住宅ローン控除とは、マイホームなどの住宅を購入する際に利用できる住宅ローンの負担軽減に役立つ制度です。
そんな住宅ローン控除の内容が、2022年以降は改正されていることをご存じでしょうか。
改正前後では大幅な変更が複数あったため、住宅ローンを利用する前にしっかり確認しておくことをおすすめします。
そこで今回は、住宅ローンの利用を検討している方に向けて、住宅ローン控除とはなにか、2022年以降の改正内容や利用方法について解説します。
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弊社へのお問い合わせはこちら2022年以降改正となった「住宅ローン控除」とは?
そもそも住宅ローン控除とは、自分で居住する住宅を住宅ローンの利用によって購入・リフォームした方が適用となる制度で、正式名称を「住宅借入金等特別控除」といいます。
少しでも多くの日本国民が住宅を取得できるように、住宅ローンを借りる際に発生する金利負担を軽減するための減税制度です。
ここでは、住宅ローン控除とは具体的にどのような制度なのか、その仕組みや適用条件を解説します。
住宅ローン控除の仕組み
住宅ローン控除は、所得税と住民税が直接減税される制度で、2022年1月1日以降に住宅の取得または居住を開始した方は、以下のような控除が受けられます。
●控除額:年末時点の住宅ローン残高の0.7%
●控除期間:13年間
控除額は所得税から差し引いてもなお余る場合、住民税からも減税する仕組みです。
たとえば、住宅ローン残高が2,000万円で所得税が年10万円の場合は、2,000万円×0.7%の14万円が控除額となるため、所得税から10万円差し引き、残りの4万円は住民税から減税されます。
さらに、住宅ローン控除の適用条件を満たしていると、最長13年間にわたって控除を受けられます。
住宅ローン控除の適用条件
住宅ローンを利用しているすべての方が、住宅ローン控除の適用を認められるわけではありません。
住宅ローン控除を受けるためには複数の条件があり、そのすべてを満たしている必要があります。
1.申請者が居住する住宅であること
住宅の取得や新築・増改築の日から、半年以内に居住用として使用することが条件です。
ただし、転勤などの事情により一時的に本人が居住していない場合でも、家族が住んでいれば適用されます。
2. 住宅の床面積が50㎡以上であること
対象となる住宅の床面積が50㎡以上であり、かつ床面積の半分以上の部分を居住用として利用することが条件です。
床面積は、登記簿に表示されている数値によって判断されます。
3.住宅ローンの借入期間が10年以上であること
住宅ローンの返済期間が10年未満の場合は、控除を受けられません。
また、繰上げ返済をおこなった場合も、返済期間が10年未満になった時点で適用外になります。
4.合計所得金額が2,000万円以下であること
住宅ローン控除は、その年の合計所得が2,000万円以下でなければ受けられません。
そのため、所得によって控除を受けられる年と受けられない年に分かれることもあるでしょう。
住宅ローン控除の2022年以降の改正内容とは
2022年以降の住宅ローン控除は、具体的にどのような改正点があったのでしょうか。
改正前と改正後の変更点を、ひとつずつ解説していきます。
改正点1.制度期間の延長
住宅ローン控除の制度が受けられるのは2021年末までと定められていましたが、4年間延長されました。
この延長によって、2022年以降も住宅ローン控除の利用が可能になり、現時点で2025年末までに住宅を購入して居住した方が控除の対象となります。
改正点2.控除期間の延長
改正前の住宅ローン控除は最長10年間でしたが、13年間に延長されました。
ただし、中古住宅の取得や住宅の増改築は10年間、要件を満たす買取再販の中古住宅は13年間など、住宅の種類によって異なります。
改正点3.控除率の引き下げ
2022年以降の住宅ローン控除と改正前の内容で大きく変更があったのは、控除率が1%から0.7%になったことです。
これは、金利が1%以下の住宅ローンは珍しくなく、住宅ローン控除の金額が実際の住宅ローンの支払い利息よりも高くなる「逆ザヤ」が発生するケースが多く見られたからです。
このような背景から控除率が引き下げられ、改正前と比べると減税額は大きく下がりました。
改正点4.所得金額の引き下げ
控除対象者の所得要件の条件が、3,000万円から2,000万円に引き下げられました。
高所得の方には不利な改正ですが、より多くの方に住宅ローン減税の予算を割けるようになったとも考えられます。
改正点5.借入上限額
住宅ローン控除では控除が適用される借入上限額が決められているため、上限を超過した控除は受けられません。
2022年以降の改正では、控除対象となる種類と各借入上限額が細分化されました。
対象住宅の環境性能によって「長期優良住宅・低炭素住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」「一般住宅(その他の住宅)」と分類され、それぞれに上限が設定されています。
ただし、一般住宅に分類された場合、2024年入居以降は住宅ローン控除の対象外となるため注意が必要です。
改正点6.その他
2022年以降の住宅ローン控除は、その他にも以下の変更点があります。
●個人住民税の控除限度額が、所得税の課税総所得金額等の5%へ引き下げ(最高9.75万円)
●所得金額1,000万円以下は40㎡以上50㎡以下の住宅も適用可能
改正後は住宅の種類や入居するタイミングなどによって適用の可否が異なる項目もあるため、申請期限に余裕をもって確認しておきましょう。
2022年以降の住宅ローン控除の利用方法とは
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用しているからといって自動で適用されるものでなく、申請をおこなう必要があります。
住宅に居住した翌年に必ず確定申告をおこないましょう。
ここでは、住宅ローン控除の利用方法について解説します。
利用方法1.確定申告に必要な書類を集める
まずは、住宅ローン控除を申請するために必要な書類を準備します。
初年度の確定申告には、主に以下の書類が必要です。
●確定申告書
●マイナンバーカードまたは通知カードと本人確認書類
●住宅借入金等特別控除額の計算明細書
●不動産の登記簿謄本
●住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
●売買契約書または工事請負契約書
●源泉徴収票
上記のうち、確定申告書と住宅借入金等特別控除額の計算明細書は税務署や国税庁の公式サイトから入手できます。
住宅ローン控除の申請には多くの書類が必要のため、余裕を持って書類を揃えましょう。
利用方法2.確定申告は期間内に提出
確定申告書を記入し、必要資金と一緒に税務署の窓口へ提出します。
確定申告の時期は、原則毎年2月16日から3月15日です。
書類や記載内容に不備がなければ、1か月から1か月半後に指定口座に還付金が振り込まれます。
給与所得者は2年目以降の申告が不要
事業所得者は2年目以降も確定申告が必要ですが、会社員などの給与所得者であれば、2年目以降は勤務先での年末調整で控除を受けられます。
年末調整の際に、税務署から送付される「住宅借入金等特別控除申告書」と、金融機関から送付される「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の2つの書類を勤務先に提出するだけで申請が完了します。
まとめ
2022年以降、住宅ローン控除の内容は大きく改正されました。
住宅の種類によって借入上限額が変化したり、所得金額の引き下げがあったりと細かく改正されているため、住宅ローンを利用する前に隅々まで確認しておくと良いでしょう。
初年度の確定申告は必要書類が多いので、余裕を持った準備をおすすめします。
株式会社リードホーム スタッフブログ編集部
都心・城南エリアで土地・一戸建・マンションをお探しの方のために結束したファミリータイプ住宅売買の専門集団です。目黒区・港区・渋谷区・世田谷区・品川区・大田区の居住用物件のみに特化しております。ブログでは不動産売却などの記事をご提供します。