注文住宅を建てる際に、決めることのひとつに勝手口の有無があります。
昔の家では当然のように設置されていた勝手口ですが、今のライフスタイルによっては不要なケースがあります。
この記事では、勝手口の役割から、メリットとデメリットを解説し、必要性があるかどうかをご説明します。
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弊社へのお問い合わせはこちら注文住宅における勝手口の「由来と役割」とは?
勝手口はそもそもなんのために付いているのでしょうか。
勝手口の由来から、どのような役割があるのかを解説します。
勝手口の由来
元々、「勝手」とは、弓道で矢を引く手のことを言い、弓を持つ手と比べると自由に動かせることから、「勝手」は「自由にできる」という意味になりました。
そこから、かつて女性が自由に動ける場所として、台所のことを「勝手」と呼ぶようになります。
今でも台所のことを「お勝手」と呼ぶ方もいるかもしれませんね。
そんな台所(勝手)に付いており、自由に使える出入口として「勝手口」という言葉が生まれました。
勝手口の役割
独立型のキッチンではとくに、玄関から入って台所まで行くのに距離があり、重い荷物を運ぶのは大変です。
そこで勝手口があれば、思い食料品を外からすぐに台所に運べます。
また、キッチンから出た生ごみを、家のなかを経由することなく外に持ち出すことができます。
基本的には、勝手口は家族が使う裏の出入り口で、家事を楽にするための役割がありました。
女性ひとりで家事をおこなうことが一般的だった時代には、勝手口を利用することで、来客など他の人に煩雑な家事を見せないようにする役割も果たしていました。
そのような時代では、勝手口の必要性は高く、多くの家庭で勝手口は採用されていました。
しかし現代において、家事は女性ひとりが担うものではなく、家族全員で協力しておこなう家庭が増えてきています。
台所を家の奥にせず、リビングとキッチンを一体化させ、生活動線を工夫すれば、勝手口がなくても、家族みんなで家事をしやすい間取りとなります。
そのため、勝手口の必要性は以前ほどではなくなったと言えるかもしれません。
注文住宅における勝手口の「メリット」とは?
昔ほどの必要性はなくなったとはいえ、注文住宅で勝手口を設置するメリットは多くあります。
家事を集中的におこなえる
勝手口をうまく利用することで、家事を集中的におこなえます。
勝手口を出てすぐの場所に洗濯物干し場があれば、重い洗濯物を持って階段を上がったり、長い距離を移動する必要がなくなります。
そのためには、洗面所からの動線も意識して家の間取りを考えると、より家事がしやすくなります。
間取りを工夫することで、勝手口の設置でキッチンからだけでなく、他の家事の負担を減らすことも可能です。
重い荷物をすぐに運べる
敷地の広い家の場合、ガレージから玄関まで距離があることが多く、その場合は勝手口をガレージに付ければ、重い荷物を持っての移動が格段に楽になります。
車からすぐに家のなかに荷物を運べることで、運ぶ負担が減り、お買い物するのも楽しくなりますね。
外にゴミ出ししやすくなる
生ゴミを外に運ぶとき、袋に穴が開いていると、水が垂れてしまったり、ゴミがこぼれてしまうこともあります。
しかし勝手口があれば、すぐに外に生ゴミを持っていけるため、そのような心配もなく、においが家のなかにこもることもありません。
風や光が取り入れられる
勝手口があれば、その部分で太陽光を取り入れ、空気の入れ替えもできます。
キッチンはそれほど広くない場所に大型家電や家具がたくさんあり、空気がこもりがちです。
さらに、料理をすることで、においや熱気、湿気が気になることも多いでしょう。
そんなときに勝手口を少し開けるだけで、家のなかを空気が循環し、家全体の換気もできます。
自然の風を取り入れられるため、心地のよい風が吹く日はとくに、気持ちよく換気をすることが可能です。
ただし、この採光などのメリットは、勝手口でなくても、小窓の設置でもかなえられます。
出入口を増やすことができる
勝手口を家族の玄関として利用する家庭も少なくありません。
正面玄関はお客様が来たときに利用する場所と、用途を限定することで、それほど頻繁に掃除しなくてもきれいさな状態を保つことができます。
泥や水などで汚れてしまったときでも、勝手口から入れば玄関を汚さずに、すぐにキッチンから洗面所にたどり着けますね。
ガレージから近い場所に勝手口を設置すれば、より便利な出入り口として利用できるでしょう。
非常口になる
キッチンでは火を使うため、家のなかでは火事が発生しやすい場所でもあります。
そのような万が一の事態が起きたときにも、勝手口があればすぐにそこから出て避難できます。
玄関だけでなく、もうひとつ出入口があることで、非常時にも対応できて安心ですね。
家族の移動がスムーズになる
家に大人数が暮らす場合、移動する家族が多い朝などは玄関が渋滞することがあるでしょう。
勝手口を設置することで出入り口がひとつ増え、出かける時間が重なってもスムーズに外出でき、また他の家族の邪魔をすることなく家事をすることも可能です。
生活動線が増えるため、家族みんながスムーズに移動できるでしょう。
注文住宅における勝手口の「デメリット」とは?
メリットが多い勝手口ですが、同時にデメリットもあるため、順番にご紹介します。
防犯面で注意が必要になる
勝手口は、泥棒に狙われやすいというデメリットがあります。
勝手口は目立たない場所に設置されていることが多く、侵入しても外から見えにくいため、泥棒の出入り口として狙われやすいのです。
また、勝手口は玄関の扉と比較すると、簡易的なつくりの鍵になっていることが多く、その場合はピッキングなどで簡単に解錠されてしまいます。
さらに、玄関は何重にもしっかりとした鍵をかけ、窓にはシャッターを閉めていても、勝手口はつい無防備に鍵をかけ忘れているケースが多いのです。
泥棒に狙われないためには、外から見えやすい場所に勝手口を設置し、鍵を確実に閉めるなどの対策をすることが必要です。
最近では防犯性に優れた勝手口用の扉も多数販売されているため、防犯を意識して扉を選ぶとよいですね。
断熱性が下がる
勝手口を設置することで、壁のままよりも断熱性が下がります。
そのため、冷暖房の効きが悪くなり、キッチンに立っていると外の熱気や冷気を感じやすくなります。
冬の寒さや夏の暑さが気になるようであれば、断熱用の設備を設置するなど、ひと工夫するとよいですよ。
費用がかかる
勝手口の設置をするなら、コンクリートで土間を設置し、庇(ひさし)を取り付けるなど、複数の設備の設置が必要となります。
こだわるほどに費用は上がるため、予算に合わせてどのような勝手口をつくることができるか、施工会社に相談することが大切です。
虫の侵入経路になる
勝手口は虫が入りやすい場所になります。
火を使うキッチンは暖かくなり、冬は虫がおびき寄せられます。
また、油や生ゴミなど、虫が好むにおいが発生しているため、自然と虫が集まります。
換気のために勝手口を開けておくと、想像以上に虫が家のなかに入り込んでしまうことがあります。
まとめ
注文住宅で採用する勝手口の役割と、メリットとデメリットをご紹介しました。
勝手口を採用する必要性は、生活スタイルによって違います。
ご自身の生活に合った設備と間取りを選択して、快適な住まいを作り上げましょう。
ご希望の注文住宅を建てるのに最適な土地など、不動産に関するご相談は、弊社までお気軽にご相談ください。
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