住宅は一生のうちに何度も購入できるものではないため、多くの方にとって住宅ローンを組むことは「初めての経験」になります。
慣れないことなので「住宅ローンを組むまでの手順がわからない・ローン審査に落ちてしまった・無理なローンを組んでしまい後悔した」など、不安を感じて失敗をしてしまうのは仕方のないことです。
けれど高額なローンを組む以上「失敗しました」ではすみませんので、住宅ローンの基本知識や無理のないローンの組み方、住宅ローンの審査に落ちたときの対応策などを事前に勉強しておくと安心ですね。
このページでは無理のない住宅ローンについてまとめています。
これから住宅ローンを使ってマイホーム購入を考えている方はぜひ参考にしてください。
一般的な住宅ローンと聞くと真っ先に浮かんでくるのが民間ローンです。
主に銀行が主体になって融資してくれる商品で、現在は銀行の店舗に出向いてローンの申し込みができるのはもちろん、店舗に行かないままネットですべて完結するネット銀行も台頭しています。
日銀のマイナス金利を背景に、各銀行は個人への住宅ローンの貸し出しを積極的におこなっており、金利も低いことから住宅ローンが組みやすい状態です。
住宅ローンを組むためにはいくつか条件がありますが、完済時の年齢が76~80歳未満、返済負担率が約25~40%以内、団体信用生命保険に加入できるかどうかなど、比較的クリアしやすくなっているのも特徴です。
住宅ローンを組むためのステップは以下のようになります。
・どの銀行の住宅ローンを利用するか比較検討する
・住宅ローンのプラン(金利タイプなど)を検討する
・住宅ローンの申し込み、審査、融資
ローンの申し込みには専門知識などは一切必要ないので、ひとつひとつステップを踏んで進めば初めての方でもとくに心配はありません。
とくに店舗のある銀行では担当者が丁寧に説明してくれるので、書類の書き方や融資までのプロセスなどもわかりやすく、安心して申し込めるのが嬉しい点です。
住宅金融支援機構(フラット35)は公民協調融資と呼ばれ、民間と公的住宅ローンの中間にあたるものです。
民間ローン同様、融資の基準や条件が比較的緩く、長期にわたって低金利で借りいれできるため多くの方に支持されています。
各自治体や財形貯蓄による財形住宅融資は公的融資と呼ばれており、融資の審査はかなり厳しく条件に合う方は少なくなります。
公的住宅ローンは低金利が魅力ですが現在はマイナス金利政策により民間ローンの金利もかなり安め。
民間ローンのメリットに注目が集まっているので、まずはそこからチェックしてみましょう。
住宅ローンは長期にわたって借入金額を返済しなければならないため、収入が安定している方ほど審査に通りやすくなります。
とくに審査に通りやすい職種は「公務員・大企業の正社員・中小企業の正社員」になり、逆に審査が通りにくいのは「自営業者・非正規の会社員」になります。
年収が高いからといって必ずしも融資の審査に通るわけではなく、金融機関担当者は収入の安定性(収入の背景)をチェックしています。
また一流企業の正社員や公務員であっても、ブラックリストに名前が載っている場合は融資に落ちる可能性がかなり高くなるので注意してください。
住宅ローンの申し込みは一発で審査に通ることばかりではありません。
自営業者や永住権のない外国人、年収の低い方、非正規雇用の方、奨学金が残っている方、カードローンで延滞したことのある方など、住宅ローンの審査に落ちる可能性がある方は、一度に複数の住宅ローンに申し込んでおくと安心です。
無理のない住宅ローンを組むためには、できるだけ低金利の住宅ローンを選んで申込するのがベストです。
けれど低金利の住宅ローンは審査が厳しいケースもあるため、審査の緩い住宅ローンを狙うのも対策のひとつになります。
フラット35や地方銀行、信用金庫の住宅ローンは審査が比較的甘いといわれており、審査に落ちた方はこれら住宅ローンに申し込むのがおすすめ。
審査基準の緩い住宅ローンだからといって必ずしも金利が高いわけではありません。
住宅ローンは返済額が少なくなればなるほど審査に通りやすくなります。
そのため頭金をできるだけ多めに入れて返済額を少なくする方法がおすすめ。
もし親御さんなど親族にお金を借りることができるなら、協力してもらえるように申し出てみましょう。
住宅ローンは長期間にわたって返済するため、最長35年のローンを組むことも可能です。
ところが完済年齢が60歳の定年時期を過ぎてしまうと、定年退職後も延々と返済が続くことになります。
「退職金で繰り上げ返済できるから大丈夫」そんな見通しで長期ローンを組む方もいますが、いざ蓋を開けてみると退職金が当初の予想よりも少なかった、年金が出ない無収入期間も住宅ローンの返済に追われるなどで、住宅ローン破綻する方もいます。
このようなトラブルを避けるためにも定年前までにローンを完済できるよう計画する、繰り上げ返済で早めに完済を目指すなどの対策が有効です。
ボーナスをあてにして住宅ローンを組んでしまうと、会社の業績低下でボーナスが大幅カットされたときに計画が狂い、その後の破綻につながる可能性もあります。
ボーナスは景気の変動に大きく左右されるため最初からあてにせず、毎月確実に返済する方向に力をいれましょう。
奥さんと2人分の年収でローンを組んでいる方は、奥さんが退職したとき、病気などで仕事ができなくなったときに計画が大きく狂ってしまいます。
奥さんの年収を入れずにローンが組めればより安全ですね。
住宅ローン返済はゆとりをもって、ローン返済で破綻しないように返済額を設定しましょう。
借入金額は年収の25%以内が目安、といわれていますが、年収の30%、40%と「借入できるだけ借り入れる」とローン破綻する可能性がかなり高くなります。
住宅ローンの支払いだけではなく、生活費やお子さんの教育費、自宅のメンテナンスにかかる費用、車の購入費など生活を維持するためにまとまったお金が必要です。
それら生活に必要なコストを十分考えたうえで無理のないローン返済計画を組むことが、破綻を避けるための有効な手段になります。
マイホームは人生でもっとも大きな買い物です。
長期間にわたってローンを返済しなければならないため、なんの準備もせずに勢いやノリで住宅を購入すると後悔する可能性が高くなります。
無理のない住宅ローン返済のためには、毎月のローン返済額はもちろん、頭金の金額、ローン完済時の年齢や金利などをしっかりチェックしましょう。
返済額が年収の25%を超えないよう、堅実な返済計画を組むことが大切です。