東京都の中でも、高所得総数が全国一位である港区を含む城南エリアは、その住みやすさから富裕層に人気のあるエリアとして有名です。
白金、赤坂、青山、麻布などの超高級住宅地をはじめ、自由が丘や田園調布など古い歴史をもつ住宅地が点在する城南エリアは、なぜこれほどまでに富裕層に人気があるのでしょうか?
この記事では、東京4エリアの中でも富裕層に人気の城南エリアとはどんな地域なのか、その住みやすさの秘密をご紹介します。
23区に分かれている東京は、さらに江戸時代の城下町に由来する4つのエリアに分けられています。
そのうちの「城南エリア」とは、かつての江戸城、現在の皇居から見て南側に広がる一帯の地域のことです。
城南のほかにも、やはり江戸城から見たそれぞれの方角に、「城東」「城西」「城北」と3つのエリアがあり、皇居のある千代田区をのぞいた22区は以下のように分類されるのが一般的です。
それぞれのエリアにどの区が含まれているのか、特徴とあわせて確認しておきましょう。
<城東エリア>
城東エリアとは、中央区・墨田区・葛西区・台東区・江東区・江戸川区の6区を指します。
城東エリアは江戸の中心となっていた地域を多く含み、今では「下町」と呼ばれることが多いことが特徴です。
<城西エリア>
城西エリアとは、新宿区・渋谷区・杉並区・世田谷区・中野区・練馬区の6区のことです。
都庁がある新宿区を含む城西エリアは、現在は「副都心」として重要な役目を果たしています。
<城南エリア>
城南エリアとは、港区・品川区・目黒区・大田区の4区を指します。
城南エリアは、洗練された街並みが印象的で、その住みやすさから高級住宅地が多く富裕層に人気です。
<城北エリア>
城北エリアとは、文京区・豊島区・荒川区・足立区・北区・板橋区の6区を指します。
城北エリアは、庶民層が多い住宅地が大半を占めているのが特徴で、下町エリアとして人気があります。
この4区分は、とくに不動産業界においてはよく使用されるため、住むことを検討している区がどのエリアに属しているのか、またそのエリアにはどのような特徴があるのかを知っておくと、物件を探すときに役立ちます。
今回はこの4エリアの中から、富裕層に人気の「城南エリア」について、その人気の秘密を詳しく紹介します。
城南エリアはその住みやすさから富裕層に人気が高いといわれていますが、その理由を5つご紹介していきます。
<アクセスがよい>
城南エリアが富裕層に人気がある理由のひとつは、交通アクセスがよいことです。
城南エリアには、JR山手線や東海道本線、東急、そして都営地下鉄が走っているため、都心部、郊外どちらのエリアに移動するにも便利なことが特徴です。
たとえば自由が丘から渋谷に出るまでは、東急東横線であればわずか約8分。
また品川駅から東京駅までの移動も、東海道本線を利用して同じく約8分で移動可能な便利さです。
都心までならおおむね30分あれば出られるため、通勤や通学のアクセスがよく、快適な都会生活を楽しめることが城南エリアの住みやすさのポイントです。
<利便性が高い>
城南エリアには、自由が丘や代官山、下北沢、渋谷といった広い世代に人気のあるおしゃれなショッピングスポットが多くあることも、富裕層に人気の理由です。
多くの人が休日に買い物に出かける人気のエリアが「地元」にあり、気軽にショッピングが楽しめるというのは、城南エリアに住む大きな魅力といえます。
またこういった人気ショッピングスポットだけではなく、城南エリアはそれぞれの駅前もこじんまりとしたおしゃれな商店街が広がっていることも特徴です。
日常のお買い物も、羽を伸ばしたい時のショッピングも、地元で済ませられる利便性の高さは城南エリアの住みやすさを高めているといえるでしょう。
<緑に囲まれた環境>
城南エリアの住みやすさの3つ目のポイントは、都心へのアクセスがよいにもかかわらず、緑豊かな地域であることです。
城南エリアには駒沢公園や代々木公園、明治神宮など緑に覆われた広い敷地を有する施設があるだけではなく、ほかにも小さな公園や緑地が点在しています。
住宅地と緑地のバランスがよく、自然と調和した街並みなど住みやすさを意識した街づくりをしていることは、城南エリアが多くの富裕層に支持されている理由です。
<治安がよい>
城南エリアの中でも、商業地から外れた住宅街については、全体的に治安がよいことで知られています。
とくに古くから政治関係者や、企業の経営者といった財界人が多く住んでいる高級住宅地の周辺は、住宅のセキュリティがしっかりしているため犯罪発生件数が少ないことが特徴です。
城南エリアでも治安のよさを優先するなら、大きな駅から離れた住宅エリアを選んで住むことをおすすめします。
<資産価値が安定している>
城南エリアは、前述したとおり都心までのアクセスがよく、また利便性、住環境など住みやすさにおいて優れているため物件価格の高いエリアです。
富裕層が好んで住み、高級住宅街を形成していることがさらに資産価値を高めるという循環が続いているため、人気が安定して資産価値が下がりにくくなっています。
また城南エリアでは高輪ゲートウェイ駅が新設され、2027年には品川駅がリニアの始発駅となることも決まっていることから、周辺の資産価値は今後上昇を続けると考えられています。
こういった理由から、城南エリアは今後も富裕層の支持を受け続けていくでしょう。
自然災害の多い日本では、災害に対する強さも住むエリアを決めるときには重要なポイントになります。
住みやすさから富裕層に人気の城南エリアは、実は災害に対する強さにも人気の秘密があります。
城南エリアがなぜ災害に強いといわれているのか、理由を確認してみましょう。
<地盤が固く安定している>
城南エリアは東京湾に近いため、地盤が弱いと考えられていますが、実はそうではありません。
城南エリアのほとんどは、地震に対して強いといわれている「台地」の上にあるため、とくに震災には強いといわれています。
またエリアの大部分が古い年代に形成された固い地盤の上にあるため、地震で被害が大きくなる「液状化現象」の心配がほかの地域と比較すると少なくてすむこともポイントです。
<東京湾は津波の可能性が低い>
一方城南エリアは東京湾に近いことから、住みやすさが人気といっても津波が心配、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそも東京湾は、湾の入り口が狭く、中が広がる地形となっているため、津波が起こったとしてもエネルギーを減衰させやすいと考えられています。
また多くの河川が東京湾に流れ込んでいることも、津波のエネルギーを分散させるため、東京で2メートル以上の津波が発生する可能性はそこまで高くはありません。
そのため城南エリアにおいても、津波災害に対する過度の心配は不要とされているので安心です。
港区・品川区・目黒区・大田区の4区からなる城南エリアが、富裕層から人気が高い理由をご紹介しました。
アクセスや利便性がよいだけではなく、緑豊かで治安がよいため人気が高いのが城南エリアです。
住みやすさが人気の城南エリアは災害にも強いといわれており、資産価値が今後も上昇し続けると考えられていますので、これから東京でのお住まいを検討されている方は、ぜひ候補に入れてみてください。