全国的に深刻化する少子化問題。
少子化が特に進行している世田谷区では、親子が楽しく集うことができる交流施設や、働くパパ・ママのための子育て支援施設を充実させ、幅広い世代にとって子どもを育てやすい環境づくりに取り組んでいます。
世田谷区が実施している親子向けの子育て支援や、中学生向けの赤ちゃん体験授業といった取り組みについて詳しく解説していきます。
世田谷区では全国的にも珍しい先進的な子育て支援の取り組みを積極的に実施しています。
特に、3歳以下の子どもを持つパパ・ママを対象とした集いの場としての「おでかけひろば」や、プレパパ・プレママ(これから子どもを持つ夫婦)向けの交流の場を定期的に提供しています。
親子向けの集いの場では、子育てに関する相談や子育てを続けながら働くためのポイント、法的知識などを教えてもらうことができ、情報交換の場としても機能しています。
世田谷地域の子育て支援施設としては、「子育てステーション世田谷」がおすすめです。
こちらの施設は世田谷区の「おでかけひろば」の一環として設置されており、親子がいつでも利用できる集いの場として広く知られています。
こちらの施設では、新生児から乳幼児期までの赤ちゃんを対象とした一時預かりサービスや親子向けのレクリエーションスペースが開放されているほか、無料の療育相談も行っており、子どもの成長や発達に関する悩みを抱えているパパ・ママが育児に関する専門的知識を有する人に相談できる環境が整っています。
北沢地域の集いの場としては、「北沢おせっかいクラブ」が知られています。
こちらは北沢地域の学校に通う子どもとその親が、PTAや学校の枠を超えたつながりを持つためにつくられた団体であり、主に下北沢エリアを中心として親子向けのイベントなどに協力しています。
体を動かしながら他のお母さんたちと交流したいという方には、「二子マーガレット」がおすすめです。
二子マーガレットは玉川地域を中心に、ピラティスを通じて妊娠中も適度に体を動かし、妊娠中や出産直後でも筋力をキープしやすくする活動に取り組んでいます。
民間企業が協賛した親子向けの集いの場としては、砧地域の親子交流会があります。
また、ユニクロ世田谷千歳台店で開かれた期間限定の子育てイベントは、集いの場としては非常に好評であり、情報交換の場として定着する可能性は大いにあります。
烏山地域には、「子育てステーション烏山」という親子向けの多目的交流施設があります。
こちらの施設は子育て中のパパ・ママはもちろんのこと、シニア世代まで、幅広い世代が気軽に集うことができる交流の場となっています。
世田谷区ではここでご紹介したもの以外にも、子育てや親子のコミュニケーションをサポートする取り組みがまだまだあります。
それぞれのイベントの詳しいスケジュールや参加方法については、各施設の公式ウェブサイトから確認しましょう。
ここ数年、政府主導の働き方改革のもとで、ワークシェアやテレワークなど、働く人の働き方が多様化しています。
「働き方を変える」というと、ただ単に1日の勤務時間を短縮したり、残業を減らしたり、プライベートな時間を確保したりといった手段を思い浮かべるかもしれませんが、それはあくまでも表層的な部分にすぎません。
働き方の多様化が進む今の時代では、企業内テレワークやノマド、リモートワークといった働き方が当たり前になりつつあります。
特に、在宅ワークやノマドは働くママとも相性が良く、オフィスにほとんど出社することなく自宅にいながらにして受託した業務をこなし、期日通りに納品することで収入が得られる仕組みが整えられています。
ほとんどの作業をクラウドサーバー上で完結させることのできるテレワークは、企業にとっても交通費削減などのメリットがあり、まさに企業側と働く側のニーズがマッチした「Win-Win」のシステムとしてとらえることができます。
在宅ワークの恩恵をより多く受けるのは、女性や障害のある方です。女性の場合、エンジニアなどの専門職であっても結婚や出産などでいったん現場を離れると再就職が非常に難しく、そのまま仕事をリタイアしてしまうケースも少なくありません。
オフィスへの出社の必要がないノマドやテレワークであれば自分のペースで作業を進めることができますし、また、業務連絡のほとんどをメールやクラウドシステムなどによって完結させられるため、子どもが生まれたばかりのお母さんでもストレスなく長いスパンで働き続けることができます。
しかしながら、在宅ワークであっても、「子どもの面倒を見る人がいなければ仕事が成り立たない」という根本的な問題は変わりません。
特に、乳幼児期の一番手のかかる時期は、子どもの様子がおかしくなるたびに仕事を中断しなくてはなりませんし、子どもが病気をすれば数日間仕事を休む必要も出てきます。
そのような状況でも仕事と子育てを無理なく両立させるために設けられたのが世田谷区の「子ワーキングスペース
チャチャチャ」です。
子ワーキングスペースとは、ともに働くという意味の「コワーキング」と、子育てを続けながら無理なく働くためのスペースという意味を合わせた造語です。
世田谷区の「子ワーキングスペース」は三軒茶屋の世田谷産業プラザの2階にあり、世田谷区が補助する一時保育施設に子どもを預けている区内在住の方であれば、ワーキングスペースにPCやタブレットを持ち込んで作業をすることができます。
利用料金は4時間まで300円、8時間500円となっており、非常に良心的な水準といえます。
1日8時間、フルタイムで利用した場合、「500円×20日」とすると、ひと月あたり1万円のコストとなります。
こちらの施設を利用するには初回にかぎり利用登録が必要となり、産業プラザ4階の商業・ものづくり経営支援係にて書類に必要事項を記入し、利用条件を満たしていると判断されれば登録が認められます。
ただ、「子ワーキングスペース」は2020年3月末までの試験的運用ですのでご注意ください。
世田谷区では子育て支援とともに、学生向けの特別授業も積極的に推進しています。
世田谷区内の中学校では特定非営利活動法人と連携をとり、生徒向けの「赤ちゃん体験授業」を実施しています。
赤ちゃん体験授業では赤ちゃんの模型を生徒が抱っこしたり、実際に子育てを経験した保護者の体験談を聞いたりと、出産から子育てという一連のプロセスをよりリアルに感じられるようなカリキュラムが取り入れられています。
赤ちゃん体験授業を通して子どものかわいさや子育ての苦悩があらためてわかったという生徒も多く、生命の尊さを次世代に伝えるという意味でも、世田谷区の赤ちゃん体験授業は非常に有意義な取り組みとして評価されています。
世田谷区にはたくさんの親子向けの集いの場や子育て支援施設があります。
また、働く女性向けの「子ワーキングスペース」など、さまざまな支援サービスも充実しています。
子育て支援に積極的に取り組む世田谷区は、子育て中のご家庭はもちろんのこと、これから子どもを持ちたいと考えているプレパパ・プレママにとっても暮らしやすいエリアとなっています。