家やマンションなどの不動産の売却を考えているけれども、「古くてボロボロで売れるかどうか心配」という方はいらっしゃいませんか?
「リフォームしてきれいにしたほうが高く売れるのでは・・・」と考えている方もいるかもしれませんね。
それでは実際に不動産を売却するときに、リフォームすると本当に高く売れるのでしょうか?
この記事では、不動産を売却するときに、リフォームやクリーニングが必要なのかを詳しく解説します。
不動産を売却するときには、家全体をできるだけリフォームをしてきれいにしたほうが高く売れると考える方も多いかと思いますが、実はそうではありません。
一般的に、不動産を売却するときにリフォームは不要と考えられていますが、その理由を3つ紹介します。
<リフォームが不要な理由①リフォーム価格を上乗せできない>
リフォームをすると、内容にもよりますが高額なリフォーム費用が発生します。
中古の不動産で不具合が出ているとすれば、使用頻度が高く劣化が激しいトイレや風呂場、キッチンなどの水回りなどの場合が多いでしょう。
確かに水回りがリフォームされてきれいになると、資産価値が上がるような気がします。
しかし実際にリフォームにかけた費用を販売価格に転嫁して高く売れるかというと、なかなかそうはいきません。
たとえばリフォーム済みの家とリフォームされていない家が同じ価格で販売されていれば、リフォーム済み物件のほうが買主には魅力的に映りますが、「リフォームされた家が価格が高い」となると話は別です。
どちらも同じ中古物件である以上、価格が高くなってしまうと売れにくくなってしまうでしょう。
いつまでも売れ残り、結局価格を下げてしまうようなことになった場合には、リフォーム費用を回収できない可能性もあるのです。
<リフォームが不要な理由②買主候補が減る>
不動産を売却するときにリフォームが不要な2つ目の理由は、リフォームの内容が買い手のニーズに合うかどうか分からないためです。
売却を考えている不動産を購入する相手が分からないのにリフォームしてしまった場合、自分ではきれいに仕上がったと思っても、それを買主候補が気に入るかどうかは分かりません。
モダンで豪華なお部屋にリフォームしたつもりでも、ナチュラルでシンプルな部屋を探している買主には見向きもされなくなってしまいます。
また中古物件を探している人の多くは、自分でリフォームやリノベーションを考えているケースがほとんどです。
できるだけ安く物件を購入し、自分たちの好きなように内装を作り変えようと思っている人たちにも、リフォームされて値段が上がった中古物件は候補に入れてもらえないでしょう。
つまりリフォームをしてしまうと、そのリフォームを気に入った人にしか興味を持ってもらえなくなり、買主候補が少なくなってしまう可能性があるのです。
<リフォームが不要な理由③不動産は築年数で価格が決まる>
中古の不動産にリフォームが不要な3つ目の理由としては、不動産は築年数で価格が決まってしまうことが挙げられます。
たとえば築7年しか経っていないけれどもボロボロの家と、築30年経ったけれどもリフォームされてきれいな家では、築7年の家の方が価値があるということになります。
これは固定資産税が年々下がってくることからも分かるように、日本では家は古くなればなるほど資産価値が落ちると考えられているからです。
そのため築年数が古いのであれば、多少リフォームで内装をきれいにしたところで、その価値を認めて高く購入してくれる人はほとんどいないでしょう。
家をきれいにするには、リフォームのほかにリノベーションやクリーニングもありますが、この3つにどのような違いがあるのかも確認しておきましょう。
<リフォーム>
リフォームは、傷んだ部分を「元の状態に戻す」こと、つまりマイナスをゼロの状態に戻すことをいいます。
リフォームには、「メンテナンスリフォーム」と「デザインリフォーム」の2種類があります。
たとえば水漏れしていたトイレを水漏れしないように修理する、穴があいてしまっていた襖を貼り替えるなどは、メンテナンスリフォームにあたります。
一方今あるシステムキッチンを見た目が悪いから新しいものに入れ換えるような工事や、汚れた壁紙を貼り替えるなどは、見た目をよくするという意味で、デザインリフォームに該当します。
不動産を売却するときには、基本的には大がかりなデザインリフォームは不要ですが、買主に好印象を与えるための簡易なメンテナンスリフォームなら検討してもよいでしょう。
<リノベーション>
一方リノベーションは、「元に戻す」リフォームとは違い、「今の状態よりもよい状態」にして、付加価値をつけることを指します。
たとえばキッチンであれば、今のキッチンをそっくりそのまま入れ換えるリフォームとは違い、「食洗機がついている」などより高機能なものに入れ換えるのがリノベーションです。
中古物件を購入する人は、内装を全部取り払って構造のみにして、壁材や床からすべてを自分たちの好きなように新しく作り直すフルリノベーションを考えている人も多くいます。
そのため中古物件を売却する前に、リフォームやリノベーションをすることは、避けた方がよいのです。
<クリーニング>
クリーニングはリフォームやリノベーションとは違い、内覧時のイメージをよくするために現状のままきれいに掃除をすることをいいます。
クリーニングはリフォームやリノベーションとは違い、自分ですれば費用はかからず、またハウスクリーニングを頼んだとしてもコストを抑えられるため、中古不動産を売却するときには効果があるでしょう。
それではここからは、不動産売却時におすすめの簡易リフォームとクリーニングはどのような内容かを紹介します。
<おすすめの簡易リフォーム>
不動産売却時には、基本的にはリフォームは不要ですが、内覧時にあまりに印象が悪いと買い手がつかなくなってしまうため、簡易なリフォームは選択肢の一つとなるでしょう。
たとえばドアが傾いて開閉がスムーズにできない、襖が破れて穴があいているような場合には、リフォームしておいた方が買主候補の印象はよいでしょう。
ほかにも水道からポタポタ水が漏れているのを修繕するなど、メンテナンス目的の簡易なリフォームは、高額にならない範囲で行っておくとベターです。
<おすすめのクリーニング>
不動産売却時には、クリーニングは積極的に行いましょう。
たとえ買主候補がリフォームやリノベーションを考えているとしても、やはり内覧したときに受ける印象は大切です。
とくに水回りは汚れや傷みが顕著に表れみすぼらしく見えるため、蛇口やシンクは可能な限りピカピカに磨いておくのがおすすめです。
また売却にそなえてハウスクリーニングを入れることを検討してもよいでしょう。
汚れが目につく水回りだけなどに範囲を絞って依頼すれば数万円で済むため、自分たちでできないようなら、専門業者への依頼を考えてみてください。
中古不動産を購入する人は、自分たちの好みでリフォームやリノベーションをしたい人が多いため、基本的に売主側がリフォームをする必要はありません。
リフォームにお金をかけても高く売れるとは限らず、リフォーム費用が回収できない可能性もあります。
不動産を売却するときには、買主に好印象を与える程度の最低限のメンテナンスとクリーニングを行うことがおすすめですよ。