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自然素材の壁にしたい!珪藻土の特徴とメリット・デメリットを解説

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自然素材の壁にしたい!珪藻土の特徴とメリット・デメリットを解説

自然素材の壁にしたい!珪藻土の特徴とメリット・デメリットを解説

2000年代以降シックハウス症候群などの問題が表面化したことにより、住宅には健康的な建材を使用したいというニーズが高まっています。
自然素材の壁として有名な「珪藻土」にはどのような特徴があるのでしょうか。
メリットやデメリットも合わせて解説します。

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自然素材の壁「珪藻土」の特徴

自然素材の壁「珪藻土」の特徴

「珪藻」とは、水中に生息するプランクトンの一種。
珪藻の死骸が長い年月をかけて海底や湖の底、川底などに堆積して化石化し、粘土状の泥土となったものが「珪藻土」です。

珪藻土の特徴

珪藻土は無数の小さな穴がある多孔質素材です。
その穴の直径は2~50nm(ナノメートル)で、穴の数は木炭の約5,000倍といわれています。(1nm=10億分の1m)
この無数の穴が空気中の水分を吸着・放出するため、調湿機能に優れているのです。
最近では、その吸水性・調湿性に着目してバスマットなどにも活用されています。
また、多孔質素材は空気の層を作るため、耐火性や断熱性にも優れています。
見た目や肌触りはざらざらとしており、ツルッとしたビニールクロスやすべすべの漆喰壁とは質感も異なります。

漆喰との違い

同じ自然素材として有名な漆喰は、サンゴ礁をルーツとした消石灰を主原料とする壁材です。
つなぎを必要とする珪藻土とは異なり、それ自体が固まる性質を持っています。
珪藻土と同じように調湿効果があり、耐火性・耐久性だけでなく防水性にも優れているため、内壁材だけでなく外壁材としても活用されてきました。
珪藻土は吸水性が高いため外壁材としては不向きですが、調湿性は漆喰よりも高いといわれており、どちらかといえば内壁向きの壁材です。

自然素材の壁「珪藻土」を使うメリット

自然素材の壁「珪藻土」を使うメリット

内壁材として珪藻土を使うメリットをご紹介します。

調湿性に優れている

珪藻土にある無数の穴には、空気中の水分を吸着したり放出したりする調湿効果があります。
人間が快適と感じる40~60%の湿度を自動で保ち、その効果は半永久的といわれています。
結露やカビ、ダニの発生も抑えることができ、1年中気持ちの良い湿度で過ごすことができます。
商品にもよりますが、なかには調湿効果が一般的な漆喰の3倍というものもあります。

脱臭・消臭効果がある

部屋の嫌なにおいの原因は、有害物質が空気中の水分子(湿気)に溶けることです。
珪藻土の壁は調湿性に優れており、空気中の水分量を調節してくれるため、そもそもにおいを感じることが少なくなります。
珪藻土は水蒸気と相性が良いため、アンモニアなど水溶性のにおいに対しては消臭効果が高くなります。
一方、生ゴミ臭、体臭や汗のにおい、油のにおいなど脂溶性のにおいにはあまり効果を発揮しません。
しかし、つなぎ素材として空気清浄機のフィルターなどにも使われるゼオライトと呼ばれる天然の鉱物(珪藻土よりもさらに細かい穴を持つ多孔質素材)を混ぜ、油のにおいも吸着しやすくしている商品もあります。

断熱性が高い

多孔質素材で空気の層をたくさん含む珪藻土の壁は、それ自体が優れた断熱性能を持ち、室内の気温が外気温に影響されにくいです。
複層ガラスや樹脂窓などの窓断熱と組み合わせることで冷暖房効率が良くなり、省エネ性能の高い住宅になります。

耐火性が高い

珪藻土の融点は約1,250℃で、もともとは七輪やコンロ、耐火耐熱レンガの材料として利用されていた素材です。
七輪は、中で炭が赤々と燃えていても持つことができるほどの断熱性能。
そのため、万が一火災が起こっても火が燃え広がりにくいというメリットがあります。

有害物質を吸着する

珪藻土はシックハウス症候群などの心配が少ない自然素材です。
調湿性に優れていることで、ホルムアルデヒドなどの有害物質も吸着してくれます。

色の選択肢が多い

珪藻土では顔料(着色料)を混ぜることで色を出すことができるため、カラーバリエーションが豊富です。
部屋によって色を変えたり、一面だけアクセントカラーをつけることもできます。

