住宅を建てる際には、土地の地盤調査が欠かせません。
しかし、なぜ地盤調査をおこなう必要があるのか、どのような調査をおこなうのかがわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、土地の地盤調査とはなにかという概要をはじめ、地盤調査の種類や必要な費用をご紹介します。
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地盤調査とは、地盤が家を建築しても問題ない強度になっているかどうかを確かめるための調査です。
土地の強度を確認し、建物を安全に支えられる地盤かどうか、もし強度に欠ける場合はどうすべきかを把握する目的でおこなうもので、安全な建物を建築するためには欠かせません。
住宅を建てたり、建て替えたりする前には、設計を依頼した建築士や施工業者を通して地盤調査を専門におこなう会社に依頼するのが一般的です。
地盤調査でわかること
地盤調査では、地盤の状態を把握するためにさまざまな項目の調査をおこないます。
調査項目のなかでもとくに重要なのが、地盤の強度と支持力です。
地盤の強度と支持力は住宅を支える基礎的な力を指すため、住宅が安全に建てられるかを判断するうえで欠かせない項目の1つと言えます。
人工的に作られた土地か自然にできた土地かを判断するための地盤構成や、地震への強さを示す指標となる地層や地下水位・液状化判定も重要な調査項目です。
これらの調査項目をもとに、土地の全体的な質を判断し、どのくらいの建物の重さに耐えられるのかを調べます。
地盤調査の必要性
地盤調査は、安全性の高い建物を建築するうえで欠かせない工程です。
地盤調査をせずに地盤が軟弱な土地に住宅を建ててしまうと、地盤沈下が発生したり家が傾いたりするおそれがあります。
これらの危険を回避するためには、地盤の状況を調査したうえで最適な構造を検討する必要があります。
地盤調査の結果、地盤が軟弱だと発覚した場合には、適切な地盤改良工事を施したうえで住宅の建築をおこないます。
地盤調査の実施は法律で義務化されているものではありませんが、家を建てる前におこなわれるのが一般的です。
その理由として、住宅の引き渡しから10年以内に瑕疵が見つかった場合は施工業者が無償で修繕をしなければならない、という契約不適合責任が挙げられます。
補修費用の負担に備える保険に加入するには地盤調査が必要なので、家を建てる前には原則として地盤調査がおこなわれています。
土地の地盤調査の種類
土地の地盤調査の方法にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
一戸建てを建築する場合、スクリューウエイト貫入試験・ボーリング調査・表面波探査法のいずれかがおこなわれるのが一般的です。
代表的な3種類の地盤調査をご紹介します。
スクリューウエイト貫入試験
スクリューウエイト貫入試験とは、鉄の棒を地面に垂直に差し、おもりを乗せて回転させたときの沈み方によって地盤の強度を調べる試験です。
一戸建てを建築する場合、建物の四隅と中央部分を含む5~7地点、深度10m程度を測定します。
地盤調査にかかる費用なども鑑みて、一戸建てを建築する際にもっとも多く使われている種類の調査方法です。
かつてはスウェーデン式サウンディング試験と呼ばれていましたが、2020年10月26日のJIS改正により正式名称がスクリューウエイト貫入試験に変更されました。
スクリューウエイト貫入試験のメリットは、調査機関が半日から1日程度と短く済むこと、調査にかかる費用が比較的安いことです。
正確な結果を受け取れるまでは数日かかりますが、地盤改良工事をおこなう必要があるかどうかの判断材料になる速報値はその場でわかります。
その一方、調査する土地の広さによっては正確性が下がることや、地層が硬すぎると深部まで調査できないことがデメリットとして挙げられます。
ボーリング調査
ボーリング調査とは、ボーリング機械を使って地面に穴を掘り、ハンマーを落下させて強度を測定する調査方法です。
地盤調査のなかでは比較的大掛かりな工事であり、マンションなどの大きな建物を建築する際にも用いられます。
一戸建てを建築する際にはあまり使われないものの、スクリューウエイト貫入試験では調査が十分におこなえないと判断された場合には使用されるケースがあります。
数十mの深さまで調査でき、土の採取もできるため、地盤の強度や危険性をより正確に測定できるのがメリットです。
また、硬い地盤や瓦礫などが多く埋まっている土地でも調査できます。
しかし、調査期間が1日から数日程度と長いことや費用が比較的高いこと、調査に使う機械が大きく広い空間が必要になることがデメリットです。
表面波探査法
表面波探査法とは、振動が地面のなかを伝わる速さを機械で計測し、計測した数値を解析することで地盤を調査する方法です。
ほかの調査方法では地面に穴を掘って地盤の調査をおこないますが、表面波探査法では振動を計測することで調査をするため穴は掘りません。
そのため、調査に大きな機械を使う必要がなく、狭い場所でも地盤調査をおこなえるのがメリットです。
土地の地盤調査に必要な費用
土地の地盤調査にかかる費用は、調査の種類や規模、土地の性質などによって左右されます。
くわえて、調査の結果次第では地盤改良工事をおこなうことになるケースも存在するため、地盤調査にかかる費用は多めに見積もっておくと安心でしょう。
土地の地盤調査にかかる費用を、調査の種類ごとにご紹介します。
スクリューウエイト貫入試験の費用相場
スクリューウエイト貫入試験は、そのほかの調査方法と比較すると低コストでおこなえる調査です。
一般的なスクリューウエイト貫入試験の場合、費用の相場は5万円前後が目安です。
地盤調査会社によっては報告書の発行や郵送などに別途費用がかかるケースもあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
ボーリング調査の費用相場
ボーリング調査にかかる費用は、25〜30万円程度が目安です。
しかし、ボーリング調査では土地の状態や掘る深さに比例して調査にかかる費用が高額になり、40~80万円程度になるケースもあります。
そのため、ボーリング調査をする場合は費用に余裕を持たせたほうが良いでしょう。
表面波探査法の費用相場
表面波探査法にかかる費用は、5~8万円が目安です。
業者によって異なるものの、ボーリング調査より安価で、スクリューウエイト貫入試験よりはやや高価という価格設定が多く見られます。
地盤改良工事の費用相場
地盤調査の結果、地盤が軟弱だと発覚した場合、土地の地盤改良工事をおこなう必要があります。
地盤改良工事にかかる費用は、建物の建築面積が20坪前後の場合、50万円から100万円程度が目安です。
ただし、地盤改良工事にかかる費用は敷地の大きさや地盤の状況によっても異なります。
地盤改良工事をおこなわないと危険かどうかは地盤調査の結果次第であるため、余裕のある予算を組むと良いでしょう。
まとめ
土地の地盤調査は、安全性の高い住宅を建てるために必要不可欠です。
一戸建てを建築する際にはスクリューウエイト貫入試験という種類の調査がおこなわれるのが一般的で、スクリューウエイト貫入試験での判断が難しい場合はボーリング調査などが使われます。
ボーリング調査を実施することになった場合、費用が高くなるケースもあるため、地盤調査にはある程度の予算を用意しておくと良いでしょう。
株式会社リードホーム スタッフブログ編集部
都心・城南エリアで土地・一戸建・マンションをお探しの方のために結束したファミリータイプ住宅売買の専門集団です。目黒区・港区・渋谷区・世田谷区・品川区・大田区の居住用物件のみに特化しております。ブログでは不動産売却などの記事をご提供します。