向かう階段をのぼり園内へ。
二子玉川公園には子供連れでも遊べる子ども公園や眺望広場もあり、トイレも完備されているので散歩の休憩場所として最適です。
二子玉川東公園を抜けると賑わいのある商業施設が広がり、一気に街が華やかに!
ゴールの二子玉川駅周辺は交通量が多いのですが、等々力渓谷公園や多摩川河川敷を歩けば安全に移動できます。
<世田谷区でも抜群の人気を誇る砧公園>
戦時中は防空緑地として利用されていた砧公園(きぬたこうえん)ですが、現在は桜や楠木、欅、サワラなど豊かな緑に囲まれた大規模な草地公園となっています。
園内にはみんなのひろばと呼ばれる大型遊具広場があり、遊具回りはお子さんが転んでもケガをしにくいゴムチップ舗装で安心。
強い日差しを避けるパーゴラやベンチもあり、障がいのあるお子さんも自由に遊べるスペースとなっています。
<北沢川緑道>
世田谷区三宿2丁目1番から赤堤3丁目34番まで続く約4,300mの遊歩道が北沢川緑道。
緑道からは小川のせせらぎが聞こえてくるのが大きな魅力ですが、この小川は人工的に作られたものです。
都会から小川がどんどん消えているので、清らかな水の流れを見るだけで気持ちが落ち着き癒されますね。
その小川の流れに沿って遊歩道が作られており、小川の両脇には数えきれないくらいの数の桜の木が植えらえており春になるとたくさんの方がお花見を楽しんでいます。
緑道上には遊具が設置された場所もあり(水路は公園の下を通る)、お子さんも安心して遊べるスペースがあるのも嬉しいですね。
<等々力渓谷>
世田谷には区内唯一の渓谷があります。
大井町線等々力駅下車後、徒歩“で”3分で到着する等々力渓谷は「ここは東京都内なの?」とビックリするほど静かで緑豊かな空間。
東京都の名勝の1つとして指定されており、その美しい渓谷は絶景の一言。
とくに真夏は周囲より気温が3~4℃下がることから、暑さを避けるためにたくさんの方がやってきます。
等々力渓谷には等々力渓谷3号横穴をはじめとする古墳やゴルフ橋、芝生公園、日本庭園、等々力不動尊、見晴らし舞台、甘味処・雪月花などの名所や休憩所など多数あり、家族連れでもカップルでも癒されること場違いなし!
都会はコンクリートジャングル、乾いた心を癒す大自然が等々力渓谷にはあります。
<ウォーキングが健康維持に最適な理由>
高齢者からお子さんまで気軽に楽しめるウォーキングですが、なぜこの運動が健康維持に役立つのでしょうか?
・特別な器具やユニフォームを購入する必要がない
・いつでもどこでもできる
・複数人でおこなうスポーツではないので一人でも黙々と歩ける
健康維持のための運動と聞くと、スイミングやテニスなど専用の器具やユニフォーム、靴をそろえなければならない、温水プールまで通わなければならないなど、なにかと制約があるように感じられます。
ところがウォーキングや散歩は特別な器具やユニフォーム、靴、小物、設備は必要なく、一人でいつでも歩くことができ、もっとも手軽で経済的な運動です。
いつでも思い立ったときにできるので長続きしやすく、あらゆる年齢の方が楽しめるのも大きなメリットです。
<ウォーキングで得られるメリットは多数>
ウォーキングは何もしない状態よりも3倍のカロリーを消費するのでダイエットに効果的なのはもちろん、体内に取り込まれる酸素量もアップするため代謝が向上し、筋トレ効果も上がります。
紹介したダイエット効果や筋トレ効果以外にも、ウォーキングにはさまざまなメリットがあるのも見逃せません。
・ウォーキングによって血圧を下げる物質が分泌され、血圧低下に役立つ
・太陽の光を浴びることでビタミンDが作られ、骨が丈夫になる
・普段動かさない部位を動かすことで固くなった筋肉をほぐすことが可能
・周囲の景色を見ることで脳に適度な刺激が与えられる
・ウォーキングイベントに参加することで交友関係が広がる
ほかにもストレス解消や、うつ病など精神病の治療法としても導入されており多くの効果・メリットがあります。
一日中家のなかにいてゴロゴロしていると、いつの間にかメタボや生活習慣病予備軍になってしまうかもしれません。
健康増進のためにぜひ、週に1度は外にでてウォーキングを楽しんでみましょう。
<最近はノルディック・ウォークが大人気>
山歩きで多くの方が両手に持っているストックですが、このストックを持つと上半身の動きがよくなり、全身運動がより促進されるといわれています。
最近は山歩きの枠から飛び出して平地でもストックを両手に持ち、腕を大きく動かして歩く方が増えました。
ストックが足腰を支えてくれるので、体重の重い方や足腰の弱った方でも安全に歩けるようになったと大好評です。
歩くことが足腰やヒザの負担になっている方、体重が重くて歩きにくいと感じる方はノルディックウォーキングから初めてみてはいかがでしょうか?
世田谷区は都内23区でもトップクラスの緑地率で緑が多く、等々力渓谷や北沢川緑道などウォーキングに適した場所が多数あります。
ウォーキングは心臓に負担をかけにくいので、若い方から高齢者まで年代を問わずに楽しめる運動ですし、ダイエット効果や筋トレ効果、リフレッシュ効果、脳への刺激など多くのメリットがあり健康増進に最適。
四季の移ろいや街の変化、人々との触れ合いが楽しめるウォーキングで、健康な生活を目指しましょう。