地域によって、「この一帯は建物も低くて落ち着いている」「ここは商業施設が多くて利便性がよさそう」など、街の違いを感じますよね。
それには、「用途地域」の影響も考えられます。
用途地域とは、法律でその土地にどんな建物が建てられるかを規定したものです。
今回は、用途地域の種類と居住用におすすめの用途地域を解説します。
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「用途地域」とは
土地を購入するとき、暮らしに適した地域を選びたいですよね。
そこで、土地選びの前に知っておくことで役立つのが、「用途地域」です。
これは都市計画法という法律により、土地ごとに建てられる建物を定めたルールです。
用途地域は、市街化区域のなかで定められ、「住居系」「商業系」「工業系」の3つのカテゴリに大別できます。
さらに、「住居系」「商業系」「工業系」でもそれぞれ細分化されており、2018年からは「田園住居地域」も追加され、計13種類となっています。
特徴とともに、種類ごとの違いを見ていきましょう。
種類①住宅系
用途地域は、「住宅系」に分類されるものがもっとも多く、8種類が含まれます。
そのひとつ「第一種低層住居専用地域」とは、低層住居の住居環境を守るために規定されたエリアです。
低層住居の高さが10mや12mに制限されているなどの規定があり、閑静な住宅街が形成されている土地が多く見られます。
住居のほか、小規模店舗や小中学校などを建てることも可能な土地です。
「第二種低層住居専用地域」についても、第一種と同じく住居環境を守る地域とされ、建物の高さなども制限されています。
大きく異なるのは、飲食店やコンビニなども建設できる点です。
続いて「第一種中高層住居専用地域」とは、中高層住居の住居環境を守るために規定された地域です。
低層住居のような高さ制限がないため高層住居も多く、また病院や大学などのさまざまな施設が建設されます。
「第二種中高層住居専用地域」では、さらに1,500㎡までの広さの事務所や店舗も建てられます。
また、「第一種住居地域」とは、先にご紹介した住居専用地域よりも、さらに利便性の高い土地といえます。
住居のための環境は守りながら、施設の建設が緩和され、3,000㎡までの事務所や店舗、ホテルなどが建てられます。
「第二種住居地域」は、ボウリング場やカラオケボックスなどの施設の建設も可能です。
次に「田園住居地域」とは、簡単にいうと農地と住居が混在している土地です。
最後に「準住居地域」は幹線道路や国道沿いのエリアで、高層のマンションなどがよく見られます。
その土地の特性に合った業務の利便を図りながら、住居環境を保護する地域で、自動車修理工場なども建てられます。
種類②商業系
「商業系」2種類のうちのひとつは「近隣商業地域」で、近隣の住民に日用品を提供する商業店舗などの利便を増進する地域です。
また「商業地域」は、主に商業やそのほかの業務の利便を増進すること目的とした用途地域です。
近隣商業地域よりも制限が緩和されており、ほとんどの商業施設が建築可能となっております。
種類③工業系
「工業系」のカテゴリには3つの用途地域が含まれます。
「準工業地域」は、住居環境が悪化するようなおそれのある工場は除いて、住宅と小規模な工場が混在する地域です。
「工業地域」は、準工業地域より規模の大きい工場の建設が可能で、病院や教育施設は建てることができません。
さらに、「工業専用地域」は工業の利便を増進するための地域で、さまざまな工場の建設ができる一方、住居は建てられないよう規定されています。
住居用の土地選びでおすすめの用途地域を解説
用途地域の種類は多く、土地選びでも「どの地域を選んだら良いんだろう…」と迷われる方もいらっしゃるでしょう。
ここでは住居用に適した地域という目線で、おすすめの用途地域をご紹介します。
適度な利便性が魅力の2つの住居地域
生活に利便性を求める人におすすめの用途地域が、「第一種住居地域」「第二種住居地域」といえるでしょう。
これら2つの住居地域は、住居の環境を守るエリアですが、住宅の近くにも飲食店や店舗、事務所などが建つことが特徴です。
土地の周辺に最低限の施設があれば良いという場合より、スーパーマーケットなどが身近にあるほうが望ましいと考える方に適しているといえそうです。
とくに「第一種住居地域」の土地は、駅に近いケースも多く、適度なにぎやかさを感じる地域となっています。
たとえば、郊外の駅前のような利便性と住居環境のバランスがとれたイメージです。
夜間も営業している店舗があって、仕事帰りで遅くなっても、比較的安心して帰宅しやすいでしょう。
「第二種住居地域」は、カラオケボックスやボウリング場なども建設可能で、よりにぎやかです。
近くに遊べるところがあるのも魅力で、若い夫婦などにもおすすめです。
静かで落ち着いた環境の低層と中高層住居専用地域
「暮らすなら、やはり閑静な土地が良い」と考える方におすすめなのは、低層と中層住居専用地域です。
「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」は、住居するための環境を重視したエリアで、ファミリーにも適しています。
建物の高さ制限がある低層住居専用地域でも、戸建て住宅のほか、低層マンションや小中学校も建てられます。
広い庭がほしいケースなどにも向いています。
閑静な街並みを重視しつつ、コンビニなどや小さなお店も近くにほしいときは第二種低層住居専用地域を選択すると良いでしょう。
中高層住居専用地域は3階以上も建てられる土地で、買い物の利便性も良いです。
第二種なら中規模な商業施設があり、より便利に感じるでしょう。
良好な住宅環境と農業が調和する田園住居地域
既存の農地で農業に触れてみたい方や、農家レストランや直売所などで働きたいと考える方には「田園住居地域」がおすすめです。
低層住居の環境が守られた地域で、教育施設や病院、図書館、寺院などが建つエリアとなります。
車を活用する暮らしに準住居地域
日常的に車を利用する生活スタイルの場合には、近くに国道や幹線道路がある「準住居地域」も適しているかもしれません。
準住居地域は、住居環境を守りながら、道路沿いで自動車関連施設などと住居の調和した地域です。
土地の購入時に気を付けたい用途地域の注意点
おすすめの土地がある一方で、注意点のある用途地域についてもチェックしておきましょう。
「準工業地域」の注意点
住宅系以外の用途地域でも住宅が多く見られるエリアとして、「準工業地域」が挙げられます。
準工業地域は学校や病院などの施設も建設が可能であり、工場ばかりではない生活環境のため住宅も多いのです。
また準工業地域は、危険性の高い工場などの建設は認められていません。
とはいえ、準工業地域も、厳密には環境の悪化の恐れや危険性が「非常に少ない」から「やや多い」工場まで許可される可能性があることが注意点です。
後々、土地の近くに工場が建って騒音が気になるといったこともあり得ます。
「土地の購入時にはなかったのに」というケースもあるので注意点です。
工場など大きな建造物が建てられる空き地のそばなどは避けるのが賢明かもしれません。
「商業地域」の注意点
「商業地域」も住宅を建てることが可能ですが、ケースによっては住居環境に適していると言い難いことあるのが注意点です。
利便性が良い一方で、さまざまな業種の建物が建ちます。
近くに飲食店が建つと害虫や異臭の発生が気になる場合もあるので、気を付けましょう。
まとめ
「用途地域」について解説しました。
閑静な環境を優先したい場合や、利便性を求める場合など、希望によって適した用途地域も変わってきます。
土地購入をお考えのときは、ぜひこの記事も参考に地域をお選びください。
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