こだわりの注文住宅を建てるとき、環境と人に優しい自然素材はとても魅力的です。
自然素材のなかでも、世界中で古くから使われてきた漆喰(しっくい)は、現在の住宅にもぴったりの素材です。
ここでは漆喰の特徴と、そのメリットとデメリットをご紹介いたします。
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弊社へのお問い合わせはこちら注文住宅で採用される自然素材「漆喰」の特徴
もともとは約5,000年前、エジプトにあるピラミッドの壁に漆喰が使われたのが最初だと言われています。
日本では飛鳥時代の古墳にも使われ、美しい白の外観から「白鷺城」と呼ばれる姫路城をはじめとして、多くの城郭でも漆喰が採用されていました。
漆喰の作り方
漆喰は石灰からできていて、古くは珊瑚礁を原料としていた自然素材です。
石灰岩を高い温度で焼くと、生石灰と呼ばれるものができあがります。
その生石灰に水を加えると、高熱となり消石灰となります。
この生石灰が消石灰に変わるときに、粒子同士がくっつき、ひとつの塊となるのです。
そのときに壁の繊維に塗っておくと、つなぎもなく壁に密着させることができるのです。
漆喰と並んでよく壁材として使われる珪藻土は、それだけでは壁にくっつかず、つなぎの役割をする成分が必要となるので、つなぎも不要であるというのも石灰の特徴の1つです。
漆喰独自の特徴
漆喰はその耐久性の高さから、世界中のさまざまな場所で使われてきました。
その用途は建築だけにとどまらず、レオナルドダヴィンチの「最後の晩餐」の下地にも使われているほどです。
日本では高松塚古墳の中にある有名な壁画も漆喰の上に描かれています。
漆喰の独特な深い白色が長く続くことが想像できるでしょう。
また、なぜ漆喰はこのように魅力的に白く輝くのでしょうか。
その答えは、光の乱反射によるものです。
漆喰はひし形の結晶の集まりなので、外側、もしくは窓から入った太陽の光がその結晶にあたり、さまざまな方向に反射するために、自然素材ならではの不思議な輝きを放つのです。
注文住宅で自然素材「漆喰」を選ぶメリット
現在、日本の住宅で壁によく使われるのは安価なビニールクロスの壁紙です。
しかし注文住宅だからこそできる、漆喰を選ぶメリットについてご説明します。
きれいな見た目を維持できる
漆喰は城郭の外壁に使われていてもなお白さを保ち続けています。
そこからも、漆喰の耐久性は想像できるとおり、漆喰はさまざまな状況下でも痛みが少なく、汚れにくい性質があります。
一般的な住宅でよく壁に使われているビニールクロスでは、およそ10年ごとに貼り替えが必要ですが、漆喰の耐久年数はおよそ100年とも言われているほど劣化しにくい素材です。
さらに漆喰の原料である消石灰は静電気を溜め込まない性質があるため、ホコリや汚れもつきにくいです。
さらに、壁が汚れてしまった場合でも、小さな汚れであれば消しゴムでこするだけできれいに消えることもありますし、少し壁を削るか、上から漆喰を重ねることによってお手入れ可能です。
デザイン性が高い
古くから西洋でも日本でも使われてきたとおり、洋風でも和風でも合う魅力が漆喰にはあります。
漆喰の仕上げ塗りの方法によって雰囲気も異なるため、お好みの仕上げでこだわりのデザインを選ぶこともできます。
漆喰風の壁紙なども多数販売されていることからも、漆喰に憧れを持つ人が多いことがわかります。
火災にも強い
お城の壁や土蔵でも昔から漆喰が使われていた理由の1つは、火にも強いことです。
現在、建築基準法でも漆喰は不燃素材として指定されており、防火性に優れています。
もし家で火災が起きてしまったとしても、化学素材のビニールクロスなどと違い、漆喰から有毒ガスが発生する心配はほとんどありません。
自然に湿度調整ができる
漆喰のことを「呼吸する壁」と呼ぶこともあるくらい、壁自身が調湿してくれるのです。
