不動産売却時に課せられる税金の一つが「住民税」です。
そこで今回は、不動産売却時の住民税について納税のタイミングや計算方法を解説します。
間違った手続きをしないように、ぜひ当記事を参考に理解を深めてください。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら不動産売却時に発生する「住民税」とは?基礎を理解しよう!
不動産売却時に発生する住民税について、基礎知識を解説していきます。
住民税とは
そもそも住民税とは、都道府県や市区町村に収める「都道府県民税」と「市区町村民税」を足した税金のことです。
会社員の方は給与から引かれているので、普段はあまり意識することのない税金かもしれません。
住民税の特徴とは
住民税の特徴とは、前年の所得に税率がかかることです。
翌年まで支払額が変わることはないので、勘違いしないように注意しましょう。
退職や転職を機に収入が減ったとしても、前年の所得が高ければ住民税の支払い額はすぐには下がりません。
不動産売却時に発生する住民税とは?
不動産売却時に支払うのは、「所得税」と「住民税」の2つです。
不動産売却時の利益に課税される
所得税と住民税のポイントは、「売却時の利益に課税される」という点です。
もし仮に、売却価格が購入価格を下回っている場合、利益は発生していないので課税義務はありません。
購入時より高く売れたときのみ、税金が発生すると覚えておきましょう。
住民税の金額は所得で決まる
納税額は、所得によって決定します。
所得が増えれば、そのぶん納税額も高くなるのです。
なお、個人の所得は「10種類」に分類されます。
1番なじみ深いのは「給与所得」で、会社員が会社からもらっている給与のことです。
ほかにも、「不動産所得」「山林所得」「一時所得」などがあり、不動産売却時の所得は「譲渡所得」に該当します。
申告をスムーズに進めるためにも、ぜひ覚えておきましょう。
「給与所得」と「譲渡所得」の申告が必須
不動産売却で利益を得た場合には、給与で毎月貰っている「給与所得」と、不動産売却で得た利益の「譲渡所得」を申告する必要があります。
この申告を「確定申告」といいます。
会社からもらっている「給与所得」がない場合にも、所得が発生した場合には確定申告が必要です。
不動産売却で発生する「住民税」の申告時期は?
不動産売却で利益を得たら、住民税を支払うために確定申告をおこないましょう。
ここからは、申告の時期についてご説明します。
確定申告の時期は?
確定申告の時期は「売却して利益を得た翌年の2月16日~3月15日まで」です。
2月16日や3月15日が土日祝日の場合は、翌平日が期日となります。
申告の時期を過ぎることがないよう、確定申告をおこなう年の1月になったらご自身の所得を計算しておくのがおすすめです。
申告する所得の範囲
申告する所得の範囲は「1月1日から12月31日」までに発生した所得です。
2月、3月に確定申告するからといって、確定申告する年の1月分を所得に含めないよう注意してください。
住民税を支払う時期とは
住民税を支払う時期は、不動産売却で利益を得た年の「翌年」です。
支払いまでに期間が空くので、「住民税が支払えない」といったことにならないように、資金は事前に用意しておきましょう。
細かい支払い時期については、「普通徴収」と「特別徴収」で異なります。
普通徴収の場合
普通徴収の場合は、6月、8月、10月、翌年の1月の4回に分けて住民税の納付書が送られてきます。
月末が納付期限となっているので、期限を過ぎないよう納付書が届いたら早めに納税しましょう。
特別徴収の場合
特別徴収の場合は、住民税が給与から差し引かれて納税されています。
納付書で納税するのが大変な方は、特別徴収を選択すると良いでしょう。
確実に納付できるので、期日を心配する必要がありません。
所得税の支払い時期
所得税の支払い時期も覚えておきましょう。
所得税の支払いは「不動産売却で利益を得た翌年の確定申告期間中」です。
つまり、2月16日から3月15日までの間に納税することになります。
住民税より所得税のほうが支払い時期が早いことを覚えておきましょう。
所得税の支払いが終わったことで、すべての納税が完了したと勘違いしないように注意しましょう。
振替納税が可能
所得税の振替納税を希望した場合には、4月ごろに銀行口座から引き落とされることになります。
ご自身に合った納税方法を選択して、確実に納税しましょう。
申告や納税を忘れた場合
不動産売却時の所得について申告や納税を忘れるとペナルティがあるため、結果的に損をしてしまうことになります。
無申告加算税
決められた時期を過ぎてから確定申告をおこなうと、「無申告加算税」が課せられます。
税率は「納付税額50万円までは15%、50万円を超える部分の金額に対しては20%」です。
申告時期を過ぎなければ支払う必要がないので、損をしないためにも期日はしっかり守りましょう。
延滞税
納付期限を過ぎると「延滞税」が発生します。
延滞税は延滞している日数に応じて発生するので、気づいたらすぐに納税しましょう。
不動産売却における「住民税」の計算方法とは?
最後に、不動産売却で発生する住民税の計算方法を解説します。
資金不足を避けるためにも、住民税がいくら発生するのかシミュレーションをしておきましょう。
住民税の計算式
住民税の計算式は下記のとおりです。
(売却額-購入額-諸費用)×税率
諸費用には、登記費用や測量費用、仲介手数料など売却時または購入時にかかった費用が含まれます。
税率は、売却した不動産の所有期間が5年以下なのか、5年を超えているのかで異なります。
●5年以下の短期譲渡所得の場合:住民税9%、所得税30%
●5年を超える長期譲渡所得の場合:住民税5%、所得税15%
ご自身のケースで計算式に数字を当てはめて、住民税の計算をしてみましょう。
住民税の計算シミュレーション
●2,500万円で購入した不動産を4,250万円で売却したケース(短期譲渡所得で諸費用は250万円)
(4,250万円-2,500万円-250万円)×9%=135万円
●2,500万円で購入した不動産を4,250万円で売却したケース(長期譲渡所得で諸費用は250万円)
(4,250万円-2,500万円-250万円)×5%=75万円
控除を受けることができるか
居住用の不動産を売却したのであれば、最大3,000万円の控除を受けることができます。
3,000万円控除の条件は、「売却した年から前々年のあいだにマイホームの買い換え特例を受けていない」ことが条件です。
3,000万円控除が適用されると、計算式は下記のように変わります。
(売却額-購入額-諸費用-3,000万円)×税率
3,000万円控除を利用すると、不動産売却後に税金を支払う必要がなくなるかもしれません。
3,000万円控除の条件を満たしているのか、売却が成立した際は一度確認してみてください。
売却時に住民税のシミュレーションをしよう!
上記でもご説明したとおり、住民税の支払いは売却手続きが完了した翌年以降になります。
そのため、住民税がいくら発生するのかシミュレーションをおこない、資金を用意しておく必要があります。
不動産売却で手に入れた売上金は、所得税と住民税の支払いが完了するまであまり使わずに残しておくことがおすすめです。
まとめ
不動産売却時に発生する住民税について解説しました。
申告や納税の時期を過ぎると、損をするリスクがありますのでタイミングを逃さないよう注意が必要です。
ご自身で「所得の計算」と「税額の計算」をして、申告と支払いの事前準備をしておきましょう。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら