ずっとお子さんと住んでいた大事な家も、お子さんが独立すると「無駄な部屋ばかりになって掃除が大変になった」というお話を聞きます。
ほかにも「親の近くに住みたいから自宅を買い替えた」「隣の部屋に迷惑をかけたくないから、一戸建てに住み替えた」「職場の近くに住み替えた」などのお話しもあり、ライフスタイルや家族構成、職業等の変化で家に求めるものは変わっていくことがわかります。
今住んでいる家に、この先もずっと住み続けるとは限らないのです。
もしなにか事情があり、マイホームを売ってほかの物件を購入する「買い替え・住み替え」が必要になったとき、どのような手順を踏めばいいのでしょうか?そして注意点は?
今回はマイホームの住み替え全般についてまとめています。ぜひ参考にしてください。
マイホームを売却して新たな物件を購入する買い替え(住み替え)ですが、最初にマイホームを売却して新たな家を探す方法を「売り先行」、逆に新居を先に購入し引っ越しを終えた後でマイホームを売却する方法を「買い先行」と呼びます。
それぞれにメリットとデメリットがありますのでチェックしてみましょう。
最初に新居を確保し、引っ越しを終えてから以前住んでいたマイホームを売却するスタイルですが、メリットは「仮住まいの必要がない」「新居探しにじっくり時間をかけることができる」「マイホームの内覧会でストレスがない(すでに住んでいないため)」などがあげられます。
新居選びに重点を置きたい方、仮住まいを避けたい方は買い先行での住み替えがおすすめ。
ただ先に新居を購入するため十分な資金を持っていればいいのですが、それができないときは二重ローンで生活が圧迫されるリスクがあり、資金面でのやりくりの難しさがデメリットになります。
先に住んでいるマイホームを売却し、その資金を元にして新居を購入する方法を売り先行と呼びます。
最大のメリットはマイホームの売却による資金が手元にあるため、新居の購入がしやすいこと。
もちろん売却して得たお金でローンを完済させることもでき、売り先行は経済的なゆとりをもって新居を探したい方にピッタリです。
ただ新居を探すために仮住まいは避けられず、新居探しに時間がかかったり、新居がなかなか完成しないなどの理由で仮住まいが長引く、何度も引っ越しをするリスクも考えられます。
マイホームの売却と新居の購入を、同時進行でおこなうやり方もあります。
不動産売買にかかる期間を極力短くすることで仮住まいを避け、余計なコストをカットして最短で住み替えができるのがメリットです。
ただマイホームを引き渡し、同時に新居を購入するためには、登記関係の資料や書類をすべて揃えたうえで売買代金をスムーズに受けとり新居の費用に充てる調整が必要です。
このコントロールを個人が一人でおこなうことは難しいため、関係者の協力は不可欠。
不動産会社に間に入ってもらいうまく調整してもらう、アドバイスをもらうなどの方法でうまくコストカットしましょう。
マイホームのローンがまだ残っているのに売却しなければならない場合、二重ローンや住み替え(買い替え)ローンを活用する方法があります。
ただ二重ローンは金融機関での審査が厳しくなり、資金にゆとりのある方、年収が高額な方でなければ使えない傾向が。
そのため住み替え(買い替え)ローンを利用される方が多い傾向です。
ただ住み替えローンは同時に売りと買いの決済をしなければならないので、不動産会社や銀行の担当者などと相談しながらタイミングを調整してもらわなければなりません。
また、住み替え後のローン金額が住み替え前より増えるのはかなり危険です。
年齢が上がると定年まで働ける期間が短くなるため、ローン完済時期はもちろん毎月の返済金額も無理のない範囲におさめましょう。
結婚や出産、お子さんの進学、独立などのライフイベントを機に、自宅に求めるものはどんどん変わってきます。
これらライフイベントは事前に予測できるため「子供が小学生になるまでにマイホームを購入」「子供が独立したら平屋に住み替え」など予定が立てやすく、事前計画も可能です。
目標があれば計画も立てやすくなるので、ご夫婦や家族でよく相談しておくのがおすすめ。
築年数もマイホームの買い替えに影響してきます。
一戸建て住宅は建築後、3・5・10・15・20・30年を節目に価格が落ちる傾向にあります。
築浅物件であればあるほど高く売却できるため、マイホームをできるだけ高く売りたいなら早めに売却してしまうのがベスト。
もちろんライフイベントとの関連もあるためマイホームをいつでも売ってしまえるわけではありませんが、築年数が売却金額に影響することは覚えておいてください。
マイホームの住み替えを決断した方のなかで、もっとも多い理由をご存じですか?それは「もっと広い家に住みたいから」です。
お子さんの誕生により子供部屋を用意してあげるため、家族がゆったり過ごせるように広いリビングのある家など、家族構成の変化により広い家に買い替える方が多くなっています。
買い替えのタイミングはお子さんが小学生にあがる前、というケースも多いです。
小学生になる前に引っ越ししていれば入学後に転校する必要がなく、お子さんに余計なストレスを与えずにすむ、という理由には納得。
結婚や出産は家族構成が変わる重要なライフイベントなので、これを機に住み替えを考える方はとても多いです。
自宅が老朽化し「もっと新しい家に住みたい」という理由から買い替えを検討する方もいます。
老朽化した家はリフォームにもお金がかかりますし、耐震性を上げようと思えば基礎から大掛かりなリフォームが必要になることも。
リフォーム自体にお金がかかるので、ならばいっそ新築や築浅住宅に買い替えるという発想はありです。
古い家を売却して耐震性に優れ、設備の新しい新居に住み替える方が、ご家族も安心して過ごせますね。
最初は経済的負担の少ない中古住宅を購入し、その後、希望するエリアに新築住宅を建てるというケースもあります。
ただローンの問題もあるので、買い替える時期は事前にしっかり考えておく方がよさそうです。
日常の足が車ではなく電車やバスであれば、駅やバス停に近い一戸建てに住み替えるとなにかと便利です。
とくにお子さんが独立した中高年のご夫婦の場合もう広い自宅は必要なく、住居はコンパクトでも交通の便の良い新居に住み替えたい需要があります。
また利便性だけではなく「子供の近くに住みたいから」と家族の近くに住み替える例も。
「自宅は広い方がいい」と考える若いご家族がいる反面、お子さんが独立するとコンパクトでも交通の便がよい一戸建てに住み替える中高年夫婦も少なくありません。
マイホームの購入は人生でそう何度も経験するものではないため、ライフイベントや家族構成の変化、自宅の老朽化などで自宅の住み替えを検討するときは「大丈夫かな?」と不安になってしまいますね。
住み替えには買い先行や売り先行、同時進行など新居を先に探すか、それとも今住んでいるマイホームを先に売却するかなど、ある程度流れを決めておくとスムーズです。
ローンについてもわかりにくいことばかりですが、不動産会社の営業担当者に相談すると、条件に合った物件探しのお手伝いやアドバイスがもらえます。
「初めての買い替えで右も左もわからない…」と言う方は、まず複数の不動産会社に問い合わせ、信頼できそうな担当者を探して物件探しなどをお願いしてみましょう。