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所有者不明土地とは?買いたい場合の手続きとリスクについて解説

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所有者不明土地とは?買いたい場合の手続きとリスクについて解説

所有者不明土地とは?買いたい場合の手続きとリスクについて解説

土地探しで「ここだ」と思う物件が見つかっても、登記情報が古かったり所有者と連絡が取れなかったりして購入に踏み切れないことがあります。
こうした「所有者不明土地」は手続きやリスクが特殊で、通常の売買とは異なる注意点が多く存在します。
近年は相続登記や住所変更登記の義務化などで制度面の整備が進んでいますが、裁判所手続きや公告など時間や費用を要するケースが多い点には注意が必要です。
本記事では、所有者不明土地の基本から、買いたい場合に踏むべき手続きと実務上のリスクまでを解説します。

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所有者不明土地とは?

所有者不明土地とは?

土地探しをしているなかで、ハードルになることのひとつが所有者不明土地です。
ここでは、所有者不明土地の概要、生まれる理由、2023年の法改正に分けて解説します。

所有者不明土地の概要

所有者不明土地とは、所有者がわからない土地、もしくは所有者がわかっていても連絡が取れない土地のことです。
土地は本来、不動産登記簿などの所有者台帳によって、持ち主がわかるようになっています。
しかし、土地の登記がおこなわれていないと、国や自治体、民間が土地の活用をしたくても所有者がわからず、利用ができない状況となります。
平成29年の段階では、全国の土地の約22%が所有者不明土地になっているとの調べもあり、国としての大きな課題です。

所有者不明土地が生まれる理由

所有者不明土地が生まれる主な理由は、住所変更登記と相続登記の放置の2つです。
住所変更登記とは、登記名義人(所有者)の住所や氏名が変わった場合に法務局へ申請して登記記録の当該欄を変更する手続きです。
以前、住所変更登記は義務化されていなかったため、土地の登記簿謄本には引っ越し前の古い住所しか記載されておらず、土地の所有者と連絡が取れなくなる状況が起こっています。
もうひとつの理由である相続登記は、土地の名義人が亡くなったあとに相続人に名義を変更する手続きです。
相続登記も以前は義務化されていなかったため、土地を相続しても、登記をおこなわずに放置されるケースが多くありました。
登記簿謄本を取っても名義人がすでに亡くなっており、現在の権利者がわからない状況が生じることも、所有者不明土地が生まれる理由です。

2023年の法改正について

2023年に施行された法改正によって、今後所有者不明土地の問題は少しずつ解消されていく見込みです。
2026年4月までには、引っ越し後2年以内の住所変更登記が義務化されます。
また2024年からは、不動産の相続を知ってから3年以内に相続登記をすることも義務化されました。
法改正により、土地の所有者情報が追いやすくなり、所有者不明土地の発生自体も減少していくものとされています。

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所有者不明土地を買いたい場合の手続き

所有者不明土地を買いたい場合の手続き

所有者がわからないこと以外は、ほとんど希望どおりの条件であるため、希望の土地をぜひ手に入れたいといった状況があるかもしれません。
ここでは、所有者不明土地を買いたい場合の手続きについて、基本的な流れと権利者がわからない場合、一部の権利者がわからない場合に分けて解説します。

所有者不明土地を買いたい場合の基本的な流れ

所有者不明土地を買いたい場合の基本的な流れは、以下のとおりです。

●全部事項証明書で権利関係を調べる
●相続関係をたどり、現在の所有者を調べる
●現在の所有者に連絡する


全部事項証明書は、全国の法務局で入手可能な書類です。
登記簿上の所有者や共有者の住所を確認できるため、手紙などで連絡が取れます。
登記簿上の所有者が亡くなっている場合は、戸籍謄本をたどって相続関係を調べられます。
しかし、戸籍謄本は重要な個人情報であるため、入手するには親族や土地の共有者などの協力が必要です。
現在の所有者や権利者がわかれば連絡を取り、売却に向けた交渉をおこなえます。

