新しく家を建てることを考えるとき、平屋を選ばれる方が増えてきています。
核家族が進んだことや、広々とした空間を楽しむため、また老後のことを考えてなど、さまざまな理由があるようです。
今回は後悔なく新築住宅を建てるために、平屋の特徴やそのメリット・デメリットをご紹介します!
平屋とは、一階建て平面構造の家のことです。
少し前まで2階建て以上で家を建てる方が多かったのですが、最近は平屋を選ぶ方も増えてきています。
それでは平屋はどんな特徴がある建物なのでしょうか?
平屋の特徴として、2階建て以上の建物と比べると構造が単純なことがあげられます。
一般的に、建物については重心が低ければ低いほど構造物として安定し、地震に強いものです。
2階建て、3階建てと高くなると重心が縦に延びるため横揺れの幅も大きくなり、耐震性は落ちていきます。
地震大国日本では、耐震性が高い平屋の特徴は高ポイントです。
平屋は階段などが不要なため、スペースを有効利用できます。
一般的に、2階建てにするために必要な階段やホールなどのスペースは、4〜5畳分必要と言われているため、その分書斎をつくったりサービスルームをつくったりすることも可能です。
上層階のことを考える必要がないため、天井を高くとるなどして、広々と開放的な空間を演出することも。
さまざまなスペース活用が考えられるのが平屋住宅の特徴です。
それでは新築住宅を平屋で建てるとどんなメリットがあるのでしょうか。
具体的にご紹介します!
新築住宅を平屋で建てる最大のメリットは、なんといっても家族の間でコミュニケーションが取りやすいこと。
2階建てだと、玄関から入ってすぐに2階に上がる階段がある家が多いです。
子どもが学校から帰ってきても、玄関から入ってすぐ2階にあがってしまうと、顔を合わせることがないまま夜になってしまうこともあるかもしれません。
子ども部屋からリビングまですべて同じフロアにある平屋だと、家族が顔を合わせる機会は多くなります。
家族の息遣いを感じられるため、もし誰かが倒れるようなことがあったとしても気が付く確率も高いです。
リビングやダイニングを通らないと各個人の部屋に行けないような造りにしたり、キッチンを対面式にしたりするなどの工夫をすることで、コミュニケーションの機会はさらに広がるでしょう。
新築住宅を平屋で建てる2つめのメリットは、バリアフリーを実現できることです。
若い頃は2階建てや3階建ての家でも問題ありませんが、年を取ってくると階段を上って上階に行くのはだんだん厳しくなってきます。
そして一階だけしか使わなくなってしまうのもよく聞く話。
また足腰が弱ってくると、ちょっとした段差も転倒や怪我のもとになります。
平屋だと上階に行く階段がないことはもちろん、玄関から居室までトータル的なバリアフリー設計も可能。
終の棲家として考えるのであれば平屋はおすすめです。
新築住宅を平屋で建てる3つめのメリットは、メンテナンスが楽なことです。
新築で家を建てても、家を長持ちさせるためにメンテナンスが必要。
日々の掃除にしても、掃除機を持って階段の上り下りをしなくていいだけで楽です。
また外壁塗装などを業者に依頼する際も、2階建てや3階建てだと足場を組む必要があります。
足場を組むのはそれだけで費用が発生するため、高額になりがちです。
メンテナンスの面から考えても、コストを押さえられるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
暖かい空気は上に、冷たい空気は下にたまる性質があります。
そのため吹き抜けなどがある2階建ての家で冷房を使用しても、2階はあまり冷えず、また逆に冬は1階が暖まらない事態がおこりがちです。
その点、平屋はワンフロアのため冷暖房の効率がよく、また同じ高さにお部屋があるため各部屋での温度差が少なくなるメリットがあります。
結果的に光熱費をおさえることも可能です。
新築住宅を平屋で建てるのはいいことずくめのように思えますが、デメリットはないのでしょうか?
つぎはデメリットについてご説明します。
新築住宅を平屋で建てるために広い土地が必要になります。
平屋で建てたいと思っても、断念して2階建て、3階建ての家を建てることになる最大の理由は、十分な土地が確保できなかったからといったケースが多いでしょう。
単純に考えても、同じ延床面積の住宅を建てようと思えば、平屋は2階建ての倍の広さを必要とします。
また土地自体は広くても、建ぺい率の制限があり、平屋を建てるのに必要な面積が確保できないこともあるでしょう。
建ぺい率とは、土地に対して建物を建築できる面積の割合のことで、その土地ごとに決まっています。
新築住宅を平屋で建てたいのであれば、土地の広さと合わせて、建ぺい率も確認し「平屋を建てるのに面積が足りなかった!」と後悔しないようにしましょう。
広い土地が必要ですので、土地にかかる費用も高額になります。
また建築面積が広ければ、基礎工事にかかる費用がかさんだり、また屋根のデザインに凝ったりすれば、2階建てより高額になることも。
建物の総面積や、どんな建材をつかうのかなどにもよって一概に言えませんので、まずは予算の範囲内でどのような平屋が建てられるのかを確認しましょう!
メリットとして家族間のコミュニケーションが取りやすいことを挙げましたが、裏を返せばプライベートの確保が難しいことにも繋がります。
家族の気配を感じやすく安心感はありますが、リビングや子供部屋、寝室などすべてが同じフロアにあるため、プライバシーを守るのが難しいのです。
またお客さまがいらしたときなども、ばったりほかの家族と出くわす可能性もあるため、配慮が必要になることも考えられます。
後悔しないためにも、お部屋の間取りを考えるときから。開放感とプライバシーのバランスを考えて設計するようにするといいですよ。
ワンフロアであるがゆえ、平屋の家は侵入経路がたくさんあります。
開放感がありますが、その分2階建てや3階建てより空き巣に狙われやすく、防犯面では不安です。
平屋で新築住宅を建てるのであれば、窓ガラスを二重サッシにしたり、防犯フィルムを貼ったりするなど、しっかりした防犯対策を考える必要があります。
家の周りはきっちりと塀で囲むなど、平屋ながらの開放感とうまくバランスを取りながら防犯対策を施しておくと、「最初にきちんと防犯対策をしておけば…」と後悔することもないでしょう。
今回は新築住宅を後悔することなく建てるために、平屋住宅の特徴やそのメリットとデメリットをご紹介しました。
平屋住宅にもデメリットはありますが、それを上回るメリットがあることがわかります。
デメリットは、対策を施すことである程度カバーすることも可能です。