漆喰には多孔質という表面に小さな穴がたくさん開いている性質があり、それによって湿度の高いときは空気中の湿気を吸い取って、乾燥しているときは湿気を出してくれます。
この性質により、部屋の中を一年中快適な湿度に近づけてくれるというメリットがあります。
抗菌作用がある
先ほどもお伝えしたとおり、漆喰は石鹸よりも強いアルカリ性を持っています。
強すぎて危ないのでは、と心配になるかもしれませんが、漆喰を壁に塗って1か月後のアルカリ性の数値は石鹸とほぼ同じくらいに落ち着きますので、人体に害はありません。
室内の化学物質などからの空気汚染により引き起こされるシックハウス症候群が近年問題になっていますが、この一因となる原因物質はホルムアルデヒドというものです。
漆喰はホルムアルデヒドを分解する特徴がありますので、このような化学物質に敏感なかたにはとくに漆喰の抗菌作用が良く働くことでしょう。
また、調湿作用があるためカビやダニが発生しにくいということから、カビやダニを原因としたアレルギー対策としても効果が期待できます。
におい消しの作用もある
抗菌作用と同じように、漆喰の表面にある小さな穴の中で、賛成の嫌なにおいをアルカリ性が中和してくれるのです。
生活の中でよく感じる酸性の嫌なにおいというと、汗などの体臭、ペットのにおい、排水溝や生ゴミなどです。
これらの悪臭には特に漆喰のアルカリ性が効果を発揮し、消臭作用を働かせてくれます。
残念ながらタバコのにおいやトイレのにおいなどはアルカリ性なので、同じアルカリ性の漆喰の中和効果はあまり期待できません。
しかし漆喰の壁は表面の細かい穴で空気を適度に出し入れしてくれるので、それによって室内の空気が循環し、においを軽減してくれるでしょう。
注文住宅で自然素材「漆喰」を選ぶデメリット
このように漆喰を採用することでたくさんのメリットがありますが、逆に漆喰を選ぶことのデメリットについてもお伝えしておきます。
初期費用が高額になる
漆喰に魅力を感じても、なかなか最終決定に至らないかたも多い理由はここでしょう。
漆喰は材料費が高くつくだけでなく、施工には腕の良い職人の手間と時間がかかります。
そのため、漆喰を施工するにはビニールクロスの壁紙と比べると5倍から7倍ほどの初期費用がかかると言われています。
ただし、ビニールクロスのきれいさを保つためには定期的な貼り替えが必要なのに対し、漆喰の壁は大掛かりなメンテナンスが必要ありません。
長期的なコストを考えるとむしろ漆喰の壁のほうが安くつくこともあります。
職人の技術が必要になる
漆喰を壁一面に塗り広げていく作業は、高い技術が必要です。
職人の技術によって仕上がりの美しさはもちろん、耐久性にも違いがでてしまいます。
また、なかには漆喰に化学物質を混ぜ込んでいて、自然素材とは言えない漆喰もあります。
そのような点も含めて、信頼して相談できる職人を選ぶことが必要となります。
白い粉が落ちてくる
漆喰は時間をかけてどんどん固まっていく自然素材です。
そのため、完全に固まりきる1年間ほどは白い粉が少し落ちてくることもあるでしょう。
クローゼットの中など、壁のすぐ近くで大切な洋服などを保管している場所には漆喰の壁は避けるなどすると安心です。
まれにひび割れることがある
漆喰を塗るときの下地の状態や、漆喰壁のある状況などさまざまな要因のために、まれに漆喰にひび割れが起きることがあります。
小さなひび割れであれば上から漆喰を塗り重ねることで補修できます。
また、地震の際にもひび割れが起きる危険性がありますが、これはビニールクロスの壁でも同様です。
まとめ
注文住宅を建てる際に気になる自然素材の漆喰についてご説明してきました。
漆喰は古くから愛される歴史ある素材で、現代の住宅でも採用するメリットがたくさんあります。
しかし漆喰は一般的なビニールクロスとは違った施工やメンテナンスが必要になりますので、デメリットも含めてご希望に合った素材であるかどうかを検討してみてください。
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