権利者がわからない場合

権利者が誰もわからない所有者不明土地の場合は、不在者財産管理人制度を利用する方法を検討できます。
不在者財産管理人制度とは、従来の住所を去って、戻る見込みがない者の財産を管理する人を家庭裁判所が選任する制度です。
家庭裁判所の許可があれば、不在者財産管理人制度による土地の売却も可能です。
不在者財産管理人制度は、不在者の財産を包括的に管理する制度であるのに対し、特定の不動産に特化した管理をおこなう財産管理制度もあります。
調査を尽くしても、所有者や所有者の所在がわからない場合は、所有者不明土地管理制度を利用できます。

権利者の一部がわからない場合

共有の土地で、一部の権利者がわからない場合には、所在等不明共有者の不動産の持分の譲渡制度を利用する方法があります。
基本的に、共有の土地は権利者全員の同意がなければ、売却できません。
しかし、所在等不明共有者の不動産の持分の譲渡制度を利用すれば、所在不明者の持分も含めた土地を売却できるようになります。
譲渡制度を利用するためには、土地の所在地の地方裁判所への申立てが必要です。
裁判所の審査期間の後、ほかの権利者は所在不明者の同意なく、土地が売却できます。

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所有者不明土地を購入するリスク

所有者不明土地を購入するリスク

上記で解説したような制度を利用すれば、所有者不明土地でも購入できる可能性があります。
しかし、所有者不明土地の購入には、一定のリスクがある点に注意が必要です。
ここでは、3つのリスクに分けて解説します。

リスク①交渉がまとまらない場合がある

故人名義のままになっている所有者不明土地でも、調査すると現在の権利者が明確になる場合があります。
しかし、現在の権利者に連絡を取ったとしても、スムーズに売ってもらえるとは限りません。
先祖代々の土地を守りたい場合や、親族内の問題で遺産分けの話し合いが進まない状況など、事情により名義変更をおこなっていないケースもあります。
権利者さえ見つかれば、必ず購入できるとの期待はしないほうが良いといえるでしょう。

リスク②共有者間のトラブルに巻き込まれる可能性がある

所在等不明共有者の不動産の持分の譲渡制度を利用すれば、一部の所有者が所在不明でも土地の売却は可能です。
しかし、土地の売買が成立したあとで、所在不明だった所有者が見つかるケースもあります。
売却後に所有者が見つかった場合、元の所有者は、自分が知らないうちに売却がおこなわれていたことに関して、不快感を表す可能性があります。
正式な売買により法的な所有権は移っているとはいえ、元の所有者からの抗議などがおこなわれれば、精神的ストレスを受けるかもしれません。

リスク③整備コストがかかる

所有者不明土地は、長年手入れされずに放置された状態であることが多くあります。
そのため、購入しても活用できる状態に整えるまでに、多くのコストがかかる場合があります。
たとえば、生い茂った草木を伐採したり、倒壊寸前の建物を解体して空き地にしたりするためのコストがかかるかもしれません。
土地を整備する前の期間が予想外にかかると、土地を実際に活用できるまでの期間が延び、土地の投資効率が下がる可能性も考えられます。
場合によっては、荒れた所有者不明土地を購入するよりも、すぐに活用できる整った状態の土地を購入するほうが、費用対効果が良い場合もあるでしょう。
所有者不明土地を買いたい場合は、購入できるかどうかだけでなく、購入後の活用についても視野に入れて慎重に検討することをおすすめします。

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まとめ

所有者不明土地とは、住所変更登記や相続登記が放置されることにより、所有者がわからなくなっている土地のことです。
所有者不明土地を買いたい場合は、不在者財産管理人制度や、所在等不明共有者の不動産の持分の譲渡制度を利用する方法があります。
共有者間のトラブルに巻き込まれたり、高額な整備コストがかかったりするリスクについても、慎重に検討したうえで購入を決めましょう。

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