港区といえば、たくさんの高層ビルやビジネスの中心としてイメージする方も多いでしょう。
今この時も進化を続けている港区は、東京23区内でも特に土地の評価が高いことで知られています。
ではなぜ、港区は他の地域よりも土地の評価が上昇し続けているのでしょうか?
今回は港区の土地の評価と、港区の進化についてご紹介します。
日本のなかで特に公示地価が上昇しているエリアが、港区です。
中央区や千代田区が2~3%の上昇と伸び悩む時期でも、5.3%の上昇率を見せた港区は、安定して高い水準での変動を見せていました。
まずは、港区の公示地価の概要についてご紹介します。
<公示地価とは>
公示地価とは、全国の標準値の土地価格を一般公開することを指します。
これは国土交通省が毎年3月に発表するもので、その年の1月1日時点での土地価格です。
公示価格は、土地の売買や相続税・固定資産税の評価の目安になったり、金融機関の担保評価、企業が保有する土地の時価評価の基準になったりと、あらゆる土地の評価・指標として利用されています。
2020年(令和2年)の港区の公示価格は、1平方メートルあたり平均404万7926円、坪単価1,338万1,576円。
変動率は、+8.67%と公示価格、変動率ともに日本全国の市町村と比較しても、非常に高い水準となっています。
<公示地価上昇で影響すること>
公示地価が上昇すると、メリットを感じる人とそうではない人に分かれます。
不動産を売る会社や人にとっては、土地の価格が上昇するにつれて、売却する時の利益が大きくなるため、大きなメリットを感じるでしょう。
また、土地の価格が上昇すればそのぶん固定資産税や相続税が増えるので、国や自治体としてはメリットとなりますが、地主にとってはすべてがよい影響とはいえません。
土地の相続が発生する際には、公示地価が高いほど相続税が大きくな負担となるため、ただ土地を持っているだけの人にとっては、デメリットともいえるでしょう。
<港区は人口が増加している>
港区のwebサイト情報によると、港区の総人口は2020年1月1日時点で約26万人です。
これは1954年以降の統計のなかで最も高い数値となり、年々人口が増加しています。
2012年は約20.8万人、2013年は約23.1万人と急激な増加を見せている年もあり、この頃から人口は右肩上がりとなっているようです。
また、世帯数も増加していることから、ファミリー世帯よりも個人世帯、一人暮らしの世帯が増加しているともいえるでしょう。
都心周辺における住みたい街ランキングでは、常に上位に入る港区。
港区といえば、白金や麻布十番といった高級住宅街があり、都心で余裕を持った暮らしをしたい方にとって大きなメリットを感じられるでしょう。
なぜ港区に憧れを持ち、住みたいと思うのでしょうか?その理由を解説します。
<都市が発展する要素をすべて兼ね備えていること>
都市が発展する要素には4つあるといわれており、それはヒト・モノ・カネ・情報です。
この4つの要素を兼ね備えているのが高層ビルであり、港区を象徴するものといえるでしょう。
港区の高層ビルは、東京23区内でも非常に多く、高さ150m以上の超高層ビルは49棟と日本で最も多い数です。
また、港区には日本を代表する民間放送(民放)や大手企業などの本社も置かれています。
日本の情報通信業、放送業が集結していることもあり、特に大手企業にとって重要な土地であるといえるでしょう。
<子育てなど行政のサポートが充実していること>
港区は大手企業だけではなく、個人に対するサポートが充実していることも、人気の理由のひとつです。
特に子育てにおいては23区のなかでも充実していると評判で、出産前後のサポートが受けられます。
対象の保育施設に在園すれば、2人目の保育料が無料になったり、出産費用の一部を区が負担してくれたりと、子どもを産み育てる街として安心できるでしょう。
また、2019年4月時点で、待機児童が0になったこともファミリー世代にとって大きな魅力です。
これは、定員を設けていない保育施設の空きクラスを活用したり、保育コンシェルジュによる施設紹介やマッチングをしたりと、きめ細かな対応により実現しました。
他にも、育児サポート「子むすび」では、地域全体で子どもの成長をサポートする制度があり、子どもの預かりや送迎などが行われています。
<港区在住のステータスになること>
大手企業が集中することや、行政サポートが充実していることに加え、港区のステータスを求めている人も少なくありません。
港区のなかでも地域により異なりますが、交通の利便性の高さや、グルメスポット、商業施設が充実しています。
家賃や土地価格の高さは23区随一ですが、それ相応の住みやすさを手に入れることができるでしょう。
東京23区のなかでもビジネスの中心となる虎ノ門ヒルズは、2020年以降もグローバル化の前進が期待されています。
虎ノ門ヒルズがすべて完成された頃には、国内外からビジネスを目的として人が集結し、新たなビジネスが誕生していくことでしょう。
ここでは、虎ノ門ヒルズと森ビルのプロジェクトによる、港区の今後について解説します。
<虎ノ門ヒルズを構成する4つのビル>
森ビル株式会社が開発する虎ノ門ヒルズは、港区虎ノ門にある高層ビルと、その周辺に建設をしているビルを指します。
2014年に開業した虎ノ門ヒルズ 森タワーの周辺には、2020年開業のビジネスタワーの他に、2021年竣工予定のレジデンシャルタワー、2023年竣工予定のステーションタワーが建設中です。
ビジネスタワーは、地上36階、地下3階、高さ約183mの超高層ビルで、大規模インキュベーションセンター「ARCH(アーチ)」をはじめ、バスターミナル、飲食店などが入ります。
インキュベーションセンターでは、ミーティングルーム、コワーキングスペース、スクールルームなどが入り、ビジネスを中心とした動きが見られるでしょう。
<虎ノ門ヒルズの未来>
4つの超高層タワーがすべて完成すると、虎ノ門ヒルズの延床面積は80万平方メートルにまで拡大します。
約800個のレジデンス、約350室のホテル、約2万6,000平方メートルの商業店舗と、道路、鉄道の交通インフラが一体化し複合都市となるでしょう。
六本木ヒルズに匹敵するともいわれており、世界と都心をつなぐ森ビルの一大プロジェクトです。
4つの高層ビルすべてが完成すれば、港区は今以上の活気となり、グローバルな展開を見せてくれるでしょう。
<虎ノ門・麻布台プロジェクトにも注目>
虎ノ門ヒルズが形成される一方で、森ビルは「虎ノ門・麻布台プロジェクト」も進められています。
虎ノ門・麻布台プロジェクトは、1989年に街づくり協議会を設立して以降、森ビルが取り組んできた計画です。
このプロジェクトは外資系企業が多い、虎ノ門・六本木・赤坂エリアに位置し、グローバルビジネスセンター・アークヒルズ・六本木ヒルズに囲まれていることから、新たな国際新都市として大きな期待が寄せられています。
「緑に包まれ、人と人をつなぐ広場のような街」をコンセプトとし、オフィス、住宅、ホテル、商業施設、文化施設、インターナショナルスクールなどを集結させ、多様な都市機能を融合させた「ヒルズの未来形」となるでしょう。
港区は、日本の各大手企業とグローバルビジネスが幅広く展開されている地域でありながらも、子育ての支援も充実しており、23区内でも生活をしやすい環境があるといえます。
右肩上がりとなっている人口も、虎ノ門ヒルズの完成や森ビルの一大プロジェクトにより、海外からの転入者も増えていくでしょう。
より国際色が豊かになる港区は、あなた自身も、次の世代にもよい刺激とあるかもしれません。