マイホームの購入を検討していると「頭金なしでも住宅ローンが組める」と耳にすることがあるでしょう。
頭金なしで住宅ローンを組むことをフルローンといい、フルローンにはメリット・デメリットがあります。
この記事では、頭金なしで住宅ローンを組む際のメリット・デメリットを解説します。
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弊社へのお問い合わせはこちら「頭金なしで住宅ローンを組む」とは?そもそも頭金ってなに?
はじめに「頭金」が何かを解説します。
頭金とは?
頭金とは、物件価格からローン借り入れ額を差し引いた金額のことを指します。
たとえば、3,000万円の物件を購入する際に150万円の頭金を用意すると、残りの2,850万円を住宅ローンで支払うことになります。
これまで住宅ローンを組む際の頭金は必須でしたが、現在は頭金なしでもローン契約が可能です。
手持ち資金が十分にない方にとって便利な制度ですが、頭金なしで住宅ローンを組むことにはリスクも伴います。
のちほどメリット・デメリットを解説しますので、双方を理解したうえで頭金を入れるかどうか決めると良いでしょう。
頭金の相場は?
頭金の相場は、物件購入価格の2割程度が目安といわれています。
ここで、マイホームを取得した方が実際にどれほどの頭金を用意したのかを見てみましょう。
「フラット35 利用者調査(2020年度)」にて、以下のようなデータがあります。
●注文住宅:619万円(17.5%)
●建売住宅:247万円(7.1%)
●マンション:758万円(16.7%)
●中古の一戸建て:198万円(8%)
●中古マンション:343万円(11.6%)
上記のデータから、物件の種類によるものの、多くの方が物件価格の1〜2割程度の頭金を用意しているということがわかります。
手付金とはどう違う?
手付金は売買契約時に支払うお金であり、キャンセル料のような意味合いを持ちます。
契約後に買主側から購入をキャンセルしたい場合、手付金を放棄することで契約の解除が可能です。
反対に、売主側から契約解除をしたい場合には、手付金の倍返しによって可能となります。
頭金は0円でも住宅を購入できますが、手付金は必ず支払わなければなりません。
手付金の相場は物件価格の5%ほどです。
あくまでも相場なので、売主と買主で意見が一致すれば、頭金が物件価格の5%以上でも以下でも問題ありません。
頭金なしで住宅ローンを組むメリットとは
ここでは、頭金なしで住宅ローンを組むメリットについて解説します。
手元に現金を残せる
預貯金の全額を頭金にしてしまうと、不慮の事故や病気などで急に現金が必要になったときに対応できない可能性があります。
頭金なしでローンを組めば、今ある預貯金を手元にのこしておけるため、急に現金が必要になったときにも困りません。
少なくとも半年分の生活費を残しておくと、万が一のときにも安心でしょう。
住宅ローン控除を最大限に活用できる
頭金なしで住宅を購入すると借り入れ額が大きくなるため、住宅ローン控除を最大限に活用できる可能性があります。
住宅ローン控除とは、年末時点のローン残高の0.7%を所得税などから控除する制度です。
ローンを組んだ年だけでなく、13年間にわたり減税を受けられます。
所得税から引けなかった分に関しては住民税から控除されますが、自身が支払った税金以上の額が戻ってくるわけではありません。
たとえば「住宅ローン残高:2,000万円・所得税:10万円/年」の場合、減税額は14万円(所得税から10万円・住民税から4万円)となります。
減税対象はローン残高3,000万円までで、減税額は年間21万円が上限です。
また、住宅ローン控除を13年間利用したあとに繰上げ返済をおこなえば、最大限の控除を受けながら全体の負担を軽減できます。
控除を受けるには一定の要件を満たす必要があるため、詳細は国税庁のホームページにてご確認ください。
早い時期から返済がスタートできる
多くの金融機関が、住宅ローンの完済時年齢を80歳未満としています。
住宅ローンを組むのが遅くなればなるほど完済までの時間が少なくなり、毎月の返済額が多くなってしまいます。
また、賃貸物件に住んでいる場合では、頭金を貯めながら家賃の支払いも必要です。
家賃10万円のアパートに住んでいたら、1年間で100万円の頭金を貯められたとしても、家賃で120万円も消えていることになります。
賃貸物件は大家さんのものであり、家賃を支払い続けたからといって自分の財産にはなりません。
頭金なしで早めに住宅ローンを組み、自分の財産となる不動産を早くに購入したほうが良いという考え方もあるでしょう。
買い逃しを防げる
基本的に、物件の購入は先着順です。
気に入った物件があったとしても「頭金が貯まるまで待つ」となれば、先に誰かに購入されてしまうかもしれません。
頭金なしで住宅ローンを組めれば、ほしいと思ったタイミングで購入でき、物件の買い逃しを防げます。
頭金なしで住宅ローンを組むデメリットとは
最後に、頭金なしで住宅ローンを組むデメリットをご紹介します。
メリット・デメリットの双方を理解して、頭金なしで住宅ローンを組むかどうか慎重に検討しましょう。
総返済額が大きくなる
頭金なしで住宅ローンを組むと、頭金を用意したときよりも総返済額が大きくなります。
「総返済額が大きくなる=月々の返済負担が大きくなる」ということです。
ここで、頭金を用意した場合と頭金なしで住宅ローンを組んだ場合の総返済額を見てみましょう。
●物件価格:3000万円、返済期間:35年間、金利:1%の場合
●頭金なしの場合:総返済額 3,556万7,998円(月々の支払い額 8万4,685円 )
●頭金150万円を支払った場合:総返済額 3,378万9,598円(月々の支払い額 8万451円 )
上記のように、頭金なしで住宅ローンを組んだ場合、頭金を用意したときと比べて総返済額が178万円ほど高くなります。
そこで月々の返済額を減らそうとすると、その分返済期間が長くなってしまいます。
頭金なしで住宅ローンを組む場合は、長期的な視点で資金計画を立てる必要があるでしょう。
売却しにくくなる
せっかく購入した不動産であっても、なんらかの事情で売却しなければならないこともあるでしょう。
住宅ローンが残っている状態で家を売却する場合、売ったお金でローンを完済する必要があります。
なぜなら、住宅ローンを組んだ際に、金融機関が対象不動産を担保にするためです。
自宅が担保にとられたままでは売却ができません。
担保を外してもらうには、ローンを完済する必要があります。
しかし、頭金なしでの借り入れは総返済額が大きく、売却時に多額の残債が残っていることが多いです。
物件を売却しても住宅ローンを完済できない場合、不足分を現金で用意しなければなりません。
審査の難易度が上がる
頭金なしで住宅ローンを組む場合、頭金を支払うときよりも厳しい審査がおこなわれます。
なぜなら「頭金がない=万が一のときに対応できる資金がない」と判断されるためです。
ローン契約者が返済を滞らせた場合、金融機関は担保である対象の不動産を売却して、資金を回収します。
頭金なしの借り入れでは売却価格よりも住宅ローン残債のほうが大きくなる可能性があり、資金を全額回収できない可能性が高くなります。
このように、頭金なしでの借り入れは金融機関にとってリスクが高い取引であるため、頭金ありの場合よりも審査が厳しくなるのです。
まとめ
頭金なしで住宅ローンを組む場合、長期的な視点で資金計画を立てることが大切です。
メリット・デメリットの双方を理解したうえで、頭金を用意するかどうか検討しましょう。
マイホームの購入でお悩みの方は、お気軽に弊社までご相談ください。
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