高層ビル、ビジネス、タワーマンション…港区に対して、このような華やかなイメージを持つ方も多いかもしれません。
イメージのとおり、港区民の平均年収は1,000万円を超えていて、23区内で最も高い数値となっています。
区民には経営者も多く、ビジネスの中心の場所であり、国内外から人の集まる場所ともいえるでしょう。
そこで今回は、港区の概要と人口にまつわる歴史と、統計データによる数字をご紹介します。
港区や23区内にお住まいの方はお気づきかもしれませんが、港区の人口は年々増加しており、ここ十数年の間、常に最多人数を更新していることをご存じですか?
まずは港区の人口推移の歴史、港区の特徴についてご紹介します。
<港区の人口推移>
令和2年(2020年)現在、港区の総人口は約26万人となり、昭和29年(1954年)の統計開始以降、最も多い人口となっています。
港区のおおまかな人口推移としては、昭和29年(1954年)の統計開始時は約24.9万人、その後増減を繰り返し、1964年(昭和39年)ごろから人口の減少がはじまりました。
1979年(昭和54年)には20万人を割り、数年間で若干の微増はあったものの、1984年から人口は減少し続け、1996年には約14.9万人となりました。(これは統計開始以降最も人口が少なくなった年でもあります。)
しかし1996年以降は、数千人から1万人近くの増加が続き、2012年から2013年の間には約2.3万人増加し、今に至っています。
<港区の人口が増加している理由>
港区の人口が増加している理由にはいくつかありますが、都市が発展する要素である「人やお金」、「情報」、「モノ」が揃っていることから、多くの人が集まることが考えられます。
特に、子育て世代、若いファミリー層が増加傾向にあります。
出生率に関しても急上昇しており、2016年には1.45という数値を記録しています。
これは23区内でもかなり上位の数値となっています。(2016年時点では第1位)
23区内で出生率が高いのは、港区の他に中央区や千代田区で、東京都心部では日本全国の平均と同程度でした。
さらに、港区は他の自治体と比較して、財政事情が豊かであることから、出産費用の助成や子育て支援、区民のための福祉が充実していることも、人口増加の要因になっているともいわれています。
<港区はどのような人が住んでいるのか>
2020年5月現在の情報では、0歳~4歳の乳幼児が増加傾向にあり、23区内でも特に多い比率といえるでしょう。
最も人口が多い世代は、40歳~44歳、45歳~49歳の約2.5万人であり、港区の約10%を占めています。
また、港区には大使館があるので、海外の方も多く暮らしています。
平成21年(2009年)には約2.2万人と最も多くなりましたが、それ以降は減少傾向にあり、平成23年(2011年)3月の東日本大震災、平成24年(2012年)の改正住民基本台帳法の施行の影響もあってか、大幅に減少しました。
国籍別で見ると、韓国、中国の方の人口は増加傾向にあり、2013年には最も比率の高かった米国を抜き、韓国国籍の方が最も多くなっています。
人が増えると犯罪も増えるというのが自然な考えかもしれませんが、港区での安全・安心を確保するために、犯罪発生率を減少させるさまざまな計画を推進していました。
つづいては、港区の犯罪発生状況の推移と、港区の安全・安心を確保するための計画についてご紹介します。
<港区の犯罪発生状況の推移>
区内の刑法犯認知件数(犯罪)は、平成15年(2003年)の、10,189件をピークに減少が続いており、平成28年(2016年)には4,428件と、犯罪発生状況は大幅に減少しています。
犯罪の数が減った理由として、平成18年(2006年)に策定された、港区生活安全行動計画により、警察や区民の協力のもと、犯罪の発生を未然に防ぐ活動による、努力の賜物といえるでしょう。
また、以前より区民には、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う、治安の不安感といったものがありました。
オリンピック招致により多くの人が集まることから、犯罪被害の増加や治安悪化が懸念されていましたが、こちらについても対策が行われており、犯罪発生率減少のための取り組みが行われています。
<平成18年(2006年)に策定された港区生活安全行動計画とは>
港区では、区民の安全・安心の確保を区政における最重要課題としています。
