住宅を建てるとき、または古くなった家をリフォームするとき、家の印象を左右する外壁材にはさまざまな選択肢がありますよね。
今回はそのなかでも、特に耐久性やメンテナンス性に優れた「タイル」を選択するメリットやデメリット、注意点について詳しく解説します。
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弊社へのお問い合わせはこちら住宅の外壁の種類とそれぞれの特徴-タイル・サイディング・モルタル
住宅の外壁には大きく分けてタイル、サイディング、モルタルの3種類があります。
タイルを選ぶメリットやデメリットの前に、それぞれの外壁材の特徴を確認しましょう。
タイル
タイルとは、粘土を板状にして高温で焼き固めた外壁材のこと。
見た目にも高級感があるため分譲マンションなどでは多く用いられていますが、一戸建てではほとんど見られず、全体の3%ほどです。
粘土を高温で焼き固めたタイルは石や砂と同じ無機質なので、雨・風・紫外線といった厳しい自然環境の影響を受けにくく、耐候性に優れています。
また、傷や汚れもつきにくく、水も吸収しないため、高い耐久性があります。
メンテナンスの楽な外壁材ではありますが、タイルの「浮き」や「剥がれ」が発生するとそこから雨水が構造部分に侵入してしまうため、定期的な点検により早期発見し部分的な補修やタイルの交換が必要となります。
サイディング
サイディングとは、セメントと木材繊維などを板状に加工した外壁材のことで、戸建て住宅では一番多く選ばれている外壁材です。
サイディングには窯業系、金属系、樹脂系、木質系と種類があり、もっともシェアが大きいのはタイルのような質感を再現した窯業系サイディングです。
工場で生産するため品質が安定しており、耐熱性や耐震性にも優れています。
豊富なデザイン性、比較的容易に施工できること、そして初期コストが安い割に総合的な機能は優れていることなどから、そのシェアは8割にも上ります。
ただし、サイディング自体には防水性がないため、メンテナンスとしては10年おきに防水塗装が必要になります。
また、板状の外壁材の継ぎ目のコーキング(伸縮する素材)が劣化すると、そこから雨水が構造部分に侵入し腐食させることがあるため、そちらも定期的なメンテナンスが必要。
気候にもよりますが、約10年程度で大掛かりな補修が必要になり、劣化が酷い場合はコーキングをやり直したり、外壁材そのものを交換する必要があります。
メンテナンスのコストは家の大きさにもよりますが、1回で100~150万円ほどかかります。
モルタル(塗り壁)
モルタルとは、水と砂、セメントなどを混ぜ合わせた材料を左官職人が手作業で施工する「塗り壁」のこと。
継ぎ目がないため、カーブ形状にも対応できるなどデザインの自由度が高いことが魅力。
職人による現場施工となるため、手仕事ならではの趣のある質感には根強い人気があります。
カラーも豊富で、リシン仕上げ、スタッコ仕上げ、吹き付けタイル、ジョリパッドといった仕上げの工法によってもかなり表情が変わります。
適切な施工をすれば30年以上の耐久性があるとされていますが、施工する職人の腕や現場の品質管理によって耐久性に差が出やすくなります。
定期的なメンテナンスとしては10年おきに表面に防水塗装を施します。
この費用は家の規模にもよりますが50~80万円ほど。
また、「ひび割れ」が発生しやすく、そこから雨水が構造部分に侵入し、腐食や雨漏りを引き起こすことがあるため、細かいひびを発見したらその都度補修することが重要です。
住宅の外壁をタイルにするメリットとデメリット
外壁材のなかでも抜群の耐久性があり、メンテナンスフリーといわれるタイル。
メリットとデメリットを整理しました。
メリット
高級感・重厚感がある
外壁をタイルにするメリットとしてまず考えられるのは、まずは見た目の高級感・重厚感でしょう。
さまざまな質感・カラー・形状のタイルがあり、「焼き物」独特の質感や風合い、一枚一枚職人の手作業で貼るからこそできる深い「陰影」は他の外壁材では出せない魅力です。
