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目黒区が待機児童数ゼロを達成した対策とは

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目黒区が待機児童数ゼロを達成した対策とは

目黒区が待機児童数ゼロを達成した対策とは

令和3年の4月、東京23区のうち目黒区を含め10区が待機児童ゼロ人を達成しました。
目黒区は令和2年4月から待機児童数がゼロになりましたが、数年前までは保活激戦区とも言われるほど待機児童数が多かった地域なのです。
今回はそんな目黒区がどのような経緯で待機児童ゼロ人になれたのか、経緯や対策を詳しくご紹介いたします。

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令和2年に目黒区の待機児童がゼロを達成

令和2年に目黒区の待機児童がゼロを達成

目黒区は平成29年4月の617人が待機児童数のピークで、まさに保活激戦区といえるほどの競争率でした。
この状況を打破すべく目黒区は認可保育所等の整備をより加速させ、平成31年4月のわずか2年後に79人まで減少させています。
そしてついに令和2年の4月、0歳児から5歳児までの保育所等入所待機児童がゼロ人を達成し、現在も維持できるよう整備を進めています。

待機児童ゼロが区政の最重要課題

平成29年4月1日時点では、目黒区は全国で3番目に待機児童数が多い地域でした。
とくに0歳児・1歳児各クラスが待機児童200人超えと深刻な数字であり、申請者の半数近くが落ちるという結果に。
目黒区はこの事態を重く受け止めて、待機児童ゼロを区の最重要課題として掲げました。
そして3年かけて認可園を43か所増設したことが功を奏し、見事現在のゼロ人を達成しています。
この結果は認可保育所整備による効果ですが、なぜ今まで目黒区では保育所等の整備が進まなかったのでしょう。

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かつて激戦区だった目黒区

かつて激戦区だった目黒区

保活とは認可保育所に入れるために保護者がする活動で、内容は事前の情報収集や見学などが挙げられます。
保活は子どもが無事に認可保育所・子ども園へ入所するまで終わりません。
国の基準で定められている認可保育所は保育料が安く、さらに自治体からの保育料補助が出る点が大きなメリットです。
しかし、目黒区では定められた期間、認可外保育施設を利用することでも点数が上がります。
保育料が安い認可保育所に入るため、対策として月に10万円以上をかけ、ひとまず認可外保育所に入園した世帯も珍しくありません。

整備できなかった理由は地価など土地の問題

令和3年4月1日時点では、千代田区・港区・新宿区・大田区・世田谷区・渋谷区・練馬区・足立区・葛飾区と、23区では目黒区を含め10区が待機児童ゼロを達成しました。
そのなかでも千代田区・新宿区・目黒区はとくに地価が高く、目黒区は23区の中で9番目に高い地域です。
目黒区が保活激戦区と言われていた原因は地価の高さと、用地がまとまっておらず土地の活用が難しい地域であるためと考えられています。
それでも整備費補助予算を組み込んだり区有施設を有効活用して、平成28年の時点で39か所だった認可保育所数を令和2年で88か所まで増やし、待機児童をゼロまで減らしました。

保活激戦区と言われる所以の点数とは

申請者が認可保育所の定員を超えると、いわゆる「点数」で利用調整されます。
この点数は基本指数といい、目黒区では以下のような内容で加算されます。

●保護者がフルタイムで働いている
●保護者の長期入院が見込まれる
●保護者が親族の介護や病院の付き添いをしている
●保護者が死別・離別している


就労や疾病などの内容から度合いにより指数が上下し、より合計点数が高い家庭が優先的に入所できるようになります。
利用調整基準指数は保護者が二人いると仮定されており、たとえば共働きかつフルタイムで働いている場合は一人20点が加算され、合計40点が世帯の点数です。
保護者がシングルかつフルタイムで働いている場合は、就労で20点、一人の保護者の不存在として20点、ひとり親世帯として調整指数が10点加わり合計50点となります。
そのため両親がフルタイムで働いて得られる点数は40点ですが、これ以上点数を上げられる要因は生活保護世帯であったり保護者に就労制限があるなど、簡単ではありません。

数ある調整指数のなかでも金銭で解決できるのは、認可外の保育所を利用することです。
目黒区では子どもを認可外保育施設に1か月以上預けることで、調整指数として2点が加算されます。
この2点が大きな差であるため、対策として1か月で10万円以上の痛い出費でもひとまず認可外保育施設に預ける世帯が多かったことが、激戦区と言われていた所以です。
現在の目黒区は激戦区ではありませんが、利用指数の計算は区によって異なるため、保活中の方は念のため一度目を通してみてはいかがでしょう。

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目黒区の待機児童をゼロ人にした対策とは

目黒区の待機児童をゼロ人にした対策とは

地価が高く用地も限られた場所が多い目黒区が、どのような対策で待機児童をゼロ人まで減らしたのでしょう。

区が所有していたスペースの有効活用なども対策の一つでしたが、要因は私立認可保育所の整備と考えられます。
まず保育施設を所持するオーナーに認可保育所として利用できるよう整備してもらい、それを事業者が借り受けて運営するための仕組みを目黒区が整えました。
ただ保育所を開設するだけでなく、あらかじめ区議会で整備費の補助予算議決をもらい、保育所の運営が続けられるような仕組みも工夫されています。
この整備により私立の認可保育所数が年々増設され、保活激戦区と言われていた面影もなく現在の待機児童ゼロ人を達成しました。
しかしその一方、限られた敷地で新設した保育所も多く、新たな問題も浮き彫りになったのです。

園庭のない認可保育所が増えた

私立認可保育所数は増えましたが、新しい保育施設には敷地面積の問題から園庭がない施設が多く見られます。
保育施設においての園庭は、子どもを外でのびのびと遊ばせられる貴重な役割があり、本来認可保育所にはなくてはならないものです。
課題は、限られた場所でも保育施設を作り、かつ認可園として子どもたちの遊び場を確保すること。
この対策を考えた目黒区は、全国初の取り組みとして「ヒーローバス」の運行を始めました。

ヒーローバスの役割は子どもと保育士を保育施設から公園へ送迎することで、運行により子どもたちが日常的に外あそびできる環境が整えられました。
送迎対象公園は駒場野公園や林試の森公園などで、いずれも自然豊かな公園です。
子どもたちも遠足気分で楽しんでいると保育所からも評判であり、現在は増車して3台のバスが運行中です。

目黒区が考える今後の展望とは

これからも待機児童ゼロ人をキープするために保育所の整備や新たな取り組みを進めている目黒区ですが、保育所だけでなく子育て全体を題材にした「子ども総合計画」も改訂されました。
改訂内容は学童保育クラブの拡充や、放課後に子どもたちの居場所をつくるための計画など小学生向けのものから、子育て期間の切れ目ない支援や対策を目指すことが挙げられます。
現在目黒区では世帯での子育てだけでなく、子どもが自分から成長できるような「子育ち」を目標にして、そのための環境整備や支援を背策として挙げています。

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まとめ

保活激戦区であり認可保育所への預け入れが難しかった目黒区ですが、私立認可保育所の整備や空いていた区のスペースを利用するなどの対策で、ピークから3年後に待機児童ゼロ人を達成しました。
現在はこの状態を維持し、子どもたちがすくすく育てるようなまちづくりを進めています。
これから目黒区に移住予定がある方は、事前に認可保育所の定員や情報などをチェックしておきましょう。

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