電気を帯電しない

珪藻土は静電気を帯電しないため、ビニールクロスのようにホコリを吸い寄せるということがありません。
模様の凸凹に溜まったホコリも、はたきなどで優しく撫でるだけで綺麗になります。

独特の手触り

珪藻土の壁は多孔質素材であることから、ざらざらとしており、陰影の強い独特の雰囲気があります。

自然素材の壁「珪藻土」を使うデメリット

自然素材の壁「珪藻土」を使うデメリット

珪藻土にはメリットだけでなくデメリットもあります。
検討するにあたっては、デメリットもしっかり確認しておきましょう。

費用が高い

塗り壁全般に言えることではありますが、ビニールクロスと比較すると、3~5倍の費用がかかるといわれています。
これは、珪藻土という材料自体が高価なためではありません。
施工に手間暇がかかるためで、養生をして下地を塗り、乾燥させ仕上げを塗るという工程分の費用となります。
金銭的な面だけで見るとデメリットに感じるかもしれませんが、逆に言えばそれだけ大切な家に手間隙をかけてあるということです。
ビニールクロスのように5~10年おきに貼り替える必要がなく、見た目も美しく、機能性も高い壁であることを考慮すると、その価値はあると言えるでしょう。
最近では、あらかじめ水で練った状態で販売されている珪藻土も販売されており、DIYに挑戦する方もいるようです。

粉が落ちやすい、ボロボロと壊れやすい

珪藻土の壁はざらざらとした質感が特徴ですが、強くこすると摩擦によって粒子が落ちてしまいます。
お手入れの際は、壁にたまったホコリは「ほうき」や「はたき」などで軽くなでるように落としましょう。
また、ビニールクロスの上に塗っただけのリフォームでは、下地やつなぎが不十分でボロボロと剥がれてしまうこともあるようです。

つなぎ素材によっては性能が落ちる

珪藻土と漆喰の大きな違いは、珪藻土単体では固まらないということです。
そのため、珪藻土は凝固剤(セメント、石膏、合成樹脂など)を混ぜて施工します。
ただし混ぜる凝固剤に注意してください。
凝固剤には大きく分けて自然素材と合成樹脂があり、合成樹脂をつなぎ材として多く使うと調湿効果や脱臭効果を落としてしまいます。
調湿建材と言われる珪藻土の性能値のJIS企画は吸放湿量70g/㎡となっていますので、商品を選ぶ際にはJIS企画を満たしているかどうかを参考にすると良いでしょう。

ひびが入りやすい

珪藻土本来の調湿性能を高めるために凝固剤を少なくすると、今度は固まりにくくなってしまい、ひびが入りやすくなってしまいます。
また、塗り壁全般に言えることですが、地震や道路からの振動で建物が揺れるとひびが発生する可能性もあります。
施工時の下地のズレや水分不足によるものもあるため、左官職人の腕にも依存します。
軽いひび割れてあれば、自分で補修することも可能です。
珪藻土は吸水性の高い素材のため、霧吹きで水をかけた部分を数分間放置すると周囲の壁が水分を含んで柔らかくなります。
ひび割れ部分の柔らかくなった壁をスポンジなどでなぞると、簡単にひび割れを補修することができます。
また、ひび割れの上から珪藻土をハケで塗るという方法もあります。

シミになりやすい

吸水性の高い素材であるため、コーヒーや醤油、赤ワインなどの液体をこぼすとシミになりやすい点は注意が必要です。
手垢や鉛筆の汚れなどは消しゴムで簡単に消すことができますが、水拭きをすると汚れと水が一緒に壁に吸収されてシミになってしまいますので注意しましょう。

仕上がりが左官職人の腕に左右される

珪藻土は含有量が多いほど固まりにくくなるため、漆喰よりもフラットな仕上がりにすることが難しい素材です。
技術のある職人でも漆喰ほどフラットに仕上げるのは難しいといわれており、職人の腕が重要になってきます。

まとめ

珪藻土の特徴やメリット・デメリットをご説明しました。
最近では、あらかじめ水で練った状態で販売されている珪藻土もあるため、施工動画などを参考にDIYに挑戦する方もいるようです。
自然素材の壁に興味がある方は、優れた性能を持つ珪藻土を検討してみてはいかがでしょうか?

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