タイルとタイル調の窯業系サイディングを並べてみるとその差は歴然としており、家全体の印象も大きく変わります。
汚れがつきにくく、経年劣化による変色も少ないので、白やベージュといった汚れやすい色も取り入れやすくなります。
汚れがつきにくい
タイル自体は水を吸収しないものの、表面は水になじみやすい性質(親水性)を持っています。
そのため、空気中の水分がタイル表面に水の膜を作り、泥などの汚れも雨が降れば洗い流されます。
汚れがつきにくければ、当然劣化もしにくくなり、見た目の美しさを長く保つことができます。
そのため、資産価値を維持しやすいと言えるでしょう。
メンテナンスコストが安い
外壁をタイルにする最大のメリットは、なんと言ってもメンテナンスコストの安さです。
耐用年数は約40年と言われており、定期的なメンテナンスコストも10年で30~50万円ほどと他の外壁材と比較してもかなり割安です。
40年間でかかるメンテナンス費用はモルタル・サイディングが350~600万円、タイルは120~200万円と初期費用の差を上回っており、トータルで考えるとタイルの方がお得であることがわかります。
デメリット
初期費用が高い
平均的なタイルを採用しても、一戸建て1棟あたりの施工費用は約300万円以上。
一般的なサイディングが150万円程度ですので、初期費用は2倍近くかかります。
しかし、メンテナンスも含めたトータルのコストはタイルの方が安くなります。
職人の腕に左右されやすい
職人の腕が悪いと、後々タイルの「浮き」や「剥がれ」が発生しやすくなることも。
過去の施工実績などを見せてもらい、経験やノウハウの豊富な会社に依頼するのが良いでしょう。
目地が深いことで湿気を帯びやすい
目地が深いことによる「陰影」はタイルの大きな魅力の一つですが、目地の部分に雨水が長い間留まることで外壁の下地が湿気を帯びやすくなります。
住宅密集地などで隣の壁が近く日当たりの悪い壁がある場合は要注意。
壁の内部にカビなどが発生してしまうと、構造壁の劣化を早めてしまうリスクもあります。
重量があるため揺れに弱い
焼き物であるタイルは、当然ながら他の外壁材と比較すると重量があります。
建物全体にかかる負荷も大きくなるため、地震の際は横揺れの影響を受けやすいといえます。
木造住宅は揺れやすいため、制震構造や免震構造にしたり、または揺れたあとはしっかりと点検をしてタイルが剥がれた箇所を補修する必要があります。
住宅の外壁をタイルにする際の注意点
建物構造は頑丈に
タイル自体に重量があるため、地震の揺れで建物が変形すると「剥がれ」が発生しやすくなります。
免震構造や制震構造など、建物の揺れを軽減する工夫が必要です。
また、揺れの後には点検をして、タイルの剥がれた箇所に早めに対処することが大切です。
タイルを余分にもらっておく
同じメーカーの同じ品番のタイルであっても、製造した時期が異なると色彩や質感に微妙な差が出ることがあります。
施工時にメンテナンス用のタイルをもらっておくと、部分補修でタイルの交換をするときに便利です。
定期的なメンテナンスは必須
タイルはメンテナンスフリーといった広告もありますが、外壁全体として定期的な点検やメンテナンスは必要です。
具体的には年に1回程度のタイル洗浄と点検、「浮き」や「剥がれ」を見つけたらその都度部分的な補修・交換を施します。
また、コーキング(伸縮目地)の増し打ちは5~8年ほどでおこないます。
こまめに点検をしておけば、大きなダメージになる前に対処することができます。
まとめ
いかがでしたか?
家は完成した時がスタート地点です。
外壁や屋根など構造部分に定期的なメンテナンスをしっかりと施せば、一般的な木造住宅でも60年の耐久性があると言われています。
イニシャルコスト(初期費用)だけでなく、長期的なメンテナンスコストも踏まえた外壁選びの選択肢として、タイルを検討してみてはいかがでしょうか。
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