この課題をもとに、平成18年(2006年)に、港区生活安全行動計画が策定され、犯罪だけではなく、火災の防止、マナー違反、環境改善に取り組み、快適に過ごせるまちづくりを進めていました。
区内の犯罪発生状況は減少傾向にあったものの、子ども・女性への不審な声かけ、高齢者を狙った詐欺などは増加しています。
これに伴い、港区民、港区を訪れるすべての人に対して、安全で安心できる港区にするため、平成30年(2018年)、港区生活安全行動計画が見直されることになりました。
<今まで以上の安心を!港区生活安全行動計画の改定>
2020年開催予定であった東京オリンピック・パラリンピックは延期となりましたが、多様な区民が安全に生活するために、港区生活安全行動計画の改定が行われました。
この計画の改定にあたって、取り組むべき3つの課題が設けられています。
課題1:子ども、女性の安全安心を確保する
課題2:高齢者、障がい者の安全・安心を確保する
課題3:東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会及びその先を見据えた安全・安心を確保する
さらに、これら3つの課題について施策を効果的に推進するために、3つの取り組みの手法が設定されました。
・区民の生活安全に関する意識、知識の向上「ひとづくり」
・生活安全に関するネットワークの強化「ネットワークづくり」
・犯罪が起きにくい環境づくりの推進「まちづくり」
区民ひとりひとりが、防犯に対する正しい意識を持ち、自らの身は自らで守る考えを持ち、安全意識の向上を行います。
そして、区民と警察署などの関係機関と連携しながら、犯罪が起きないような街づくり(防犯カメラ設置、客引き行為防止など)に取り組み、効果的かつ効率的に、犯罪防止が進められていくでしょう。
テレビをつけると、ニュースやドラマ、バラエティ番組が放送されていますよね。
それらの番組を制作する民間放送局の多くは、港区に集まっていることをご存じですか?
最後に、全国ネットの民間放送局が港区にある理由ついてご紹介します。
<港区にある主要民放(民間放送局)>
・TBS
・日本テレビ
・テレビ朝日
・フジテレビ
・テレビ東京
これらのテレビ局は、すべて港区に本社を置いています。
テレビに映し出される、港区から見える夜景やレインボーブリッジなどは、テレビ局から撮影していることも多いでしょう。
お天気コーナーや、テレビ番組での生放送において、テレビ局の近くから中継している時、「港区から中継」といった言葉を聞いたことがあるかもしれません。
ちなみに、NHK(日本放送協会)は、開局当初港区にありましたが、現在は渋谷区に移転しています。
またテレビ局以外にも、ラジオ局の本社や地方の支社も多く、テレビ・ラジオの発信の場ともいえますね。
<なぜ港区には民放テレビ局本社が多いのか?>
港区に民放テレビ局本社が多い理由のひとつに、テレビ放送の電波を送信する電波塔が、港区内にあったからといわれています。
現在は、平成24年(2012年)に開業した、墨田区の東京スカイツリーが電波塔となっていますが、今も本社は港区のままです。
諸説ありますが、この情報が有力といわれ、一説として港区webサイトにも記載されています。
<港区エリアの観光はテレビ局めぐり・放送博物館も楽しめる>
テレビ局は、テレビ番組の収録だけではなく、一般の方向けに社内見学ができるようになっていたり、お土産ショップがあったりと、観光のひとつとして楽しめます。
修学旅行で訪れる場所に指定されていることもあり、子どもも大人も楽しむことができるでしょう。
また、放送のはじまり、オリンピックや紅白歌合戦、歴代大河ドラマ、朝の連続テレビ小説など、NHKの歴史の展示などが楽しめる、NHK放送博物館もおすすめです。
家族や友人などが都内や港区に訪れた際には、観光スポットのひとつとして案内すると喜ばれるかもしれません。
港区は、多くの人のイメージどおり、活気があり華やかであるといったことが、統計データや年収などの数字から読み取ることができました。
さらに、ただ華やかなだけではなく、犯罪発生件数も減少傾向にあるうえに、子育てのしやすい環境で乳幼児が増えているといったデータもあるので、だれにとっても住みやすい街と言えるのではないでしょうか?
訪れるのもよし、子育てするのもよしな魅力いっぱいの港区での暮らしを検討してみてはいかがでしょうか?